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2016/11/29 2016:11:29:10:00:00

【パリ・オペラ座バレエ団】スペシャル・インタビュー ジェルマン・ルーヴェ[1]
 正統派ダンスール・ノーブルのエトワール候補としていま大注目を浴び、3月の日本公演では『ダフニスとクロエ』に主演するジェルマン・ルーヴェ。彼のインタビューを2回に分けてお届けします。ジェルマンの素顔と声が視聴できるインタビュー映像もあります!


『ダフニスとクロエ』で見出されて

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 11月4日の昇級コンクールの結果、来年1月1日からプルミエ・ダンスールに上がることになったジェルマン・ルーヴェ。現在23歳の彼がブルゴーニュ地方に生まれ、4歳でダンスを始めてから今にいたるまでを、まず駆け足で紹介しよう。活発な子どもだった彼は、最初はモダンジャズ・ダンス、ついで7歳でクラシック・バレエを習い始め、オペラ座バレエ団の学校を受験して入学。最年少クラスの第6ディヴィジョンから第1まで、順調に6年で卒業した。学校の公演ではピエール・ラコットの『コッペリア』で主役のフランツに抜擢されている。カンパニー入団は2011年と、まだたった5年前のことだ。

 前芸術監督のバンジャマン・ミルピエは、『くるみ割り人形』のドロッセルマイヤー役と『ロミオとジュリエット』のロミオ役にジェルマンを選んでいる。前者を踊ったのはスジェとしてだが、配役が決まったのは彼がまだコリフェの時代だった。

「バンジャマンは、『ダフニスとクロエ』のコール・ド・バレエで踊ってるときに、僕を見出してくれたんですね。だから、僕にとってこの作品は特別なものといえます。それゆえに、今度の来日ツアーでこの作品をソリストとして踊ることになって、なにか物事が1つ、くるりと回って完結する、という感があります。ベースになっているギリシャ神話には物語があるけれど、バンジャマンの『ダフニスとクロエ』はアブストラクトです。
 ダフニス役を踊るにあたっては、創作ダンサーのエルヴェ・モローを僕の模範とするつもりです。ロマンティックなダフニス像です。コール・ド・バレエで踊りながら彼をみていたのですが、彼ってすごいですよね。舞台空間を満たすように、腕、脚が実に大きく開いて...。顔立ちは美しく、体型も素晴らしい。彼のダンスはとっても滑らかで、これはバンジャマンのダンスのスタイルにはぴったりなんです」

 この作品は音楽も舞台装置もきれい、とジェルマンは絶賛する。彼のパートナーとしてクロエ役を踊るのはアマンディーヌ・アルビッソン。彼女と組むのは、今回が初めてのことだ。彼が学校に入ったとき、第1ディヴィジョンにいた彼女は"ワァーオ!"という存在で、ずっと彼女の仕事を彼はフォローしているそうだ。2014年3月の『オネーギン』での彼女の任命時には、偶然にも会場に居合わすという幸運も。今では気の合う友達で、バカンスも一緒、という良い関係だという。

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「ロミオとジュリエット」より





(part2に続く)>>

 
インタビュー・文/濱田琴子(ジャーナリスト、在パリ)


Photo:Julien Benhamou/OnP(ポートレート、舞台写真)

 

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