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2009/04/17 2009:04:17:15:41:43

振付家ジョン・ノイマイヤー スペシャル・インタビュー

 〈東京バレエ団創立45周年記念スペシャル・プロ〉がいよいよ明日初日を迎えます。東京バレエ団発展の歴史に深く関わり、かつ久々に上演される作品が並ぶスペシャル・プログラムということで注目が集まっていますが、中でもジョン・ノイマイヤー氏振付の『月に寄せる七つの俳句』は初演当時から傑作との評価を受けながら、18年ぶりの上演となります。今回の再演にあたって多忙なスケジュールの中、来日し、4月11日(土)から14日(火)までの4日間に渡って振付指導を行ったノイマイヤー氏に話を聞きました。


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 まずは4日間を終えて、「短い期間でしたが、本当に多くのことを成し遂げたような感じです。東京バレエ団の皆さんが本当に一生懸命取り組んでくれましたし、この4日間で非常に大きな進歩が見られたので、きっとすばらしい舞台になることと思います。何よりも重要なことは、この『月に寄せる七つの俳句』というバレエにまた命が吹き込まれたということです」と語り、その成果を強調しました。


 芭蕉、蕪村、一茶らが月を詠んだ俳句に、バッハとアルヴォ・ペルトの音楽を組み合わせて創作された本作は、初演から20年の時が経ってもなお、心に染み入るほどの美しさを湛えています。


「現代に生きる日本の皆さんは、e-mailやインターネットなどに囲まれ、落ち着いた静かな時間をすごすことが難しいかと思いますが、素朴で深遠であった先人にとっては単純に月を眺めるだけでも、とても意味の深い催しであったわけです。このバレエについて理解していただくには、こういった詩的な精神性を理解しなければなりません」


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 今回の再演にあたっては、かつてノイマイヤー氏と一緒に作品を創りあげた初演キャストと新たなキャストによって上演されます。


「(斎藤)友佳理、(高岸)直樹、(木村)和夫の初演キャスト3人で上演できることを大変嬉しく思います。彼らは20年もの人生経験をこの作品に投影してくれていて、それはとても感動的なほど。おかげで、この作品は20年前よりも、より強いものになったと思います。また、若手キャストの皆さんもとても一生懸命取り組んでくれたので、きっと新たな物語が創られると思っています。私は、振付家である私自身が生きている限り、作品も生き続けていると信じています。バレエは決して終わることはなく、私が戻ってきた時に、また新たな作品として生まれ変わるのです」と語るとおり、今回ノイマイヤー氏によって大幅に手が加えられ、新たな命が吹き込まれた本作、18年ぶりの再演をどうぞお楽しみください!