What's NewNews List

2015/03/02 2015:03:02:16:24:53

【バーミンガム】吉田都さんが紹介する英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の魅力


アンバサダーロゴ.jpg 英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルとしてイギリス、そして世界の観客を魅了し、現在もフリーのバレリーナとして国際的な活躍を続ける吉田都さん。このたびその吉田さんに、〈英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)2015年日本公演アンバサダー〉としてBRB日本公演を応援していただくことになりました。
BRB──かつてのサドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団でキャリアをスタート、「ファミリーみたいに温かい、素晴らしいカンパニー」と話す吉田さんに、BRBの魅力をご紹介いただきます。



15-03.02吉田都 宣材3(C)S.Masakawa.jpg 今回日本公演で上演されるピーター・ライト版『白鳥の湖』は、吉田さんにとって特別な、思い出深い作品だそう。
 「実は、最初に主役をいただいた作品がこのライト版『白鳥の湖』なんです。当時の私はまだ20歳の若手、プリンシパルの代役として、2週間という短期間の稽古で舞台にのぞんだのです。ここから全てがスタートした、私の原点ともいえる作品です」
 その魅力を、「英国らしい、演劇的要素の強い作品」とたたえます。
 「冒頭からサー・ピーターの『白鳥の湖』の世界観に引き込まれます。その自然な展開に、私もオデット/オディールという役柄にすんなり入っていくことができました。サー・ピーターは、この『白鳥の湖』での私を見て、いろいろと主役を踊らせてくれるようになりました。サー・ピーターがいなかったら今の私はなかったでしょう」
 ダンサーをいつも温かな目で見守っていたというライト芸術監督のもと、1995年に英国ロイヤル・バレエ団に移籍するまで、プリンシパルとして数々の作品に主演されました。


 「カンパニーは1990年にバーミンガムに移るとともに少し規模が拡大され、その後芸術監督もサー・ピーターからデヴィッド(・ビントリー)さんに変わったので、あの独特の、温かな雰囲気は変わっていくんだろうなと思っていました。ところが、2008年の日本公演で久しぶりに客演したら、もう、全く変わっていない(笑)。在籍していた当時の、あのままの雰囲気!それがとても嬉しくて。BRBはツアー・カンパニーで、みんないつも行動をともにしているからでしょうね」
 英国ロイヤル・バレエ団とは、姉妹カンパニーともいわれています。
「と同時に、ライバルでもあります。同じレパートリーも持っているけれど、全く違うものもある。私が入団した当時のツアーでは、週の始めに全幕作品、週末は小品を上演、ということが多く、たとえば、ニネット・ド・ヴァロワ、レオニード・マシーンなどの、規模の大きなオペラハウスでは上演しにくい、小振りの劇場に合う小品が上演されているんです。そういえばド・ヴァロワの『チェックメイト』では、現芸術監督のデヴィッドさんがキング役を踊っていて、本当に素晴らしかったのを覚えています!舞台袖から彼を観るのをいつも楽しみにしていました。BRBには、そんなふうに演技に長けた人が多いかもしれません」
 ライト版『白鳥の湖』を久しぶりに観ることが出来る、と日本公演に期待を寄せる吉田さん。
 「英国ロイヤル・バレエ団と同じ国のカンパニーではあるけれど、ちょっと違ったカラーの、素晴らしいバレエ団。ぜひ皆さんに観ていただきたいですね!」



photo:S.Masakawa