2016/08/10 2016:08:10:10:00:00[NBS最新情報]
【ミラノ・スカラ座バレエ団】ニコレッタ・マンニ インタビュー
2013年にミラノ・スカラ座バレエに入団し、翌年にはプリンシパルに昇進。ニコレッタ・マンニは、すでに現在の同団の顔といってもよい存在だ。最近はロベルト・ボッレやレオニード・サラファーノフら有名ゲストとの共演も多く、今年6月には、ローラン・プティ振付『ノートルダム・ド・パリ』の主役として東京に招かれたばかりだ。
「ヒロインのキトリは自分に近い性格で好きな役です」(マンニ)
─ バレエを始めたきっかけは?
母がバレエ教室を開いていたので、2歳のときに自然に始めました。母に付いて行って、初めは遊んでいるような感覚でしたが、次第にバレエに恋してしまったんです。母は私を無理やりダンサーにしようとはしませんでしたが、私自身がスカラ座バレエ学校に入りたいというと、応援してくれました。
─ スカラ座バレエ学校を卒業後は、まずベルリン国立バレエ団に入団されました。
卒業の時私は17歳でしたが、イタリアでは18歳にならないとバレエ団に入れないのです。それで国外のオーディションに目を向け、最初に受けたベルリンに合格。当時芸術監督だったウラジーミル・マラーホフから契約をもらい、3年半在籍しました。2011年の来日公演にも、マラーホフ版『シンデレラ』とエイフマン振付『チャイコフスキー』のコール・ド・バレエとして参加したんですよ。
─ 今回は、『ドン・キホーテ』で同い年のクラウディオ・コヴィエッロと共演します。
若手にどんどんチャンスを与えてくれるのがスカラ座のいいところですが、クラウディオとはこの作品を習いだした時期も一緒、他にもヌレエフ版『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』で組んでいるし、共に成長してきたという気持ちがあります。
ヒロインのキトリは自分に近い性格で、好きな役です。第1幕はパワーに溢れ、第2幕はロマンティックに、そして第3幕は幸せな結婚式でしかもテクニックを全開にしてと、様々な面を出せるのも楽しいですね。お父さんやガマーシュ、キホーテなどバジル以外にも周囲の役との演技のやりとりが多いのも気に入っています。色彩豊かでお客様にとっても楽しいバレエだと思うので、日本のみなさんの前で初めてこれを踊れるのを幸せに思っています。
キトリの他にも強いキャラクターの役、特に『白鳥の湖』のオディールが好きだったが、7月にラトマンスキー版を主演して「オデットのことも大好きになった」というマンニ。言葉の端々に充実ぶりを感じさせる新進のスターの、輝くような舞台を期待したい。
インタビュー・文/長野由紀(舞踊評論家)
photos:Marco Brescia e Rudy Amisano/Teatro alla Scala