2021/11/22(月)
今日はモーリス・ベジャールの14回目の命日。今年は例年にも増してベジャール作品の上演が相次いだ。東京バレエ団は「ボレロ」と「ギリシャの踊り」をもって全国を巡演し、ベジャールバレエ団は「バレエ・フォー・ライフ」などを上演した。それらの作品はコロナ禍による閉塞感を打ち破り勇気と希望をくれた。ベジャールは「私が死ぬと土になり、土は花となり、花は香り、香りは人の思想になる」と言ったが、彼は思想となって生き続けている。(T)
2021/11/17(水)
知人の訃報が相次いでいて気分が滅入っている。東京バレエ団はいま横浜の関内ホールで小学校4年生を対象にした「ドン・キホーテの夢」の公演を行っているが、コロナ禍で抑圧されている子どもたちが無邪気に喜んでいる姿を見て、少し前向きになれた。これからの時代を生き抜くには想像力と創造力が重要になるといわれるが、こうした「心の教育」は有効ではないか。日本の将来を担う人材を育てるために、我々の仕事が役立つなら冥利に尽きる。(T)
2021/11/03(水)
金森穣振付の「かぐや姫」第1幕の初演が迫ってきた。日本発の全世界を魅了するバレエの創作を金森に託したが、彼が選んだ題材が「かぐや姫」だった。音楽は意想外のドビュッシー。これが形影相伴うように見事に動きに同調している。通し稽古を見て、身贔屓かもしれないが大成功の予感を覚えた。コロナ禍のきびしい制限を乗り越えて、この時期に新作を世に問えるのも僥倖に恵まれたから。まだ見ぬ傑作誕生の瞬間にぜひとも立ち会ってほしい。(T)