マチュー・ガニオ インタビュー

マチュー・ガニオ インタビュー

マチュー・ガニオ(エトワール)

1992年~99年 マルセイユ国立バレエ学校で学ぶ。
1999年 パリ・オペラ座バレエ学校に入学。
2001年 17歳でパリ・オペラ座バレエ団入団。
2002年 コリフェに昇格。
2003年 スジェに昇格。
2004年 5月20日「ドン・キホーテ」(ルドルフ・ヌレエフ振付)終演後、エトワールに任命される。


09-11.18Mathieu01.jpg 若くして皆に注目されるプレッシャーって、今まさに浅田真央ちゃんが味わっているようなものなのだろうか。マチュー・ガニオがエトワールになった時は、そのまま順調に大きくなっていくと思われたが、本人は相当苦しんだという。
 「だって、バレエ団内での立場は、それまで自分が憧れていたルグリ、イレール、ニコラ・ル・リッシュ、オレリー・デュポンなどと同じになったとしても、バレエのスキルはもちろん、作品の考察の深さとか、あらゆる意味で彼らの域に達していないことは自分でもわかっていたからね。ただ、そこで焦らずにその都度やるべきことに向き合っているうちに、成長の速度がエトワールになる前よりも早くなっているのを感じた。それが環境というものなのかはわからないけど」
 来日公演では、華のあるマチューならではの役どころを見せてくれる。それも音楽こそ耳になじんだプロコフィエフの「シンデレラ」なのに、舞台上で展開されるのはお城の宮廷内の話ではなく、映画業界のドラマ。
「で、僕が踊るのも、王子様じゃなくて、映画スター(笑)。シンデレラだって可哀想な、いじめられっ娘ではなく、自分の力で映画界をのし上がっていこうとしている、という設定が面白いよね。映画スターという存在に対しては、やっぱり昔から憧れがあったから、演じていてもワクワクするし。僕がロールモデルにしたのは、アラン・ドロン。古い?そうかなあ(笑)。でも僕たちの「シンデレラ」も今の何でもありの映画業界じゃなくて、選ばれた人間しか入れないような、そう、まさしく古き佳き時代の銀幕のイメージがあるんだ。ダンスにしてもフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがスクリーンを彩ったエレガンスに満ちていて。特にシンデレラと映画スターのパ・ド・ドゥなんて、バレエとして見ても信じられないくらいに美しい。バレエも映画もよく知っているヌレエフならではの振付だからね。両方のいいところを取り入れることができたんだろうね」
 パリ・オペラ座バレエの大先輩パトリック・デュポンが、アラン・ドロンと共演したバレエ業界のことを描いた映画(「ダンシングマシーン」)がある、と伝えると、
「なんか、観るのが怖いな(笑)。それって」

佐藤友紀(フリーライター)

09-11.18Mathieu02.jpg
「シンデレラ」映画スター


◆マチュー・ガニオ出演予定日

「シンデレラ」
2010年3月13日(土)6:30p.m. (映画スター)
2010年3月15日(月)6:30p.m. (映画スター)

photo:Laurent Philippe(舞台写真)、Nobuhiko Hikiji

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