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2017/11/15 2017:11:15:21:59:49

〈ベジャール・セレブレーション〉公開リハーサル&ジル・ロマン囲み取材レポート


 モーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)と東京バレエ団の特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉のリハーサルが、いよいよ最終段階に突入。11月14日、BBLのダンサーたちを迎えた熱気溢れるスタジオにて、マスコミ記者への公開リハーサル、およびジル・ロマン芸術監督の囲み取材が行われました。その様子をご紹介します。

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 今回、東京バレエ団がBBLとの合同で上演する『ベジャール・セレブレーション』は、ベジャール没後10年を前に、昨年末ローザンヌで初演されたベジャール作品の傑作集。当初はベジャールの10作品の抜粋から構成されていましたが、今回はこれに、東京バレエ団のダンサーたちによる新たな場面が加わります。今年7月、BBLのジル・ロマン芸術監督と那須野圭右さんによるリハーサルが行われましたが、本番直前のいま、ついにBBLとの合同リハーサルが実現したというわけです。


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 スタジオでは、BBLのダンサー、東京バレエ団のダンサーたちが、次々とベジャールの名場面を踊りつぎ、アンソロジーを紡いでいきます。『アレポ』のしなやかなパ・ド・ドゥや、溌剌とした『バロッコ・ベルカント』のパ・ド・シス、そして、作品の後半、上野水香と柄本弾のカップルが踊るのは、『我々のファウスト』のパ・ド・ド・ゥ──。次々と展開する独創的で多彩な踊りに目を奪われていると、時間はあっという間に過ぎていきます。


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 プログラムを構成する際の基準について、ジル・ロマンはこう話します。
「どんなダンサーがいるかということ、ですね。さらに、リズムや全体の多様性を考えて選ぶのです。『我々のファウスト』、『アレポ』、『バロッコ・ベルカント』──、これらは東京バレエ団ダンサーのことを考えて、今回新たに加えました。当初からプログラムに入っていた『ライト』からの抜粋、"レジデンツ"については、今回、日本のダンサーたちに踊ってもらうことにしました」


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 さらにプログラムを見ると、冒頭にベートーヴェンの第一交響曲、最後に第九交響曲(第三楽章)と、ともにベートーヴェンの音楽に振付けた作品が配されていることに気づきます。
「プログラムの全体を大きなアンサンブルとするものを作りたかったのです。いずれも、『1789...そして私たち』からの抜粋で、これはベジャールが、1989年のフランス革命の記念の年に創った作品ですが、第九の第三楽章はとくに、二つのカンパニーのたくさんの個性が一緒になって、お客さんと愛の交換をするための作品といえるでしょう」
 若いダンサーたちにベジャールのスタイルを伝えていくことは、「難しさを感じることはないけれど、教える以上に、あるいは同じくらい、自分が学んでいるのだと感じています。ベジャールは、振付家という枠組みを大きく超えた人物。深い教養があり、日本が大好きで、オペラや演劇、映画なども手がけた。観ていただければ、きっと何かを受け取っていただくことができるでしょう」
 〈ベジャール・セレブレーション〉は、ベジャールの命日である11月22日(水)と、翌23日(木・祝)、東京文化会館で上演されます。

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