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2017/09/20 2017:09:20:07:00:00

ハンブルク・バレエ団ダンサーインタビューvol.2 ~ 有井舞耀(『椿姫』マノン役)


 ハンブルク・バレエ団のダンサー・インタビュー第2弾は有井舞耀さんが登場。有井さんは在籍11年目のソリスト。昨シーズンでは『アンナ・カレーニナ』の初演で重要な役を踊って成功をおさめ、日本公演では『椿姫』マノン役という大役を任される注目のダンサーです。
 ちょうど夏休みを利用して日本に一時帰国されていた有井さんに、ノイマイヤー作品の魅力、日本公演への思いを聞きました。

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──今回の日本公演で上演される『椿姫』は、ジョン・ノイマイヤー芸術監督の代表作の一つであり、世界各国で絶大な人気を誇る傑作ですね。

 私もスクール(ハンブルク・バレエ学校)時代から大好きでした。これまでもグループの場面を踊っていましたが、今回の日本公演で初めてマノンを踊ります。『椿姫』で踊るならマノンを! とずっと思っていました。
 ジョンの作品は心理描写が素晴らしいんです。テクニックも大切ですが、それ以上に、人間味があり、ダンサーの年齢、経験してきたことによって表現が変わってくる──、そこがとても好きです。しかも音楽はショパン。とても繊細で、魅力的です。

──リハーサルはこれからですか?

 そうですね。ジョン本人からアドバイスをもらえることを、今からとても楽しみにしています。
 マノンはヒロインのマルグリットの内面を映し出す役。最初は、マルグリットとアルマンが出会う劇場のダンサーとして登場します。そこでは、社交界慣れして、皆にもてはやされる女性ですが、やがて病による死の予感、後悔や現実の冷酷さなどを表現していきます。いろいろと変化していく、とても難しい役柄だけに、やりがいがあります。

──もう一つの作品、『ニジンスキー』ではどんな役柄を踊られているのですか。

 私はプロローグに続くシーン、ニジンスキーがマリインスキー劇場で踊る場面で登場するバレリーナを演じています。
 この作品はヴァスラフ・ニジンスキーの生涯を描いたものですが、彼はマリインスキーで主役を踊った時代もあれば、その後『薔薇の精』『ペトルーシュカ』などを踊り、また振付家として『牧神の午後』を発表します。舞台では、各作品のキャラクターが次々と登場します。ニジンスキーのことを少しでも知っておくと、より楽しむことができると思います。 
 私が特に好きなのは、"ソルジャー・ダンス"(兵士たちの踊りの場面)。すでに精神を病んでいるニジンスキーには、ないはずのものまで見えてしまう──というシーンですが、カンパニーの男性たちが全員で踊る、迫力の場面です。

──ハンブルク・バレエ団の魅力を教えてください。

 ジョンのもとで仕事ができること、ですね。年に一度は新作を創りますが、そこに携わることができるのはとても貴重な体験です。最近初演した『アンナ・カレーニナ』では、ソリスト役を踊りました。主役とのパ・ド・ドゥもあり、創作時には私もアイデアを出していかなければいけないのですが、ダンサーとして、アーティストとして、とても勉強になりました。

──2016年の日本公演では『リリオム』『真夏の夜の夢』などが上演されましたが、その素晴らしさに感動し、涙するお客さんも多かったようです。

 ジョンの作品は、そうだと思います。人間味があるから誰もが共感できるところがあり、感動するのでしょう。

──最後に、日本のお客様へのメッセージをお願いします。

 前回の日本公演では母国ということもあり、とてもあたたかい雰囲気の中で踊ることができました。スタッフのみなさんも本番ギリギリまで、私たちダンサーがより舞台に集中できるよう、様々な面でサポートしてくれました。これは他の国では考えられないことです。今回も1人でも多くの方に感動していただきたいです。『椿姫』、『ニジンスキー』両作品ともぜひ観ていただけたらと思っています。



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