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2015/11/10 2015:11:10:19:54:32

【シュツットガルト】ガラ公演〈シュツットガルトの奇跡〉作品解説

間もなく開幕するシュツットガルト・バレエ団2016年日本公演。11月18日(水)のガラ公演〈シュツットガルトの奇跡〉では、創設者クランコの4つの小品とともに、現在の常任振付家であるマルコ・ゲッケとデミス・ヴォルピ、すでに日本でも作品が紹介されているイツィク・ガリリ、エドゥアルド・クルグなど活躍中の振付家たちの作品を、シュツットガルトのスターたちが総出演で上演。
最新のキャストとともに作品解説を掲載いたしますので、ご鑑賞前にぜひご一読ください。



『ボリショイに捧ぐ』
振付:ジョン・クランコ 音楽:アレクサンドル・グラズノフ 
出演:アリシア・アマトリアン、コンスタンティン・アレン★
創設者ジョン・クランコによる、20 世紀半ばに欧米を席巻したソビエトのバレエに想を得た作品。アクロバットのように大胆なリフトと完璧なラインが散りばめられている。


『Ssss..』よりソロ
振付:エドワード・クルグ 音楽:フレデリック・ショパン
出演:パブロ・フォン・シュテルネンフェルス
 ショパンの哀感に満ちた「ノクターン」を使用したソロ。ムーヴメントと音楽が響き合い、夜半の深く青い月の光に照らし出された世界を出現させる。


『リトル・モンスターズ』
振付:デミス・ヴォルピ 音楽:エルヴィス・プレスリー
出演:エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
 エルヴィス・プレスリーのヒットメドレーにのって、二人のダンサーは義務と欲望の間を行き交う。肩を寄せ合ったかと思うと、互いの手の届かないところに消え去ろうとする。


『In2』
振付:ファビオ・アドリジオ 音楽:フィリップ・グラス
出演:ミリアム・カセロヴァ、ロマン・ノヴィツキー★
 フィリップ・グラスのピアノ曲のスピード感と静けさに共鳴しながら、男女を惹きつける力と反発させる力の底流にあるものを探っていく。〈若手振付家の夕べ〉で初演された、優雅で洗練されたパ・ド・ドゥ。


『心室』
振付:イツィク・ガリリ 音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
出演:フリーデマン・フォーゲル、ジェイソン・レイリー
 フリーデマン・フォーゲルとジェイソン・レイリーのために創作された。二人の男性がしっかりと抱擁し合った後、深い友情と敵対心によって突き動かされる様子を描き出す。

The Chambers of a Heart_1.jpg

『バイト』
振付:カタジェナ・コジルスカ 音楽:ガブリエル・プロコフィエフ
出演:アンナ・オサチェンコ、コンスタンティン・アレン
熱烈に向き合う男女による、ダイナミックで、しなやかで、躍動的、なおかつユーモラスなパ・ド・ドゥ。根底にあるのは、親密な関係と支配欲とのスリリングなせめぎ合いだ。


『イニシャルR.B.M.E』第3楽章
振付:ジョン・クランコ 音楽:ヨハネス・ブラームス
出演:アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル、ほか
 クランコのミューズ、マリシア・ハイデに捧げられた第3楽章「M」はこの傑作の中核を為す場面。ある女性と男性の関係を描きつつ、愛について、愛を失うことについて語る。


『モペイ』
振付:マルコ・ゲッケ 音楽:カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
出演:ロバート・ロビンソン★
バロック音楽を用いた遊び心に満ちたソロ。手と腕の細やかな波動と、憑かれたように激しく、時に奇想天外な全身の躍動を融合させた動きにゲッケ得意の手法がちりばめられている。


『ファンファーレLX』
振付・美術:ダグラス・リー 音楽:マイケル・ナイマン
出演:アンナ・オサチェンコ、ジェイソン・レイリー
 ダグラス・リーが芸術監督リード・アンダーソンの 60 歳の誕生日のサプライズとして創作したパ・ド・ドゥ。ガラ公演の人気演目。


『魅惑』
振付:デミス・ヴォルピ 音楽:ニーナ・シモン
出演:ヒョ・ジョン・カン
 ニーナ・シモンが愛敬たっぷりに歌うジャズ曲「グッド・ベイト」に身を任せ、女性が備えている神秘的な魅力について語るソロ。


『じゃじゃ馬馴らし』よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 
音楽:ドメニコ・スカルラッティ 編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェ
出演:エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
 クランコの卓越した才気が生み出した、どうしようもなく自意識過剰の男と、男勝りの闘争心を持つ女のペアによる、バレエ史上類をみない愉快なパ・ド・ドゥ。


『伝説』
振付:ジョン・クランコ 振付:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
出演:アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル
 ロシアの伝説的バレリーナ、ガリーナ・ウラーノワへのオマージュとしてクランコが創作。難易度の高い流麗なリフトを多用した詩情あふれる振付は、クランコの新生面を開いた。


『同じ大きさ?』
振付:ロマン・ノヴィツキー 音楽:ハズマット・モディーン
出演:マテオ・クロッカード=ヴィラ、ルイス・スティンス、アレクザンダー・マッゴーワン
 個性派バンド、ハズマット・モディーンの軽妙洒脱な音楽にのせて、現役ダンサーのロマン・ノヴィツキーが振付けた陽気な小品。地元観客の熱狂的な喝采を浴び、ヒット作品となった。


『ホルベアの時代より』
振付:ジョン・クランコ 音楽:エドヴァルド・グリーグ
出演:ミリアム・カセロヴァ、コンスタンティン・アレン
 超絶技巧と高度なリフトを満載した振付が、エドヴァルド・グリーグの音楽のスタイルと見事な調和を見せるパ・ド・ドゥ。ビルギット・カイルとハインツ・クラウスが初演。

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『モノ・リサ』
振付:イツィク・ガリリ 音楽コンセプト・作曲:トーマス・ヘフス、イツィク・ガリリ
出演:ヒョ・ジョン・カン、ジェイソン・レイリー
スポットライトが天井から吊り下げられ、音楽が鼓動のようなリズムを刻む中、二人のダンサーが出会い、激しい闘争を繰り広げるかのようなクールで先鋭的なパ・ド・ドゥ。


『ドン・キホーテ』よりパ・ド・ドゥ
振付:マキシミリアーノ・グエラ 音楽:ルトヴィク・ミンクス
出演:エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
全幕の最後に主人公のキトリとバジルが踊る、華麗なテクニックに溢れた、観客を熱狂させずにはおかないパ・ド・ドゥ。


★当初発表したキャストから変更になっております。ご了承ください(10月30日)。


photo:Bernd Weissbrod