デンマーク・ロイヤル・バレエ団
「ロミオとジュリエット」全3幕
振付:ジョン・ノイマイヤー
振付指導:ジョン・ノイマイヤー、アンヌ・マリ・ヴェセル・シュリューター、ハイディ・リオム、アンヌ・ホルム・ジャンセン・バイク
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
【上演時間 約2時間50分】
2009年
5月22日(金)6:30p.m. ジュリエット:クリスティーナ・ミシャネック/ロミオ:セバスティアン・クロボー
5月23日(土)3:00p.m. ジュリエット:フェムケ・メルバッハ・スロット/ロミオ:ウルリック・ビヤケァー
5月24日(日)3:00p.m. ジュリエット:クリスティーナ・ミシャネック/ロミオ:セバスティアン・クロボー
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
恋によって、青年は怖れを知り、少女は勇気を知った。若き日のノイマイヤーの才気溢れる傑作!
敵対するキャピュレット家の周りで、憧れのロザリンドを待ちわびているロミオ。バスタオルを胸に巻いて、浴室ではしゃぎ回るジュリエット。青春の過渡期にある青年と少女が、運命に魅入られた恋の行く先は…!?
ジョン・ノイマイヤーの「ロミオとジュリエット」は、彼が29歳の時に発表し、その成功によってドラマティック・バレエの振付家としての地位を確固たるものとした記念碑的作品。数ある同名作の中でも名ヴァージョンの一つとして高い評価を得ています。人間の心理を鋭く描き出すことにかけて比類ないこの振付家は、成熟して積極的なロミオと無垢で無防備なジュリエットが、恋によって成長し互いに変化してゆく様を鮮烈に描き出します。また冒頭から登場し、二人の運命に深く関わる旅芸人の一座も、ノイマイヤー独特の仕掛け。何度も見た恋の物語が新たな光を放ちながら、やがて大きな感動へといざなう傑作を、ぜひお見逃しなく!
現代随一のドラマティック・バレエの巨匠
ジョン・ノイマイヤー(1942- )
シュツットガルト・バレエ団をへて、フランクフルト・バレエの芸術監督を務める1971年に、初めての大作「ロミオとジュリエット」を発表。1973年、ハンブルク・バレエの芸術監督に就任後、最初に上演した大作も「ロミオ~」であり、この成功により現在の地位を揺ぎ無いものとした。「椿姫」「幻想─『白鳥の湖』のように」「オテロ」「ニジンスキー」他、独特の心理的手法で人間の心の真実を描き出すことにかけて右に出るものはない巨匠。
ノイマイヤー・フェスト2009
2009年前半、ジョン・ノイマイヤーの作品が日本で相次いで上演されます。現代随一の振付家の魅力をたっぷり味わえる貴重な機会をお見逃しなく! ハンブルク・バレエ公演[東京・横浜2/12-2/19]、〈東京バレエ団創立45周年記念スペシャル・プロ〉「月に寄せる七つの俳句」、パリ・オペラ座バレエ学校公演「ヨンダーリング」[東京4/25-4/29]、デンマーク・ロイヤル・バレエ団公演「ロミオとジュリエット」。
CAST
2009年5月15日(金)6:30p.m.
テレシーナ:ティナ・ホイルンド/ジェンナロ:トマス・ルンド
2009年5月16日(土)3:00p.m.
テレシーナ:ディアナ・クニ/ジェンナロ:ティム・マティアキス
2009年5月17日(日)3:00p.m.
テレシーナ:ティナ・ホイルンド/ジェンナロ:トマス・ルンド
5月22日(金)、24日(日)
クリスティーナ・ミシャネック(ジュリエット)Christina Michanek
1981年生まれ。デンマーク・ロイヤル・バレエ学校を卒業後、研修生を経て2000年に入団。「人魚姫」のタイトルロール、「ロミオとジュリエット」のジュリエット、「アマー島の王の義勇兵」のエレオノラなど、多くの主役を演じている。ほかに、「民話」のパ・ド・セット」、「ナポリ」のパ・ド・シス、「アブダラー」のパ・ド・サンクなどを踊る。
セバスティアン・クロボー(ロミオ)Sebastian Kloborg
1986年生まれ。両親はデンマーク・ロイヤル・バレエ団の前芸術監督フランク・アナセンとエヴァ・クロボー(現バレエ・ミストレス)。デンマーク・ロイヤル・バレエ学校を卒業後、研修生を経て2005年に入団。その年、ジョン・ノイマイヤーにより「ロミオとジュリエット」のロミオに抜擢される。そのほか、キリアンの「ベラ・フィギュラ」、「小さな死」、アロンソ版「ドン・キホーテ」のエスパーダ、ノイマイヤーの「1963:イエスタディ」などコール・ドながらソリスト役を任されている。
5月23日(土)
フェムケ・メルバッハ・スロット(ジュリエット) Femke Mølbach Slot
1984年生まれ。デンマーク・ロイヤル・バレエ学校を卒業後、研修生を経て2003年に入団。2008年にソリストに昇進。「ラ・シルフィード」のシルフィード、「アブダラー」のパ・ド・サンク、「デンマークを遠く離れて」のポール、「アマー島の王の義勇兵」のパ・ド・トロワなどのブルノンヴィル作品で活躍。ほかに「ロミオとジュリエット」のヘレナとエミリア、「レクイエム」のソリストなど。
ウルリック・ビヤケァー(ロミオ) Ulrik Birkkjær
1985年生まれ。 デンマーク・ロイヤル・バレエ学校を卒業後、研修生を経て2004年に入団。2007年にソリストに昇進。主なレパートリーに「エチュード」のエトワール、「白鳥の湖」のベンノ、「La Ventana」のパ・ド・トロワ、「ナポリ」のパ・ド・シスなど。2007年にトロントで行われたエリック・ブルーン・コンクールで金賞を受賞した。
※ デンマーク・ロイヤル・バレエ団芸術監督ニコライ・ヒュッベの強い意向により、当初発表しておりましたジュリエット役が変更となっております。
※ 表記の出演者は2008年5月2日現在の予定です、ダンサーの病気や怪我、バレエ団の都合により変更になることがあります。変更の場合、入場料の払い戻しや他公演への振り替えはいたしませんので、あらかじめご了承ください。
ものがたり
キャピュレット家とモンタギュー家が反目し合うヴェローナの町。今日も両家の間で大きな争いが起こる。その中にはモンタギュー家のロミオとキャピュレット家のティボルトの姿もあった。キャピュレット家の娘ジュリエットは、入浴しながら従姉妹たちと跳びはねているが、母から結婚を諭される。その夜のキャピュレット家の舞踏会。別の女性を目当てに紛れ込んだロミオは、美しいジュリエットを見初める。ジュリエットは婚約者のパリス伯爵を紹介されるが、自分を見つめるロミオに気づく。舞踏会の後、ロミオはジュリエットの部屋のバルコニーの下に現れ、二人は恋に落ちる。
広場で祭りが行われ、旅の芝居の一座も訪れている。ロミオは親友の僧ローレンスを通じてジュリエットの乳母へと、結婚の申し込みを託す。両家の争いを終結させようと、僧ローレンスは二人の結婚式を執り行う。祝宴たけなわの広場で、酔ったティボルトがロミオの友人マキューシオと諍いを起こし、彼を殺してしまう。逆上したロミオはティボルトに報復し、芝居の一座にまぎれて逃亡する。
町から追放の身となったロミオは、ジュリエットと最後の一夜を過ごす。ジュリエットは両親からパリスとの結婚を申し渡される。ジュリエットは僧ローレンスに助けを求める。夢の中でロミオとの幸福な将来を確信したジュリエットは、両親には結婚承諾の返事を与えて、ローレンスの助言に従い眠り薬を飲む。深い眠りについたジュリエットを、誰もが死んだと思い込む。真実の計画を知らせるためにローレンスがロミオを探すが、うわさを聞いてキャピュレット家の墓所に駆けつけたロミオは、横たわるジュリエットの側で自らを刺す。眠りから覚めた彼女は、恋人の死を見てとり、死をもって結ばれる道を選ぶ。