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2017/09/28 2017:09:28:10:54:38

【ハンブルク・バレエ団】ダンサー・ファイル④ アンナ・ラウデール

繊細にして深い叙情をたたえる雄弁な踊り


 今年7月に初演されたノイマイヤーの新作『アンナ・カレーニナ』でタイトル・ロールを踊り、そのドラマティックで雄弁な踊りと、どこまでも繊細でありながら深い叙情性をたたえる表現力が絶賛されたアンナ・ラウデール。恋人のヴロンスキー役で共演したエドウィン・レヴァツォフとは公私ともにパートナーであり、その磐石なパートナーシップによって、今や二人はハンブルク・バレエになくてはならない看板ペアになったと言ってもいいだろう。今回の日本公演で踊るノイマイヤーの代表作『椿姫』も、以前からレヴァツォフと組んで踊っており、儚げな佇まいの中にも女性としての強さを感じさせる現代的なマルグリット像が深い感動を呼びおこしてきた。


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「椿姫」より、エドウィン・レヴァツォフと photo: Holger Badekow

 入団して16年、2011年からプリンシパルを務めるラウデールの出身はラトビア。ジュエリーデザイナーの父親と画家の母親というクリエイティブな家庭に生まれ、子供の頃から絵を描いたり文章を描いたりといった自己表現が好きだったという感性豊かなラウデールにとって、16歳でハンブルク・バレエ学校にやってきて初めて出会ったノイマイヤー作品は、衝撃的かつインスピレーションに満ち満ちたものだったという。以前のインタビューで、「ジョンのバレエ作品、そして彼が求めるものや彼の目を通して見えるものを通して、ダンサーは自分自身を発見し、人生における真実を見出すのです」と語ってくれたラウデール。ノイマイヤー作品を深く理解する彼女だからこそ踊れる等身大の椿姫と、レヴァツォフとの魂が呼応し合うようなパートナーシップは必見の舞台となることだろう。

實川絢子(ライター)


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