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DANZA18号(東京MDE/11月29日発行) 
芸術監督リード・アンダーソン、プリンシパルのジェイソン・レイリーのインタビューが掲載されました。
また、"よくばりバレエ・ガイド"で「オネーギン」の見どころが紹介されています。

キャスト変更のお知らせ

『眠れる森の美女』11月23日(日)6:00p.m.のカラボス役が、シュツットガルト・バレエ団側の都合により、ダグラス・リー からニコライ・ゴドノフに変更になりました。何卒ご了承ください。


■『眠れる森の美女』予定される主な配役

2008年11月23日(日) 1:00p.m. 
オーロラ姫:マリア・アイシュヴァルト
王子:フリーデマン・フォーゲル
カラボス:ジェイソン・レイリー


2008年11月23日(日) 6:00p.m. 
オーロラ姫:アリシア・アマトリアン
王子:フィリップ・バランキエヴィッチ
カラボス:ニコライ・ゴドノフ


2008年11月24日(月・祝) 3:00p.m.
オーロラ姫:アンナ・オサチェンコ
王子:マリイン・ラドメイカー
カラボス:フィリップ・バランキエヴィッチ


※上記の配役は2008年9月19日現在の予定です。出演者の病気や怪我、シュツットガルト・バレエ団の都合により変更になることがあります。変更の場合、入場料の払い戻しや他公演への振り替えはいたしませんのであらかじめご了承ください。

アリシア・アマトリアン インタビュー

アリシア・アマトリアン(プリンシパル) インタビュー




太陽光を吸収して青空に咲くひまわりのように陽気に笑うアリシア・アマトリアン。そんな彼女が舞台上では、ときに純真無垢そのもののようなオーロラ姫となり、ときに自制心で心の傷を覆う成熟した女性タチヤーナに変貌する。若干21歳でシュツットガルト・バレエ団の最年少プリンシパルになってはや7年。目の前にいる朗らかな女性の心の内には、実は計り知れぬ埋蔵量の「人生経験」が潜むことがうかがえる。

―――今回の日本公演ではオーロラ姫とタチヤーナという正反対の2役を踊りますね。

ええ、ふたつともとても好きな役柄です。オーロラ姫は純粋な古典バレエの美しさを堪能することができるし、タチヤーナは彼女の女性としての成熟度に惹かれる。確かに私の年齢ではタチヤーナを十分に理解するのが難しい、と思われる人もいるかもしれないけれど。私は今までに、かなり深い恋愛経験に衝突してきたから(笑)。3幕でのタチヤーナの女性としての強さに心から理解することができる。同じ女性として大事なときに「ノーと言える」凛々しさに共鳴できるんです。どれほど目の前で愛する人が懇願していても、彼のことをいまだ狂おしいほど愛していたとしても、そこで「イエス」と言ってしまったら自分の人生がどう崩れるかを...、明晰な頭脳をもつタチヤーナは見通せる。だから彼女は3幕で決然と「ノー」と言う。そして、その強い意志を私は愛するのです。


―――あなたの踊りにはいつでも流れる小川のようなフローがあって美しい。感情もステップもいっさい止まることなく舞台上で自然に流れ続けている。

それは私が舞台上で絶対に心を停止状態にしないから。要は、舞台は人生と同じ。今日は最悪な一日かもしれないけど、明日はもう少しましな一日になるはず。そうやって私はつねに心や体が受け取る情報に身を任せるようにして舞台で生きるんです。だから「いつでもこう踊らなきゃ!」と変な型に固執することはない。私にとってダンスは、つねに流体であって固体ではないの。


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「眠れる森の美女」オーロラ姫:アリシア・アマトリアン、デジレ王子:フリーデマン・フォーゲル


―――今のあなたにとってシュツットガルト・バレエ団の舞台に立てることには、どんな喜びがあるのでしょう?

舞台にあがるまえは今でも「どうしよう、どうしよう、どうしよう」って舞台袖で震えあがってる(笑)。けれど、ひとたび舞台に立つと「はぁ〜、ふるさとに帰ってこられた」って心から安心できるんです。私にとってこのカンパニーのステージに立つというのはそういうこと。安堵と幸せと喜びに満ちていて、だからこそ私はこれを一度も「仕事だ」と思ったことがない。私は舞台上でつねにハッピーでいて、そのハッピーを人にも分け与えたいから踊りつづけているんです。だから日本のお客さんにもできるかぎり、私の舞台を観てハッピーな気持ちになって帰ってもらいたいですね。

ジェイソン・レイリー インタビュー

ジェイソン・レイリー(プリンシパル) インタビュー




08-09.03Blog2.jpg漆黒のマントをひるがえし、所狭しと舞台を駆けるカラボス。美しき猛虎のような怒声を宙に猛らせ、蒼白い炎のような嫉妬を静かに沸きたて、妖艶な魔女のような気位の高さを見せつける。そしてそんな5分ほどに及ぶ爆風を巻き起こす独壇場のあと、ぴたりと、舞台中央で台風の目が静止するーー、と、一瞬の静寂ののち、観客から津波のような大喝采が沸き起こる。その喝采の中央に立つのは、カラボス役のジェイソン・レイリー。彼の演技はいわゆる典型的な「バレエダンサー」から想像するものとはあまりにもかけ離れている。いったいその型破りな思考回路は、どんな人物から生まれてくるのか? 直接取材をして思ったのは、彼自身がとてつもなく自由でやんちゃで繊細な精神の持ち主だということだ。


―――7月にシュッツットガルトであなたの素晴らしいカラボスを観て背筋が震えました。

ありがとう、照れるね。あの役は......、観てて分かるだろうけど、あまりにも演じていて楽しい役柄だから、下手をすると舞台上で自分自身を見失ってしまう。そうならないように、何よりうまく自分をコントロールすることが大切。そもそも振付家のマリシア(ハイデ)は過剰演技することを嫌う。とてもナチュラルな演技を求める。だから僕は自分のパーソナルな感情の中から、カラボスとコネクトすることのできる何かを探し出して、それを演技に注入するようにしてる。とはいえ、僕は女じゃないし女装趣味もないからカラボスの感情を理解するのは大変なんだけどね。しかもあの衣装がすっごく重い。1時間半かけて化粧をして、つけ爪をつけて、長い髪がターンするたびに顔にべたーって張り付いて。楽しいことは楽しいんだけど、何もかもが大変な役でもある(笑)。


―――あなたは王子も青い鳥もレパートリーとして踊られるんですよね。意外です。

うん、自分でもつい最近まで王子になれるなんて思ってもいなかった(笑)。だって、ほら、こんなピアスをしてバギーパンツを履いてる王子なんてどこの国にいる? だけど02/03シーズンに代役ではじめて『白鳥の湖』の王子を演じてみたら、これが本当にクールで面白かった。ワオ、僕も白いタイツを履いてノーブルになれるんだって驚いた。それからは、ほとんどの王子役を演じている。芸術監督のリードはそうして、僕自身でさえ考えつかないような挑戦を与えてくれるから。シュツットガルトにはもう12年いるけど、絶対に飽きることがない。


―――東京で演じられるもう一方の役=オネーギンも、また全く異なる役柄ですね。演じようによっては、とても自己中心的な男性にも見えてしまいます。

そうなんだよ。とても傲慢で、とても...ろくでなしな野郎(笑)。だけど人間誰しも人に対してそういう態度をとってしまうことはある。だから僕は、繰り返しになるけど、この役に関しても自分のパーソナルな感情とつなげて演じるようにしてる。たとえば3幕では、僕が一時期狂ったようにある女性に恋をして、だけど上手くいかなかったときの経験、その心が粉々に破壊されたときの経験を思い出して、オネーギンに入れ込むようにしてる。でも本当にこれは数あるクランコ・バレエのなかでも最も難しい役柄のひとつ。あまりにも多層的で、ひとつ演技を間違えると観客にオネーギンの心の繊細な機微が届かなくなる。だからこの役にはいつも100%の集中を持って臨むようにしてる。だからオネーギンを演じたあとは、彼の魂が自分のなかから抜けきるのに丸一日かかることもあるぐらいだよ。

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「オネーギン」 オネーギン:ジェイソン・レイリー

ジェイソン・レイリーの出演予定日
11月23日(日) 1:00p.m. 「眠れる森の美女」(カラボス)
11月29日(土) 3:00p.m. 「オネーギン」(オネーギン)

「眠れる森の美女」ハイライト映像 part1

岩城京子さんのレビューやリード・アンダーソンのインタビューでも触れられているとおり、ハイデ版「眠れる森の美女」の特徴は、美しい舞台美術、そしてカラボスの描かれ方。
限られた舞台写真ではお伝えしきれない、シュツットガルト・バレエ団の「眠れる森の美女」の魅力をハイライト映像でお届けします。
まずは、「プロローグ」と第1幕のハイライトをご覧ください。