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2015/11/13 2015:11:13:15:59:28

ジョン・ノイマイヤー「京都賞」授賞式のため来日
 科学や文明の発展、人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した人物の功績を讃えて贈られる国際賞、「京都賞」の第31回授賞式が11月10日に開催され、その思想・芸術部門に選ばれたハンブルク・バレエ団芸術監督/振付家のジョン・ノイマイヤーが来日、式典に出席しました。京都賞は、ダンス界では過去にモーリス・ベジャール、ピナ・バウシュも受賞しています。
 
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(左より)先端技術部門受賞の國武 豊喜 博士、基礎科学部門受賞のミシェル・マイヨール博士 
思想・芸術部門受賞のジョン・ノイマイヤー氏 (写真提供:稲盛財団)


 国立京都国際会館で行われた式典は、京都市交響楽団による演奏と奉祝能「小鍛冶」など雅やかな京都の文化につつまれながら始まり、高円宮妃殿下の祝辞につづいて本年度の受賞者がその功績とともに紹介されました。
 
「身体の持つ表現力を最大限に引き出し、 人間心理を巧みに表現した振付によって舞踊界をリードし続けている」など紹介されたノイマイヤーは、つぎのような挨拶の辞を述べました。

「その叙情性と気品あふれる文化で長年にわたって私を魅了している日本という国で、このような誉れ高い賞をいただくことは、私にとって特別なことです。日本に来るたびに、1986年にハンブルク・バレエ団と一緒に初めて来日した時のことを思い出します。ある時、公演後に私は観客に話しかける機会がありました。ドイツの文化的組織であるハンブルク・バレエ団を代表して舞台の上に立ちながら、ドイツ連邦と日本の国旗の間に立っていることに気づきました。アメリカ人である人間として私は、日本とドイツという、子ども時代の2つの敵国の旗の間に立ち、振付という仕事とアーティストたちを通じて、平和と和解への文化的な立場からのメッセージを発信しているのだということに、深く感動したのです。1986年2月に、J.S.バッハの『マタイ受難曲』を広島で公演中の出来事であり、アーティストであることに大きな誇りを感じるとともに、ある種の使命を感じました。この賞をいただくことは、私が率いるハンブルク・バレエ学校の生徒たちの励みにもなることです。私の生徒たちには、すべてを無条件に照らす光となって人々の心を感動させるアーティストになってほしいと願っています」

 なお授賞式と晩餐会には、折しも今週から日本公演を控えたシュツットガルト・バレエ団の芸術監督リード・アンダーソンとバレエ・マスターのタマシュ・デートリッヒらが招かれ、ノイマイヤーに祝いを述べました。


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「京都賞」晩餐会にて。(左から)元ハンブルク・バレエ団ソリストの大石裕香、
リード・アンダーソン、ジョン・ノイマイヤー、(右端)タマシュ・デートリッヒ 


 また翌日には記念講演会が開催され、ノイマイヤーも「ダンス─感情に生きたかたちを与える」と題して登壇。この講演はYOUTUBE京都賞公式チャンネルにて視聴することができます。

★ノイマイヤー「京都賞」記念講演会
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