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2016/08/15 2016:08:15:10:00:00

【ミラノ・スカラ座バレエ団日本公演】マリア・コチェトコワ インタビュー
【ミラノ・スカラ座バレエ団日本公演】
マリア・コチェトコワ インタビュー

 古典では正統派のテクニックで劇場を沸かせ、現代作品では捻りの効いた表現で観客を瞠目させる。ロシアに生まれ、米国を拠点に活躍するマリア・コチェトコワは、盤石の技術とモダンな表現を武器に、現代社会を颯爽と駆け抜けるバレリーナだ。その彼女が9月に東京で踊るのは、十八番とも言える『ドン・キホーテ』。来日公演について、またファッションや芸術等についてお話を伺った。

(インタビュー・文/尾崎瑠衣 バレエ・ジャーナリスト)


「アーティストとして成長できるチャンスはいつも東京が与えてくれるの」(コチェトコワ)

─ 2009年の世界バレエフェスティバルではキトリ役を踊り、センセーショナルな成功を収められました。『ドン・キホーテ』は得意な作品では?

キトリは大好きな役で、もう何年も踊っているの。今まで6つ異なる『ドン・キホーテ』を踊ったことがあるのよ。最初の頃に比べると、今はもっと舞台上でリラックスして、明確なイメージを持って踊ることができるわ。

─ 9月に東京で踊られるは華やかで見所満載のヌレエフ版です。

ヌレエフ版を踊るのは初めてなので本当に楽しみ。様式の点でも技術的な面でも私が踊ってきた版と違うから、そういった意味ではチャレンジね。スカラ座バレエ団との共演は今回が初めて。イワン(・ワシーリエフ)と踊るのも久しぶり。新しいことに挑戦できるからわくわくしているのよ。アーティストとして成長できるような新しいチャンスは、いつも東京が与えてくれるの!

─ バレエの外では、「ハーパーズ・バザー」や「ヴォーグ」等の有名ファッション誌にも登場するなど、コチェトコワさんはファッショニスタとしても世界的に有名です。

深く考えた結果ではなくて、自然な流れなの。バレエはとても厳格な世界だから、どこかで自由にしたいと思ったのかもしれないわ。洋服はそれを着ている人の人柄を語るから。私はまだ知名度のない才能ある若手デザイナーが好き。例えばメゾンキツネやジュリアンデイヴィッドは、関係者とも親しいの。

─ 同時に現代アートや映画、音楽など、幅広い芸術に関心をお持ちですね。

アーティストはみんな、芸術全般で何が起きているのか興味を持って当然よ。だって全てはつながっているのだから。舞台上では何も隠せないの。知性も、自分が誰であるかも。だから自分の内に表現すべきものを持っているのは重要。私はギャラリーへ行ったりすることでインスピレーションを得ているの。

─ 最先端のファッションやアートがお好きとのこと。ならば東京はコチェト
コワさんにとって刺激的な街なのでは?

そうなの!人も食べ物も文化も大好き。東京では次々と新しいことが生まれていて、限られた滞在時間ですべてを知るのは不可能ね。もしタイミングさえ合えば、実際に何年か住んでみたいと思うわ。公演で訪れる世界の他の場所に対しては、一度もこんなふうに感じたことはないの。東京だけなのよ。

 
 バレエだけでなく幅広い芸術に接して、表現者として日々進化を続けるコチェトコワ。9月の東京公演では彼女の新たなキトリ像が見られるに違いない。バレエファン必見の舞台になりそうだ。

photo: David Allen(portrait), Erik Tomasson(stage)

■ 米「ヴォーグ」誌に掲載されたコチェトコワの写真→ http://bit.ly/1WcmBbB

■ ミラノ・スカラ座バレエ団公演概要はこちらから。
 古典では正統派のテクニックで劇場を沸かせ、現代作品では捻りの効いた表現で観客を瞠目させる。ロシアに生まれ、米国を拠点に活躍するマリア・コチェトコワは、盤石の技術とモダンな表現を武器に、現代社会を颯爽と駆け抜けるバレリーナだ。その彼女が9月に東京で踊るのは、十八番とも言える『ドン・キホーテ』。来日公演について、またファッションや芸術等についてお話を伺った。

(インタビュー・文/尾崎瑠衣 バレエ・ジャーナリスト)

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「アーティストとして成長できるチャンスはいつも東京が与えてくれるの」(コチェトコワ)


─ 2009年の世界バレエフェスティバルではキトリ役を踊り、センセーショナルな成功を収められました。『ドン・キホーテ』は得意な作品では?

 キトリは大好きな役で、もう何年も踊っているの。今まで6つ異なる『ドン・キホーテ』を踊ったことがあるのよ。最初の頃に比べると、今はもっと舞台上でリラックスして、明確なイメージを持って踊ることができるわ。

─ 9月に東京で踊られるは華やかで見所満載のヌレエフ版です。

 ヌレエフ版を踊るのは初めてなので本当に楽しみ。様式の点でも技術的な面でも私が踊ってきた版と違うから、そういった意味ではチャレンジね。スカラ座バレエ団との共演は今回が初めて。イワン(・ワシーリエフ)と踊るのも久しぶり。新しいことに挑戦できるからわくわくしているのよ。アーティストとして成長できるような新しいチャンスは、いつも東京が与えてくれるの!

─ バレエの外では、「ハーパーズ・バザー」や「ヴォーグ」等の有名ファッション誌にも登場するなど、コチェトコワさんはファッショニスタとしても世界的に有名です。

 深く考えた結果ではなくて、自然な流れなの。バレエはとても厳格な世界だから、どこかで自由にしたいと思ったのかもしれないわ。洋服はそれを着ている人の人柄を語るから。私はまだ知名度のない才能ある若手デザイナーが好き。例えばメゾンキツネやジュリアンデイヴィッドは、関係者とも親しいの。

─ 同時に現代アートや映画、音楽など、幅広い芸術に関心をお持ちですね。

 アーティストはみんな、芸術全般で何が起きているのか興味を持って当然よ。だって全てはつながっているのだから。舞台上では何も隠せないの。知性も、自分が誰であるかも。だから自分の内に表現すべきものを持っているのは重要。私はギャラリーへ行ったりすることでインスピレーションを得ているの。

─ 最先端のファッションやアートがお好きとのこと。ならば東京はコチェトコワさんにとって刺激的な街なのでは?

 そうなの! 人も食べ物も文化も大好き。東京では次々と新しいことが生まれていて、限られた滞在時間ですべてを知るのは不可能ね。もしタイミングさえ合えば、実際に何年か住んでみたいと思うわ。公演で訪れる世界の他の場所に対しては、一度もこんなふうに感じたことはないの。東京だけなのよ。

 
 バレエだけでなく幅広い芸術に接して、表現者として日々進化を続けるコチェトコワ。9月の東京公演では彼女の新たなキトリ像が見られるに違いない。バレエファン必見の舞台になりそうだ。

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photo: David Allen(portrait), Erik Tomasson(stage)