1月12日(木)に初日を迎える、東京バレエ団<ニジンスキー・ガラ>の上演時間をお知らせいたします。
1月12日(木)、14日(土)と13日(金)の上演順が異なっておりますので、ご注意ください。
<ニジンスキー・ガラ> [上演時間 約2時間20分]
1月12日(木) 19:00開演
『薔薇の精』 19:00~19:30
『牧神の午後』
-休憩 20分-
『レ・シルフィード』 19:50~20:25
-休憩 15分-
『ペトルーシュカ』 20:45~21:20
1月13日(金) 19:00開演
『レ.シルフィード』 19:00~19:40
-休憩 20分-
『薔薇の精』 20:00~20:25
『牧神の午後』
-休憩 15分-
『ペトルーシュカ』 20:40~21:20
1月14日(土) 15:00開演
『薔薇の精』 15:00~15:30
『牧神の午後』
-休憩 20分-
『レ・シルフィード』 15:50~16:25
-休憩 15分-
『ペトルーシュカ』 16:45~17:20
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<ニジンスキー・ガラ>の最近のブログ記事
ウラジーミル・マラーホフ&東京バレエ団が2012年新春に贈る<ニジンスキー・ガラ>。20世紀初頭に一世を風靡したバレエ・リュスで活躍した不世出の天才ニジンスキーが活躍した名品によるミックス・プロだ。ここでは『レ・シルフィード』『薔薇の精』『ペトルーシュカ』に登場する東京バレエ団の踊り手に焦点をあて、見どころを探りたい。
ショパンのピアノ曲にのせ、月明かりに照らされた森のなかで詩人が妖精たちと舞う『レ・シルフィード』は東京バレエ団の誇るお家芸のひとつ。整然と揃ったシルフたちの群舞をはじめ細部まで美しく磨きあげられた舞台は海外でも賞賛を浴びてきた。
ニジンスキーの踊った詩人役をマラーホフと競演するのが木村和夫。この作品は筋のないバレエの先がけと称されるも詩人の個性によって趣が異なる。木村の詩人は単にノーブルに取り澄ましただけでも絵にかいたような純朴なロマンチストでもない。愁いの色濃い面持ちで、メランコリックな空気を漂わせる。とはいえ妖精たちと華麗に舞い一幅の泰西名画の中心にしっかりと収まるさじ加減はベテランならではといえよう。
プレリュードには吉岡美佳、小出領子というプリマを配する。清楚可憐にして気品あふれる吉岡には妖精役がよく似合う。マラーホフと踊る日もあり、長きにわたって彼と築いてきたパートナーシップの妙が発揮されそうだ。小出は伸びやかなラインと豊かな音楽性を誇る。上半身をなだらかにもちいた優美な踊りを披露するだろう。楚々とした風情が得難い高木綾(ワルツ)、力強い踊りに定評ある田中結子(マズルカ)、堂々たる存在感をみせる奈良春夏(マズルカ)といった選り抜きのソリストたちにも注目したい。

『薔薇の精』はゴーティエの詩に基づく佳品。舞踏会から帰った少女が居間でまどろみ夢うつつに薔薇の精と踊りに興じる。タイトル・ロールを踊ったニジンスキーの驚異的な跳躍、両性具有の官能美は語り草となっている。薔薇の精を踊る男性につい目が行ってしまうけれども少女が夢と現実のあいだに抱く淡い恋が見えないとドラマは立ちあがらない。
『薔薇の精』をマラーホフの秘蔵っ子、ディヌ・タマズラカルが踊り、少女を高村順子と吉川留衣が演じる。高村は愛くるしい容姿といきいきとした踊りが身上。お人形のように可愛らしいなかに少女が抱く大人への憧れを浮き彫りにする。初役となる吉川は見目麗しい顔立ちにしてスタイルも抜群の気鋭。美しく品のある踊りをみせるのではないか。
本公演の大きな眼目はマラーホフがタイトル・ロールを初披露する『ペトルーシュカ』だろう。人間の心を持ってしまった人形の悲哀をマラーホフがいかに表すか目が離せない。加えて、ペトルーシュカを取り巻く面々を東京バレエ団の実力派が演じるのも楽しみだ。
ペトルーシュカの思慕するバレリーナは真っ赤な頬紅をつけた可愛らしい人形。不器用な彼の思慕を解らず相手にしない。このたびは小出領子と佐伯知香が挑む。小出は以前踊った際、チャーミングな容姿が映え好評を博した。「人形振り」も堂に入っている。初めて挑む佐伯は愛らしく小粋な踊りをみせる成長株。バレリーナ役にぴったりといえる。
ペトルーシュカの恋敵ムーア人を後藤晴雄と森川茉央が演じる。以前踊った後藤はペトルーシュカを斬殺する悪漢を冷酷に演じるはずだ。森川はベジャール振付『ザ・カブキ』の直義に抜擢されるなど上り調子の若手であり嘱望される。縁日の見世物小屋の老魔術師シャルラタンを演じる柄本弾も若くして主役経験重ねる俊英ながら『白鳥の湖』の悪魔ロットバルトを演じるなど役柄の幅を広げるだけに迫力十分の演技をみせるだろう。
東京バレエ団は近年バレエ・リュス作品、ニジンスキーが踊った名作を折にふれて取り上げている。古典作品と現代作品の間に位置し、両者を繋ぐ役割を果たしたレパートリーに接することは、歴史を知り、バレエをより深く楽しむためにも有意義だ。今回は個性あふれる踊り手たちがニジンスキーの伝説をいまに伝える絶好の機会。心ゆくまで堪能したい。
舞台写真:Kiyonori Hasegawa
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2012年の幕開けを飾る、東京バレエ団は<ニジンスキー・ガラ>の初日まで1週間となりました。
舞踊評論家の高橋森彦さんに、<ニジンスキー・ガラ>に出演する東京バレエ団のダンサーたちへの期待、見どころを2回にわたって紹介していただきます。
第1回目は、1月3日に開催された「NHKニューイヤーオペラコンサート」において、『牧神の午後』の牧神とニンフ役を初めて演じた後藤晴雄と上野水香の2人を取り上げていただいています。
届いたばかりの3日の舞台写真と合わせてご覧ください。
新春恒例の「NHKニューイヤーオペラコンサート」が1月3日夜に行われた。今年で55回目を迎えた伝統ある催しである。東京・渋谷のNHKホールから全国に生放送されたためご覧になった方もいらっしゃるだろう。内外で活躍するオペラ歌手が集い、名作オペラのなかから愛をめぐるアリアを中心に歌って華やかに競演した。そこに一組バレエの参加があった。東京バレエ団が上演した『牧神の午後』である。

同作はフランス象徴派詩人マラルメの詩に触発されてドビュッシーが作曲した「牧神の午後への前奏曲」に伝説の天才舞踊手ニジンスキーが振付・主演したもの。ちょうど今から100年前に初演された。牧神が水浴びに来たニンフたちと戯れるエロティックで夢想的な舞踊詩だ。今回主演したのはともに初役となる後藤晴雄と上野水香だった。
幕が開くと、小川の側の岩棚で休んでいる牧神が笛を吹いたり、ブドウをむさぼり食ったり、まどろんでいたりする。そこへやって来たニンフに欲情し交わろうとするも果たせない...。やがて残されたスカーフに体を当て自らを慰める――。牧神役の後藤は客席に対し横を向きながら左右に歩いたり、絵画的なポーズを取ったりしながら半獣神に成りきる。フルートに始まる気だるい調子のテーマにのせた所作の一つひとつがナイーヴで、匂い立つような色香もある。野性味たっぷりに半身獣の牧神を演じたと伝えられるニジンスキーの残照を感じさせつつマラルメ/ドビュッシーの生んだ牧歌的な詩情に富む世界に息づいていた。

ニンフ演じる上野の演技も新鮮だ。高々と掲げられる脚が代名詞ともいえる抜群の身体能力、高度なテクニックを誇る彼女がエジプト壁画もしくはギリシャ陶器の絵柄を参照したといわれる平面的なポーズや鋭角的な動きの連なる独特な振付を踊るということにイメージが湧きにくいかもしれない。けれども上野は振付の一つひとつを丁寧に噛みしめるかのように踊る。牧神に気付くも逃げ遅れ、絡め捕られそうになり、驚き恥らいながら逃れようとするさまが違わずに伝わった。抑えた演技のなか、ほのかな色気が立ちのぼる。
開幕迫る<ニジンスキー・ガラ>でも両者はパートナーを変えて『牧神の午後』に主演する。上野は世界のスター、ウラジーミル・マラーホフと組む。奇才マラーホフと、どのような化学反応を起こすか楽しみにしたい。後藤はニンフ役をマラーホフや牧神を当り役にする名手シャルル・ジュドと共演し好評を得た井脇幸江と踊る。ベテラン同士ならではの深みある演技となるだろう。ふたりの個性息づく舞台を、この目でしかと味わいたい。
舞台写真:NHKニューイヤーオペラコンサートより (c)NHK/NPS
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