What's NewNews List

2017/02/17 2017:02:17:20:17:11

【パリ・オペラ座バレエ団】マルク・モロー~ミルピエ作品に欠かせない豊かな音楽性をもつダンサー

 マルク・モローはオペラ座バレエ学校で5年学び、2004年にカンパニーに入団した。マニュエル・ルグリの目にとまった彼は、NHKで放映された番組「スーパーバレエレッスン」で生徒の一人を務めている。スジェにあがったのは2011年で、『ジゼル』の収穫のパ・ド・ドゥ、『ラ・シルフィード』のパ・ド・ドゥ、『白鳥の湖』のパ・ドゥ・トロワ、そして『リーズの結婚』のコーラス役などで、明るく鮮やかなステップを披露。その一方、前回2014年のオペラ座来日ツアーでは『ドン・キホーテ』でジプシーの頭を踊り、またオペラ座でも『パキータ』でイニゴ、『ダフニスとクロエ』のドルコンというように、少々ダークな匂いのするドゥミ・ソリストに配されることも少なくない。

small_Oneguine  Cranko  (c)Ann Ray OnP.jpg
(写真は「オネーギン」より photo:Ann Ray/OnP)

 振付家パンジャマン・ミルピエはオペラ座での創作『トリアード』で降板したジェレミー・ベランガールの代わりにマルクを起用。それがきっかけで、『アモヴェオ』の再創作をミルピエがアメリカで準備した時には、2名のオペラ座のダンサーとともに渡米している。『ダフニスとクロエ』では主役にも抜擢され、さらに『トゥギャザー・アローン』では、エトワールだったオレリー・デュポンと組ませるというチャンスも与えられ、というようにマルクはミルピエ作品には不可欠なダンサー。

small_In Creases Peck (c) Julien Benhamou.jpg
(写真は「イン・クリーシス」より photo:Julien Benhamou/OnP)

 もちろん、『クリア・ラウド・ブライト・フォーワード』『ラ・ニュイ・サシェーヴ(夜が果てる)』の創作にも参加。マルクの豊かな音楽性、シャープな動き、繊細さが魅了するのはミルピエだけに限らず、ウエイン・マクレガーの『アレア・サンズ』、ジャスティン・ペックの『イン・クリーシス』『黄昏時』の創作にも参加している。入団13年目を迎えた彼は、技術面も演技面もしっかりした中堅ダンサーという存在だ。

濱田琴子(ジャーナリスト、在パリ)


■マルク・モローは「ダフニスとクロエ」3/10(金)、3/12(日)に出演!
 詳しくはこちら>>