パリ・オペラ座バレエ団

「シンデレラ」全3幕

TOP CAST

『シンデレラ』と『ジゼル』両作品で、ジョゼ・マルティネスをパートナーに初日を踊る。エレガントで洗練されたスタイルを極め、オペラ座のトップ・エトワールとしての貫禄を見せてくれることだろう。入団から10年後の1997年、ヌレエフ版『白鳥の湖』を踊ってエトワールに任命されてから12年。オペラ座の主要レパートリーを踊りこんできたが、古典バレエにおける卓越したテクニックや現代作品におけるシャープな感覚には定評がある。最近では、ノイマイヤー振付の『椿姫』のマルグリットのようなドラマティックな役柄でも成功を収めている。今夏の世界バレエ・フェスティヴァルで、『ジゼル』より第2幕のパ・ド・ドゥを踊り、夢幻的な美しさで喝采を浴びたが、今回は全貌を見せてくれるのがうれしい。

スペイン出身。87年のローザンヌ賞を受賞後、パリ・オペラ座バレエ学校に入り、翌年オペラ座バレエ団に入団。97年に、『ラ・シルフィード』のジェームスを踊ってエトワールに任命された。優雅で伸びやかなラインや憂いのある風情で、典型的なノーブルとして活躍してきた。その一方、マッツ・エクやノイマイヤーの現代作品では、ユーモアの一面も垣間見せ、クランコ振付『オネーギン』では、オネーギンを陰影深く演じ進境を示す。振付にも意欲的で、2008年に名画『天井桟敷の人々』をバレエ化した際には、オペラ座バレエ団の総力を結集した壮麗な舞台を作り上げた。『シンデレラ』では、主役の映画スターと並んでシンデレラの継母も当たり役。後者では、達者なポワントの妙技と独特の解釈が評判を呼んだので、日本でもぜひ踊ってほしい。

2004年に、カロリン・カールソン振付『シーニュ』を踊ってエトワールに昇進。オペラ座で現代作品を踊ってエトワールに任命されるのは異例のことだった。大柄なジローの踊りは、常にダイナミックかつ華やかで舞台によく映える。とりわけ、エック版『ジゼル』やプティ振付『若者と死』、バウシュ振付『オルフェオとエウリディーチェ』、プレルジョカージュ振付『メディアの夢』など現代作品に定評があるが、最近では、ヌレエフ版『ライモンダ』等にも取り組んでいる。『シンデレラ』に主演するのは、今回が初めてのようだが、モダンな感覚の作品なので、ジローがハリウッドのシンデレラ・ストーリーをどのように解釈するのか大いに期待したい。『ジゼル』のミルタも当たり役の一つなので、踊ってもらえたらうれしい。

輝くようなブロンドが美しいプリンス役の典型。2001年以来、プルミエ・ダンスールとして活躍しているが、若いながらこれほど芸域の広いソリストは少ないだろう。例えば、『シンデレラ』では、映画スターとプロデューサー、『ジゼル』では、アルブレヒトとヒラリオン、『白鳥の湖』では、王子と悪魔ロットバルト、というように主役から脇役まで持ち役は多彩。ルテステュやジローなど長身の女性エトワールのパートナーを務め、堅実な舞台成果が厚い信頼を得ているようだ。こうした実績に対し、シーズン開幕の『ジゼル』では、エトワール任命への期待もかけられていたようだ。今回ジローとの共演に期待がかかる。

デビュー当時から、抜群のプロポーションと美貌で将来を嘱望される存在だった。『白鳥の湖』や『ラ・シルフィード』などに見られる繊細で女性らしい優美なスタイルに定評がある。エトワールに任命されたのは、2005年、『シンデレラ』の主役を踊った際のこと。入団から20年以上たっていたが、既に多くの主役を務め、事実上のエトワールといえるような活躍をしていただけに、待望の昇進であった。おめでたに加え、右手を骨折していたにも拘わらず踊り抜いたというエピソードは、ムッサンの舞台にかける強い情熱を物語っている。この記念すべき作品『シンデレラ』で、円熟味を増した演技が見られることだろう。

バレエ界の名カップル、ドミニク・カルフーニとドゥ二・ガニオを両親にもつバレエ界のサラブレッド。幼い頃から舞台に立ち、容姿端麗、天性の資質に恵まれた、生まれながらのエトワールと言われて久しい。エトワール昇進は、2004年の『ドン・キホーテ』でバジル役に抜擢された時のこと。20歳の若さ、母カルフーニの場合と同じく、スジェの階級から一階級飛び越しての昇進のニュースは、世界を駆け巡った。エトワールとなってからは、『ラ・シルフィード』のジェームスや『白鳥の湖』の王子、『ジゼル』のアルブレヒト、ノイマイヤー版『椿姫』のアルマンなどを踊り、詩的でロマンティックな魅力を発揮。2008年には、マルティネズ振付の『天井桟敷の人々』でバティスト役を好演している。日本のメディアに登場する機会もぐんと増え、人気はさらに沸騰しそうだ。


※出演者、配役は2010年3月4日現在の予定です。

パリ・オペラ座バレエ団の都合、出演者の怪我等の理由により変更になる場合がありますので、ご了承の上、チケットをお求めください。出演者の変更にともなうチケットの払い戻し、日にちの振替はいたしません。正式な配役は公演当日に発表いたします。

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