[ロイヤル・バレエ]「うたかたの恋」朝海ひかるさんからのメッセージ

[ロイヤル・バレエ]「うたかたの恋」朝海ひかるさんからのメッセージ

本日開幕した「リーズの結婚」に続き上演されるのが、ケネス・マクミラン振付の「うたかたの恋」。
23年ぶりに日本に登場するこの作品は、ヨーロッパの名門皇族ハプスブルク家のルドルフ皇太子の心中事件を題材にしています。
今なお謎とされるルドルフの悲劇は、数々の書物や映画でも取り上げられ、日本でもシャルル・ボワイエとダニエル・ダリューの映画や宝塚歌劇団の同名の作品、そしてなんといっても大ヒットミュージカル「エリザベート」でルドルフ皇太子に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
「うたかたの恋」の初日を前に、宝塚歌劇団在団中に「エリザベート」でルドルフを、そして退団後、東宝ミュージカルでは、ルドルフの母でタイトルロールのエリザベート皇后を演じた、女優の朝海ひかるさんに、「うたかたの恋」のDVDをご覧いただき、この作品へのコメントをいただきました。

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音楽と心情、そしてパ(振付)が見事に一体になって、流れるように物語が語られていく。
一言も発していないのに、まるで台詞が聞こえているような錯覚を覚えるほど、
それぞれのキャラクターの心情が伝わってきて、
バレエを観たはずなのに、良質な芝居を観たような印象を受けました。

(ルドルフ皇太子役の)エドワード・ワトソンさんは、
ジャンプやターンの前でも、役の感情が一瞬たりとも途切れることがなく、
次第に追いつめられていくルドルフの苦悩をリアルに表現していて、
ルドルフそのもの。
ルドルフ皇太子にどこか面差しが似ていらっしゃることもあり、
舞台の上で実際のルドルフが息づいているようでした。
スタイルも抜群で、とても素敵なダンサーですね。

ルドルフの生涯を丁寧に、そしてリアリティをもって描いているこの作品を、
(宝塚で)ルドルフを演じる前に観ておきたかった・・・心からそう思います。
この夏、ミュージカル『エリザベート』で再びエリザベート役を演じますが、
この作品でのエリザベート皇后とルドルフとの関係性など
役づくりの参考にさせていただきたいと思っています。

まだバレエをご覧になったことのない、
ミュージカル・ファンや宝塚ファンの方にぜひおすすめしたい作品です。
これまで抱いていたバレエの概念が変わるのではないでしょうか。
「うたかたの恋」は芝居を観ているのと同じような感覚で楽しんでいただけるはずです。
私も今度は客席でこの作品を拝見できたらと思っています。


10-06.19Asami1.jpg朝海ひかる(女優) 

1991年に宝塚歌劇団に入団。雪組トップスターとして活躍し、2006年に退団。
宝塚歌劇団在団中の1998年「エリザベート」(宙組)でルドルフ役を、退団後の2008年には東宝ミュージカル「エリザベート」でタイトルロールを演じている。今年8月~10月には再びエリザベートを演じる。

■東宝ミュージカル「エリザベート」公式サイト
■朝海ひかるプロフィール(梅田芸術劇場)



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4988001316602.jpg●英国ロイヤル・バレエ団「うたかたの恋」DVD

CAST
ルドルフ皇太子:エドワード・ワトソン
マリー・ラリッシュ:マーラ・ガレアッツィ
ラリッシュ伯爵夫人:サラ・ラム



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