マチアス・エイマン インタビュー

マチアス・エイマン インタビュー

マチアス・エイマン(エトワール)

2001年 パリ・オペラ座バレエ学校入学。
2004年 16歳でパリ・オペラ座バレエ団入団。
2005年 コリフェに昇格。
2006年 スジェに昇格。
2007年 プルミエ・ダンスールに昇格。
2009年 4月16日「オネーギン」(ジョン・クランコ振付)でレンスキーを踊り、終演後エトワールに任命される。


「ジュエルズ」の"ルビー"で、大先輩のオーレリー・デュポンをパートナーに生き生きとした表情で余裕の舞台を見せたマチアス・エイマン。彼の弾ける躍動感にステージは明るく煌き、その美しく力強い跳躍と軽快な脚さばきに観客は呆気にとられた。いや、劇場中がどよめいた、といっても過言ではないかもしれない。

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「ジュエルズ」ルビー(photo:Michel Lidvac)

 最新&最年少エトワールということで彼にのしかかる世間の期待の重さを承知する彼は、"現在の自分の最高のレヴェルの舞台をみせる"、"観客に喜びを与え、自分も舞台の喜びを享受する"ということを自分に課している。「ジゼル」のオペラ座での初出演を振り返り、リハーサルの段階で悩んだと語れるのは、舞台の結果に満足している証だろう。
「自分でもアルブレヒトを踊ったことのあるローラン・イレールと稽古をしたんです。楽しみを求めてジゼルに言い寄る貴族、というのが彼の役の解釈でしたが、稽古を始めて、僕にはそれは向かないってわかったんです」。その結果、エネルギー溢れる若さという彼の持ち味を生かしたアルブレヒトが舞台に登場した。心から愛する人に出会えた喜びを満身にたたえたプリンスである。二コラのはリハーサルだったが、対ジゼル的にマッチョな男という印象を受けたという。「彼の年齢にはそれは似合ってるけど、22歳の僕がそう演じたら馬鹿げてしまう。ドロテと僕の若い二人にとっての現在のベストをみつけてくれたローランは素晴らしい」と語るマチアス。東京公演までまだ数か月あるので、それまでの成長によって、舞台はまた別のものになるかもしれないと本人も期待している。「でも、パートナーは絶対に変えないよ。僕のジゼルはド・ロ・テ!そしてドロテのアルブレヒトはマ・チ・ア・ス!(笑)僕たち年齢も近いので、すごく気が合うんだ。二人で最高の舞台を約束します」。

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「ジゼル」アルブレヒト(photo:Julien Benhamou/Opéra national de Paris)

 卓越したテクニックを評価される彼である。第2幕のアントルシャ・シスに観客が湧いたのは想像に難くないだろう。ここはソー・ド・バスクと組み合わせたり、まったくしなかったりとダンサーの任意パートである。「僕は振り付けに則って、最初からアントルシャ・シスだけ。この部分の音楽は心に訴える強さがあって、たとえ脚が疲れきっていても、音楽にのせられてしまうんだ。この部分は自分の命の果てまで行こうという自殺行為という物語的強さもある。それに僕のクオリティの1つは、ソー(跳躍)とバットゥリー(脚の打ち合わせ)。これを見せないのは残念でしょう。観客を感動させる、男性ダンサーにとって輝かしい瞬間でもあるので、アントルシャ・シス、絶対に見逃さないで!」
大村真理子(フィガロ・ジャポン・パリ支局長)



◆マチアス・エイマン出演予定日

「ジゼル」 2010年3月19日(金)7:00p.m. (アルブレヒト)

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