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2015/02/20 2015:02:20:13:23:32

斎藤友佳理 東京バレエ団芸術監督就任記者会見レポート

15-01.20_00.jpg 2月13日、都内ホテルにて、斎藤友佳理東京バレエ団芸術監督就任記者会見が行われ、斎藤友佳理とともに、飯田宗孝現芸術監督、公益財団法人日本舞台芸術振興会の高橋典夫事務局長が出席しました。
 冒頭で、2013年12月にスタートし、残すは『ジゼル』のみとなった創立50周年記念シリーズの実績を振り返った高橋事務局長。51年目からの新たな体制づくりの必要性を感じ、「50周年事業の最後の仕上げ」として、斎藤友佳理の芸術監督就任を考えていたといいます。これは、現在アーティスティック・アドバイザー任期中であるウラジーミル・マラーホフの強い勧めであったとも。この日に会見が決まった理由の一つが、「今日は佐々木忠次総監督の誕生日だから」だと言う飯田現芸術監督は、東京バレエ団長として佐々木総監督を補佐し、東京バレエ団、東京バレエ学校を監督していくことも発表されました。
 長くプリマ・バレリーナとして踊ったうえ、ロシア国立モスクワ舞踊大学院バレエ・マスターおよび教師科を首席で卒業した斎藤。2013年の『ラ・シルフィード』では振付家より指導を一任され、舞台を大成功に導きました。この大役を受けるにあたり、「不安な気持ちはありますが、愛する東京バレエ団をさらに大きく飛躍させる一助になればと、周囲の勧めもあり、お引き受けしました。まずは、指導体制の統一を目指したい」と抱負を語ります。斎藤の芸術監督就任は8月1日の予定。「最初の大きな仕事は、来年2月に予定される『白鳥の湖』。ウラジーミル・ブルメイステル版を上演します。1953年にモスクワのスタニスラフスキー、ネミロヴィチ=ダンチェンコ劇場(モスクワ音楽劇場)で初演された、演劇的要素の強い『白鳥の湖』です」

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 また、8月の "子どものためのバレエ『ドン・キホーテ』"新制作、10月の『ドン・キホーテ』神奈川公演、11月〜12月のシルヴィ・ギエム ラスト・ツアーでのウィリアム・フォーサイス振付『イン・ザミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』バレエ団初演、イリ・キリアンの『ドリームタイム』などのラインナップも発表。その後についても、「バレエ団の財産である『ザ・カブキ』などのオリジナル作品は定期的に上演し続けたい。また、ベジャールの『ボレロ』『春の祭典』など、限られたバレエ団でしか上演されない作品も継続して上演したい」とし、「今、ヨーロッパやロシアにはアイデアに富んだ振付家が誕生している」と、新作への意欲ものぞかせました。
 さらに、ダンサーとしての活動は? という質問には、「自身で踊ることもとても幸せですが、自分が求めているものを、人を通して、舞台で表現してもらえた時の喜びは格別。何年か先に、また踊りたいと思う時があるかもしれませんが、今はまったく考えていません」と迷いなく答えました。
15-02.20_01.jpg 加えて高橋事務局長からは、東京バレエ学校の海外研修制度や、8月に東京文化会館の舞台で東京バレエ団オーディションを開催、海外で活躍中のダンサーたちに機会を与えるといった新たな取り組みも発表されました。
 次の50年を見据えた東京バレエ団。その果敢なチャレンジから目が離せません!




取材/文:加藤智子(フリーライター)
撮影:引地信彦