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2013/01/25 2013:01:25:16:12:10

【BBL特集3】那須野圭右 インタビュー

13-01.25BBL02.jpg これまでの日本公演でも『バレエ・フォー・ライフ』、『火の鳥』をはじめ、さまざまな作品で重要な役柄を踊り、BBLの活動の中核を担うダンサーとして、その存在感を印象づけてきた那須野さん。インタビューでは、今回の日本公演で上演される『ディオニソス組曲』の魅力、ベジャール作品への思いについて語ってくれました。


──『ディオニソス組曲』の魅力を教えてください。
 40分程度の長さの作品ですが、これは長編バレエ『ディオニソス』からの抜粋です。明確なストーリーはなく、モーリス・ベジャールのクラシックなスタイルによる作品です。バレエは静寂と暗闇の中で始まり、さまざまなダンスを経て、エネルギーに満ちあふれた男性アンサンブルで終わります。
 このバレエは、なんと言っても男性のバレエだと強く感じます。タベルナ(酒場)のシーンの一つで、僕は若者を踊ります。そのあとに男性ダンサー全員が、ヴェルサーチのデザインした独特のフォルムの赤いパンツ姿で登場します。全員が半円を描いて座り、独特な雰囲気とエネルギーが生まれ、同じ音楽が何度も繰り返される。それはまさに日本のお祭りのようです。

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──では、那須野さんにとって、モーリス・ベジャールとは?
 ダンスの神様であると同時に、カンパニーのメンバーと付属学校の生徒みんなの祖父でした。モーリス・ベジャールは、私のことを"サンジュ(猿)" と呼んでいて、たくさん跳躍があり、速いリズムの音楽を使ったフィジカルな作品をいろいろ練習させてくれました。スタジオにモーリスと一緒にいること、彼と一緒に仕事をすること、それだけでも既にとても意味深く、強烈な経験でした。今は、まだ知らないモーリスのバレエを踊りたいという気持ちもあります。カンパニーの提案に沿って、取り組んでいきたいですね。

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(取材・文 アーノルド・グロッシェル)