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2017/02/22 2017:02:22:17:19:46

オレリー・デュポン共同会見レポート「日本公演では新世代のダンサーたちを紹介します」

 東京バレエ団『ボレロ』出演のために、パリ・オペラ座バレエ団芸術監督、オレリー・デュポンが来日。公演初日を翌日に控えた2月21日に開催された共同会見の場で、開幕まであとわずかとなったパリ・オペラ座バレエ団日本公演への意気込みを語った。

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 エトワールとして活躍した当時からの華やかさに加え、芸術監督としての風格をも感じさせるにこやかな表情で登場したデュポン。会見冒頭、「今回の日本公演は、私が芸術監督に就任して初めてのツアー。東京ではこれまでたくさん踊る機会をいただき、大好きな街でもある。とても光栄に思っています」と挨拶した。

 前芸術監督バンジャマン・ミルピエ辞任ののち、昨年秋からパリ・オペラ座バレエ団を率いているが、自身の仕事については、「クラシックの演目に敬意を払うこと、バレエ団のレベル、クオリティに注意すること、ダンサーたちがコンテンポラリー作品に向かって開かれた存在であることに留意すること」という。「ダンサーとしての活動も続けています。今も、ダンサーたちと一緒に毎日レッスンを受けていますが、それはダンサーたちの長所を発見するいい機会でもある」とも。

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 さらに、「芸術監督のもう一つの仕事は、エトワールの任命とその準備」と話す。昨年末には、新たに二人のエトワールを任命している。レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェは、日本公演の舞台にエトワールとして初めて登場。『ダフニスとクロエ』のダフニス役に選ばれたルーヴェは、デュポンの相手役という重責を担う。「芸術監督と踊るのは、彼にとってストレスであり、プレッシャーでしょう。が、とても知的なダンサーですから、稽古の中で徐々に進歩を遂げています」と気遣う。プルミエ・ダンスールのユーゴ・マルシャンも、『ラ・シルフィード』のジェイムズ役での登場が決まった。「ルーヴェと同世代のダンサーで、将来を嘱望されています。今回は、皆さんにすべての新たな世代のダンサーたちを紹介できるいい機会に。芸術監督には、決して人選を誤ってはいけないという、重い責任があるのです」。

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 日本公演のプログラムは前任のミルピエが選んだものだが、全幕作品のピエール・ラコット版『ラ・シルフィード』と、〈グラン・ガラ〉(『テーマとヴァリエーション』、『アザー・ダンス』、『ダフニスとクロエ』)の2プログラム、全4作品の上演が予定されている。

 「『ラ・シルフィード』はロマンティック・バレエの重要な作品ですが、これには思い出があります。初めて踊った時は3週間しか時間がなく、振付を覚えきれないところも。本番ではそこがインプロヴィゼーションのようになってしまって、ただひたすら、ラコットのスタイルに忠実であり続ける努力をしながら、素知らぬ顔をして踊っていました。ラコットは苦笑いをしていました(笑)。〈グラン・ガラ〉の『テーマとヴァリエーション』は、ダンサーにとって非常に難しい作品。昨年キューバを訪れた際、(初演ダンサーの)アリシア・アロンソと会い、たくさん質問をしてきたので、今回それが活きるのではないかと思います。『アザー・ダンス』は、ジェローム・ロビンズの、非常に精密につくられた作品。『ダフニスとクロエ』は、ミルピエとのクリエイションが、とても良い雰囲気の中で行われたことを覚えています」

 これらの作品の共通点について、「キーワードは音楽性」と話すデュポン。新世代の活躍が大いに期待されるオペラ座バレエ団が、それをいかに舞台に示すのか、間もなく明らかとなる。パリ・オペラ座バレエ団日本公演は、3月2日(木)に初日を迎える。



レポート/加藤智子


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