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2017/10/17 2017:10:17:14:02:30

【ハンブルク・バレエ団】ダンサー・ファイル⑥ エドウィン・レヴァツォフ

ザハロワとも踊った十八番のアルマンを、ベスト・パートナーと披露

 今回の日本公演『椿姫』で主演予定のエドウィン・レヴァツォフは、金髪長身という華やかな容姿と長い四肢を活かした伸びやかな踊りが舞台上でひときわ目を引く、地元ハンブルクでも大人気のプリンシパル。モスクワ・バレエ学校時代、たまたま覗いたスタジオで踊られていた『椿姫』をノイマイヤー作品と知らずに観て、それまで感じたことのない強い衝撃を受けたというレヴァツォフは、その数年後、ローザンヌ国際バレエコンクールでノイマイヤー本人に見出され、運命の糸に導かれるようにしてハンブルクにやって来た。

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「椿姫」より、アンナ・ラウデールと photo: Holger Badekow


 ノイマイヤーのもとで学んだことの中でもっとも大切にしていることは、"演技をするのではなく、そのキャラクターを生きること"だと語ってくれたレヴァツォフ。単なるパントマイムに終わらない、役柄の"魂"を感じさせる力強くも繊細な踊りは、その圧倒的な存在感とともにノイマイヤー自身のインスピレーションとなり、『ヴェニスに死す』の美少年タッジオ役、『タチヤーナ』でのオネーギン役、『リリオム』の天国の判事役、新作『アンナ・カレーニナ』のヴロンスキー役など、毛色のまったく異なる幅広い役がレヴァツォフのために振付られてきた。

 『椿姫』のアルマン役に関しては、若さゆえの情熱と残酷さで高級娼婦を翻弄する青年という役どころが端正な容貌にこの上なく似合い、2015年にはボリショイ劇場に招かれスヴェトラーナ・ザハーロワの相手役も務めたほどで、今やレヴァツォフの十八番ともいってもいい役。日本公演では、妻アンナ・ラウデールとの間の至高のパートナーシップを見ることができるだろう。

實川絢子(ライター)




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