349年の輝かしい伝統と洗練!圧倒的人気を誇るバレエの殿堂、華やかに来日!
パリ・オペラ座バレエ団 2010年日本公演
「シンデレラ」全3幕
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あらすじ
1930年代のハリウッド。父親が経営するレストラン・バーで下働きをするシンデレラは映画の世界に憧れている。継母の連れ子である二人の義姉は、映画に端役として出演するための準備で忙しい。そんなときシンデレラは事故にあった男性を介抱する。じつはその人は義姉たちが出演する映画のプロデューサーで、彼に見出されたシンデレラは豪華なドレスを着せられ、リムジンにのって撮影所へと出発する。暗黒街や刑務所、南の島に貴族の館・・・さまざまな世界を見せる魔法のような撮影所。そこに現れたのはハンサムなスター俳優! 映画の主役候補として彼とテスト撮影をすることになったシンデレラは、たちまち恋に落ちるが・・・。

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第1幕
ロサンジェルス近郊、ハリウッド。1930年代。
シンデレラの父親が経営するレストラン・バーで、シンデレラの二人の義姉は映画出演のチャンスを虎視眈々と狙い、ついに新作の端役を射止める。義姉たちは継母とともに撮影スタジオに持っていく衣裳の準備に忙しい。シンデレラは離れたところにぽつんと座り、一人ぼっちで、別の人生を夢見始める。


事故に遭い、怪我をした男が店に入ってくる。シンデレラは親身になって怪我の手当てをする。実は、彼こそが意地悪な義姉が端役として出演する映画のプロデューサーだった。シンデレラが彼の関心を独り占めしている。
ダンス教師が、義姉たちが撮影所に行く前の最後のレッスンにやってくる。さびしそうそうに彼らを見つめるシンデレラ。
皆が出かけた後、シンデレラはさっき見たダンスのステップをまねして、心を慰める。シンデレラは、コート掛けにかかっていた父親の服を着て、映画のキャラクター(チャップリンのリトル・トランプ)になりきって演じる。
プロデューサーが、映画に出演させるために、若い娘を探しに戻って来る。彼はシンデレラに春・夏・秋・冬のコレクションのファッション・ショーを見せ、彼女のデビューのためのドレスを1着選ばせる。


セットの大時計が12回鳴る。プロデューサーはシンデレラに「時間が経つのは早い。だから若くて美しい今こそ、夢を追いかけ女優になるべきだ」と告げる。プロデューサーはシンデレラを自分の豪華なリムジンに乗せて撮影所に向かう。


第2幕
撮影所。映画監督とアシスタントが口論している。
最初のスタジオは、監獄からのコミカルな逃亡が、2番目のスタジオでは男性がバレリーナに扮装した滑稽なシーンを撮影している。真ん中のステージでは、「キング・コング」のタヒチの娘たちが迫る危険に気づかず踊っているドラマティックなシーンを撮影中。キング・コングが襲ってくると現地人は娘たちを生贄としてささげる。


スター俳優を迎え入れるために、プロデューサーが全員をセットから追い払う。ハンサムな俳優がスタジオに入ってくる。継母と義姉たちは、この若いハンサムな男を独占しようとする。
ダンス教師が、コール・ド・バレエとスター俳優、2人の姉たちの練習を始めるが、義姉たちに才能がないことは明らか。
ちょうどそのとき、まるで大スターのように大勢のカメラマンに囲まれて、シンデレラが現われる。彼女は映画スターに出会い、テスト撮影が始まる。バレエ教師がシンデレラにダンスの練習をさせる。シンデレラ、そして映画スターがソロを踊る。


休憩となり、飲み物が運ばれてくる。3個のオレンジの取り合いをしながら、映画スターの目にとまろうと義姉たちはそれぞれハラハラするようなソロを踊る。義姉たちがどんなにがんばろうとすでに遅かった。シンデレラと映画スターは互いに恋に落ちてしまったのだ。
休憩の後、全員での撮影が行われる。大時計が12時の鐘を打ち始めると、その鐘の音を聞いたシンデレラは、美しいひと時の終わりを知り、撮影所から逃げ去る。

第3幕
映画スターと映画製作関係者が全員でシンデレラを探している。彼らはナイトクラブを隈なく訪ねることを決める。最初に訪ねたのはスペイン風居酒屋。シンデレラはその店では見つからない。スター俳優とそのお付きは、捜索を続ける。次に中国風の怪しげな酒場、そしてロシア風のキャバレーを訪れるがシンデレラはまだ見つからない。


家に帰ったシンデレラは、前日の出来事を思い出している。そこに継母と義姉たちが起きてきて、すべてがいままでどおりに始まる。映画スターがつかのま出会った美女が逃げ去るときに残していった片方の靴を手に現れる。彼は、2人の義姉と継母に靴を履かせようとするが、誰にも合わない。
シンデレラが自分でもう片方の靴を持ってくる。映画スターは愛する女性との再会に大喜びする。映画プロデューサー――半分ピグマリオンで半分ディアギレフである――は、この機に乗じて、シンデレラに最初の映画出演契約にサインさせる。
スクリーンの中と同じように、実際の人生においても、シンデレラと映画スターは幸せに暮らした。


