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2010/02/19 2010:02:19:16:39:44

[シルヴィア]マルセロ・ゴメス 来日直前スペシャルインタビュー

『シルヴィア』の東京バレエ団初演まで、いよいよあと1週間となりました!
ポリーナ・セミオノワ演じるシルヴィアに思いを寄せる牧童アミンタを演じるのは、アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル、マルセロ・ゴメス。来日直前のゴメスに公演への思いを聞きました!


●これまでアミンタ役を何回くらい踊っていますか?

3~4回くらい踊っています。初めて『シルヴィア』に出演したときは、オリオンを演じました。アミンタとオリオンは正反対の役柄。アミンタはとても高潔でロマンティック、それに対してオリオンは他を圧倒するような力に満ちた役柄なので、2つの役柄とも演じていてとても楽しかったです。


●アミンタ役を踊る上でどのような難しさがありますか?

アシュトン作品はどの踊りも詩的で、精密なアシュトン・スタイルのあるべき姿から離れてはならないので、テクニック的にとても難しいですね。僕が大好きな場面の一つに、第1幕のアミンタの登場のソロがありますが、とてもゆったりとしたテンポで、厳格なアシュトン・スタイルで踊らなければなりません。ただ、彼の作品は振付そのものが物語や役柄の感情を語っており、踊りながら役柄そのものと繋がっていると感じられるので、僕は大好きなんです。

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『シルヴィア』アミンタ(photo:GeneSchiavone(ABT))


●アミンタとその恋敵オリオン、正反対の役柄で好評を得ていますね。

一つの作品で異なる役柄を演じることは、作品全体を把握する上でとてもためになっています。『シルヴィア』以外では、『白鳥の湖』でロットバルトとジークフリート王子、『海賊』でアリ、ランケデム、コンラッドを踊っています。通常、一つの役柄に複数のダンサーがキャスティングされるので、他のダンサーとのコントラストを見せるためにも、俯瞰的な視点を持って役柄を演じることにとてもやりがいを感じています。なにより、舞台の上で演じることが本当に好きなので、さまざまな役柄を踊れることをとても楽しんでいます。


●それでは、『シルヴィア』について言えば、どちらの役柄を演じるのが好きですか?

それは答えるのがとても難しい質問ですね(笑)!アミンタもオリオンも大好きな役柄ですし、それぞれ何かしら僕自身に与えてくれる役柄なので、この2役を演じられることを本当に感謝しています。ただ、アミンタは、僕のハートの中でも特別な場所に位置しているということは言えます。


●お気に入りの場面はありますか?

たくさんあります!第3幕のグラン・パ・ド・ドゥは、美しい振付、美しい装置、そしてシルヴィアとアミンタの愛にあふれる場面なので、大好きです。また、第2幕の洞窟の場面のオリオンとシルヴィアの踊りも素晴らしいですね。もうすべての動きがゴージャスだと思います。あとやはり、第1幕でアミンタが登場する美しいソロ。シンプルだけれど、アミンタという人物そのものを表しているような踊りで、そのシンプルさがとても好きです。


●シルヴィアを演じる、ポリーナ・セミオノワとは初めての共演ですね。

ここ数年、いろいろな方から「ポリーナとの舞台が観たい」と言われ続けていたので、とても楽しみです。彼女とはガラ公演などで顔を合わせることが多く、初めて会ったのは数年前のギリシャでのマラーホフのガラのときのことでした。当時の彼女はとても若く才能にあふれていましたが、それから時が経ち、さらに経験を積み、美しいバレリーナとなった彼女の変化を、今回見られることを楽しみにしています。ちょうどいいタイミングで共演の機会を与えていただいたと思っています。


●公演を楽しみにしている日本の皆さんにメッセージをお願いします。

日本の皆さんがバレエ、そして芸術そのものに深い愛を持ってくださっていることに感謝しています。僕も、バレエだけではなく、さまざまな芸術を愛しているので、皆さんがアーティストや芸術家にどのような敬意を抱いてくださっているかが理解できます。こういった芸術に深い理解をいただいていることは、他のどの国でもあまり見られないことだと思います。日本でステージに立つときは、いつも心からの拍手を送っていただいていると感じられますし、そのことにとても感謝しています。
今回の舞台が東京バレエ団と初共演なので、とても楽しみにしています。また、僕が今まで重ねてきた経験を日本の皆さんにお見せできることも楽しみにしています。皆さんにも僕がステージを思いきり楽しむように、舞台を楽しんでほしいです!