NBS News Web Magazine
毎月第1水曜日と第3水曜日更新
NBS日本舞台芸術振興会
毎月第1水曜日と第3水曜日更新

2021年10月

転々点々

2021/10/20(水)

エディタ・グルベローヴァの突然の訃報に心を搔き乱されている。彼女はNBSがもっとも数多く招聘した歌手だけにさまざまな思い出が去来している。素朴でチャーミングな面と、強烈なプリマドンナの矜持をあわせもっていて、戸惑うこともたびたびだった。彼女はコロラトゥーラの超絶的なテクニックを楽々と操り、周囲を明るく照らし、聴く者を天国に連れて行ってくれた。神から使わされたグルベローヴァは大きな仕事を終え、天に帰って行った。(T)

転々点々

2021/10/13(水)

いまベジャール・バレエ団が公演中だが、「バレエ・フォー・ライフ」の後半スクリーンに大写しにされるドンの映像を見るたびに、晩年、彼が苦悩していた姿が蘇ってくる。ドンから「この映像をつくったので見てくれ」といわれて、二人でテレビのモニターで見たのだが、その異様な映像に絶句してしまい、彼に何も声をかけられなかった。そのとき見た映像なのだ。あれから30年、ドンは「ブレーク・フリー」の曲にのって、自由へと旅立っている。(T)

転々点々

2021/10/06(水)

10月6日付朝日新聞朝刊で「ライブ業界 視界不良」という見出しの記事を見つけた。ぴあ総研によると、チケット販売額はコロナ禍前に比べて依然半分以下だという。10月1日に緊急事態宣言が解除されたが、感染者が激減した理由はワクチン接種が進んだだけでなく、夏に猛威をふるった後、ウィルス側の事情で一休みしているだけなのかもしれない。第6波の襲来も囁かれている。心の健康のために、鬼の居ぬ間にどうぞ劇場にお越しください。(T)