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2017/02/16 2017:02:16:17:53:14

【パリ・オペラ座バレエ団】ユーゴ・マルシャン~すでにエトワール並みの大役をまかされている若きスター

 今年24歳のユーゴ・マルシャン。「自分はダンスをするんだ!」と8歳のときに突然思いたち、バレエを習い始めた。オペラ座バレエ学校には第五ディヴィジョンで入り、飛び級で第三ディヴィジョンに。この時に、『スカラムーシュ』『ヨンダリング』『ペッシェ・ドゥ・ジュネス』の公演(2009)で来日しているのだが、代役だったのでずっと舞台裏にいたそうだ。

 バレエ団に入団したのは2011年、18歳の時である。人一倍大柄なゆえクラシック作品のコール・ド・バレエの中では浮いてしまう感があったのか、入団当時はあまり活躍ができなかった。しかし、クラシック・バレエのしっかりした基礎を持ち、舞台空間で圧倒的な存在感を放つ彼はバンジャマン・ミルピエ前芸術監督の高い評価を受け、スジェの時代からソリストに抜擢されるようになる。映画「ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男」の中で見ることができる創作『クリア・ラウド・ブライト・フォーワード』では、レオノール・ボラックとの美しいパ・ド・ドゥが彼のために創られた。

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(写真は「マノン」より Photo Julien Benhamou - OnP)

 これまですでに主役を踊っているのは、『くるみ割り人形』『マノン』『ロミオとジュリエット』『ラ・バヤデール』と、まるでエトワールなみ。いつの日か『オネーギン』『椿姫』といった、ストーリー性が高い作品で、人間がしっかりと描かれている主役が踊れたら、と夢見ている。クラシック作品に限らず、彼はコンテンポラリー・バレエでの活躍も目覚しく、最近ではフォーサイスの『ブレイク・ワークス1』の創作に参加した。ネオ・クラシック作品もお手の物の彼。日本ツアーの直後には、オペラ・バスチーユでバランシンの『真夏の夜の夢』のオベロン役が控えている。

濱田琴子(ジャーナリスト、在パリ)






■ ユーゴ・マルシャンは「ラ・シルフィード」3/3(金)、3/5(日)にジェイムズ役で出演。詳細はこちら>>