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2016/02/26 2016:02:26:23:11:14

ハンブルク・バレエ団特集⑩ ガラ〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉の"語り"
 3月8日と9日に上演されるガラ〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉は、たんなる名作ハイライト上演ではありません。芸術監督/振付家のノイマイヤーがみずからの人生と芸術について"語り"を務めながら、それに沿って12作品の抜粋(一部、全曲)が踊られることで、ひとつの世界を生み出す趣向となっています。

 その"語り"の一部をご紹介しましょう。

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「アイ・ガット・リズム」より 


 冒頭の「キャンディード序曲」にのせて語られるのは、ノイマイヤーの子ども時代のダンスとの出合いです。

ダンスが何であるかを知る前から、私もいつも踊りたがる子供だった。レコードをかけるとリビング・ルームが広いステージになり、レナード・バーンスタインの「キャンディード序曲」を聴きながら、記憶の中の私は ― ひたすら踊った。

アメリカ中西部のウィスコンシン州ミルウォーキーで生まれた私が、初めてダンスに触れたのは、母が連れて行ってくれたテクニカラーのミュージカル映画だった。

この曲を聴いたときの新鮮な喜びや、ジーン・ケリーの爽快でエネルギッシュな踊りは、今も忘れられない。
 
 第1部では、「巴里のアメリカ人」のようなミュージカル映画全盛時代に生まれたノイマイヤーの、ダンスやバレエへの感情の源泉が語られていくのです。

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「ニジンスキー」より(アレクサンドル・リアブコ


 第2部で語られるのは、ノイマイヤーの心を動かした題材や人物について。たとえば彼の渾身のマスターピースの源泉となった、あの伝説のダンサー...。

魅力的で勇気があり、個性的な舞踊史上の人々。その中で私にとって誰より重要なのは、ヴァスラフ・ニジンスキーだ。ダンサーであり振付家であり画家であり人道主義者であったニジンスキーという人物には、子供の頃から想像力を掻き立てられ、感動させられ、またダンサーを動かす上でのインスピレーションを与えられてきた。

 それぞれの作品が生まれる傍らで、振付家自身がどのような思いを抱いていたのか。踊りと語りが一体となった舞台にどうぞご期待ください。

photos:Holger Badekow

 
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