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2009/11/20 2009:11:20:10:00:50

東京バレエ団 2010年4月ベジャール振付「ザ・カブキ」上演決定!

2010年4月、モーリス・ベジャールが東京バレエ団のために創作した「ザ・カブキ」の上演が決定いたしました。


東京バレエ団「ザ・カブキ」


■公演日
2010年4月24日(土)3:00p.m./4月25日(日)3:00p.m.

■会場:Bunkamura オーチャードホール

■主な出演
由良之助:柄本 弾(4/24)、後藤晴雄(4/25)
顔世御前:二階堂由依(4/24)上野水香(4/25)ほか

■入場料(税込)
S=¥9,000 A=¥7,000 B=¥5,000 C=¥4,000 D=¥3,000
エコノミー券=¥2,000
(イープラスのみで2010年3/26(金)より受付。お一人様2枚まで)
学生券=¥1,500
(NBS電話予約、電子チケットぴあのみで2010年3/26(金)より受付。25歳までの学生が対象。公演当日学生券必携)

■ペア割引券
S席ペア割=¥17,000 A席ペア割=¥13,000

*配役は2010年11月20日現在の予定です。出演者の怪我等の理由により変更になる場合がありますので、ご了承ください。正式な配役は公演当日に発表いたします。



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 今回の公演では、由良之助、顔世御前に新キャストが登場します。

 初日に由良之助を演じるのは、20歳になったばかりの柄本弾(つかもとだん)。
 柄本は2008年に東京バレエ団に入団。今年3月の「白鳥の湖」<Stars of tomorrow>でロットバルト役に抜擢され、来年1月の「ラ・シルフィード」(マイ・キャスト公演)では、ジェイムズ役で初主演が決まっています。
 その舞台度胸と184センチの長身、大らかで柔らかい踊りが認められ、由良之助に大抜擢された柄本。爽やかな風貌と青年らしい真っ直ぐな視線は、何も知らない若者が現代から過去へとタイムトリップし、さまざまな体験を経て、「義」のために生き、死んでいく「ザ・カブキ」の由良之助にピッタリ重なります。
 入団直後の海外公演で四十七士に加わったのが「ザ・カブキ」との最初の"遭遇"だったという柄本は「リハーサルの初日、ほかの作品とはちがう気迫を感じました。実際にはじめて四十七士として舞台に立ったときには鳥肌がたった・・・」と言います。その後の昨年末の東京公演では、アンダースタディとしてリハーサルに臨んでおり、先輩たちの演技を間近に見ながら、由良之助という役についての理解を深めてきました。「由良之助はリーダーとして四十七士を力強く引っ張っていく表現が必要だと思っています。これまで自分の踊りにはなかった強さを出していくのかが課題です」と語る柄本。18年ぶりに誕生する新・由良之助に期待が高まります。

 そして、柄本とともに、初日の顔世御前に抜擢されたのは、入団1年目、弱冠17歳の二階堂由依(にかいどうゆい)です。
 二階堂は名古屋市出身。3歳でバレエをはじめ、中学卒業後は全寮制のバレエ学校に入学。ワガノワ・バレエ学校出身の先生に認められ、通常の授業以外に特別に夜間個人レッスンを受けるなど、バレエ漬けの2年間を送りました。「今の自分の実力を知りたい」と今年2月の東京バレエ団のオーディションを受験し、見事合格。4月から晴れて東京バレエ団の一員となりました。
 二階堂にはじめて会った人は、誰もが彼女のスタイルに釘付けになるはずです。スレンダーな172センチの長身、拳(こぶし)大の小さな顔、そして身体の半分以上あるのではないかというほど長く、まっすぐな足・・・日本人離れ、というより外国人ダンサーでも滅多にいないほどのスタイルの持ち主なのです。
 9月の「ラ・バヤデール」でニキヤの影で初舞台を踏み、本日初日を迎える「くるみ割り人形」での"雪の精"が本格的な東京バレエ団のデビューとなる二階堂。この大抜擢に「今はまだリハーサルも始まっていませんし、不安でいっぱいの状態です。いろんな方からのアドバイスをしっかり聞いて研究しながら、練習を重ねて顔世御前になりきれるよう、がんばります」と今の素直な気持ちを語っています。

09-11.20KABUKI01.jpg
 そして、昨年の第23次海外公演で顔世御前を演じ絶賛された上野水香も、19歳で由良之助に抜擢されて以来、世界各地で喝采を浴びてきた後藤晴雄の磐石のサポートで、日本デビューを果たします。
 上野はフィレンツェ、スペイン、ローザンヌなどで顔世御前を5回演じていますが、そのときの印象を含めて、日本でこの役に挑む抱負を次のように語っています。
「ザ・カブキ」は見ていた時も素敵な作品だと思っていましたが、演じてみてその素晴らしさに改めて気づかされました。とくに印象深いのは判官の切腹の場面です。顔世は切腹する塩冶判官の後ろを、桜の枝を持って通り過ぎるのですが、照明で引かれた道筋を歩くうちに気持ちが自然と高まり、夫への思いや悲しみが強く込み上げてくる。その瞬間、自分の身体が宙に浮かんで実態が失われてしまい、顔世の感情や情熱そのものと一体化してしまうような、今思い出しても鳥肌がたつ感覚を毎回体験していました。この物語の中に居られることに幸福を感じますし、この素晴らしさをぜひ多くの方に伝えたいと思います。」

09-11.20KABUKI02.jpg新たな息吹を感じさせる、2010年の「ザ・カブキ」にご期待ください!


photo:Kiyonori Hasegawa