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2014/12/25 2014:12:25:16:16:21

英国ロイヤル・オペラ日本公演「ドン・ジョヴァンニ」に主演するダルカンジェロが、"オーストリア宮廷歌手"に

英国ロイヤル・オペラ日本公演『ドン・ジョヴァンニ』でタイトル・ロールを演じるイルデブランド・ダルカンジェロのホットなニュースがウィーンより届きました。世界中が認めるダルカンジェロの実力! そしてその彼の魅力が最大に発揮されるドン・ジョヴァンニ!! 英国ロイヤル・オペラ日本公演に、ますます期待が膨らみます。

 

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(写真)左からヨーゼフ・オースターマイヤー文化大臣、イルデブランド・ダルカンジェロ、ドミニク・マイヤー ウィーン国立歌劇場総裁

 


 

 昨年夏の"ザルツブルク音楽祭"でも大評判になったように、いまや『ドン・ジョヴァンニ』といえばイルデブランド・ダルカンジェロ、ダルカンジェロといえば『ドン・ジョヴァンニ』というのが世界的に衆知の一致するところだ。

 

そのダルカンジェロが、このほど名誉ある"オーストリア宮廷歌手"の称号を授与された。ウィーン国立歌劇場における活躍、ひいては同歌劇場への貢献が高く評価されたのだ。バスバリトンの第一人者として、世界有数のオペラハウスを次々と席巻している彼がウィーンにデビューしたのは1994年のこと。以後、13の役柄で109公演に出演しており、ロッシーニ『チェネレントラ』、ベッリーニ『夢遊病の女』、それにドニゼッティの『アンナ・ボレーナ』や『愛の妙薬』などのベルカント物と並んで、ウィーンでは、なによりもモーツァルト作品で定評がある。


 代表的な演目は勿論ドン・ジョヴァンニで、タイトル・ロールとレポレッロ役を合わせて計38回に及ぶ。他に『フィガロの結婚』、『コジ・ファン・トウッテ』でも様々な役柄を歌っていて、このようなレパートリーから眺めても、ダルカンジェロの歌唱が正統的で折り目正しく、格調の高さを備えていることで広く認識されているのだ。


 ただ、ドン・ジョヴァンニの場合、この役柄が立派な歌唱のみで事足(たれ)りというわけにはいかないことを、オペラ・ファンなら百も承知だ。ここでダルカンジェロがデモーニッシュ(悪魔的)な"稀代の誘惑者"となって登場すると、誰も抵抗できなくなるほどの圧倒的な魅力を発揮して、まさに"永遠のヒーロー"と化すのだ。


 ダルカンジェロが、いま世界中で一番求められ、もっとも人気のあるドン・ジョヴァンニであることも十分頷(うなず)ける。    

     

山崎 睦 在ウィーン・音楽ジャーナリスト)

 

 

 

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photo: Wiener Staatsoper / Michael Pöhn