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2017/06/27 2017:06:27:09:00:24

【ENB】金原里奈インタビュー~"イマージング・ダンサー2017"に輝いた19歳の新鋭

タマラ・ロホとアリーナ・コジョカルが昔から大好きだった

 今年のイマージング・ダンサー・アワードで優勝し注目を集めている金原里奈は、まだ19歳の新進気鋭のダンサー。今回の日本公演が、故郷日本におけるプロとしての初舞台となる。
 バレエは5歳の時に始め、小学校5年生の時からコンクールに出場するようになり、将来は海外で踊りたいという夢を膨らませていった金原。2012年のYAGPの日本予選で一位を獲得し、第一志望のモナコの名門バレエ学校、プリンセス・グレース・アカデミーへの奨学金を得た。2015年、最終学年の時にはローザンヌ国際バレエコンクールに出場。プレッシャーの中見事入賞し、ENBに入団を果たした。「入賞も嬉しかったですが、第一志望のENBからコントラクトをいただけたことが何より嬉しかったです。タマラ・ロホさんとアリーナ・コジョカルさんが昔から大好きで、ずっと彼女たちを小さい頃からYouTubeで見て追いかけてきましたし、特にタマラさんは、プリンシパルを務めながら芸術監督をしているという、そんな素晴らしい女性の元で踊りたいという気持ちがあったからです。それからENBは公演数が多いことで有名で、ツアーカンパニーでたくさんチャンスが回ってくるというのも魅力でした」

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イマージング・ダンサー2017より


入団2年目で「くるみ割り人形」全幕主演に大抜擢

 入団1年目から、数々の大きな役に抜擢された金原。それは運だけではなく、毎日の努力の賜物といえるだろう。「公演数が多いだけに怪我人も出ますから、1年目は、自分以外のパートも全部予習したり、習わなくてもいいパートも習っておいたり、いつでも使ってもらえるように努力しましたね」。そんな努力が実って、昨夏のパリ・オペラ座ガルニエ宮での『海賊』では、怪我したダンサーに代わって急遽オダリスクの第二バリエーションを踊る機会を得、公演初日にロホと同じ舞台に立った金原。そして昨年末にはついに、入団2年目のアーティストでありながら『くるみ割り人形』全幕主演に大抜擢された。「日本でもモナコでも、全幕主演というのはしたことがなかったので、そんな初めての主役が、タマラさんやアリーナさん、絵里奈さん、栞さんといった私にとってのスターが踊っている役、というだけで感無量でした。ENBの『くるみ割り人形』はクララが最初から最後まで出ずっぱりで体力的にも大変ですが、そういう舞台を何回も経験することによって、カンパニーの中で成長していくのかなと思っています」

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イマージング・ダンサー2017より


日本公演では大役、『海賊』のギュルナーラを

 もちろん将来はリード・プリンシパルを目標にしているが、それよりも大事なのは、毎日自分のベストを尽くせているかということだという。「これは賛成しない人もいると思うのですが、自分としては疲れてる時が一番追い込む時かな、と思っています。疲れている時に追い込むと強くなるし、常に疲れている状態でどれくらいできるかを考えています。でもそれは怪我につながりやすいし、タマラさんにも"里奈には長いキャリアがあると思うから、ちゃんと身体をケアして、休むことも覚えなさい"とアドバイスいただき、今は追い込みすぎないように、バランスを考えるようになりました。まだまだ難しいですけれど」
 日本で踊る『海賊』のギュルナーラ役は、今年5月のポーランド公演でデビューしたばかり。「回転ばかりで技術が本当に難しいので、前回はそのことで一杯一杯でしたが、日本公演までには演技面も頭の中で整理して、お客様に伝わるようにしたいです。日本公演でこんな大きな役を踊らせてもらえるなんて思っていなかったので、本当に楽しみにしています」
 ENBは、金原がそれまで描いていたバレエ団のイメージを、いい意味で覆すものだったという。「"バレエ団では、年功序列でチャンスが来るし、初めは役がもらえなくても地道に頑張らなきゃいけないともの"と学校時代に聞いていたので、そう覚悟していたのですが、こうして入団してすぐにチャンスをもらえて、クラスでも学校時代のようにみっちりみていただけて・・・。タマラさんにもクラス中にアドバイスをいただいたり、彼女の踊りを見ているだけでもとても勉強になります。彼女の元で踊れているのが本当に幸せです」

(取材、文/實川絢子 ライター)



photos:Laurent Liotardo


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