ゲネプロ初日
ゲネプロ初日
「ラ・バヤデール」はいよいよ明日初日!
開幕に向けて、リハーサルが行われている東京文化会館は熱気に包まれています。
昨日は初日(9/25)キャストによるゲネプロが行われました。
22日に会場に入ってからは、衣装を着けてリハーサルを行っていましたが、ゲネプロは衣装だけでなくヘアもメイクも本番同様で行ったため、楽屋ではヘアメイクさんが大忙しでした。
というのも・・・「ラ・バヤデール」には僧侶が大勢出演します。
その僧侶たちのヘアメイクには、客席からちょっと見ただけでは絶対にわからない、信じられないほどの手間と時間がかかっているのです。
僧侶たちのヘアメイクの裏側をちょっとご覧いただきましょう。
まず、僧侶役のダンサーは、頭にすっぽりと白い極薄のゴムキャップ("ボールド・キャップ"と言うそうです)をかぶせられます。
液体のりでざっと貼り付けてから、さらに顔のまわりの部分をアセトンで溶かして肌に吸い付かせ、ぴったりと密着。
その後、顔と頭に茶色のドーランを塗って、スキンヘッドの完成。
その上に、鬘をかぶせて漸く一人の僧侶、完成! となるのです。
ヘアメイク担当のスタッフさんは、ミラノ・スカラ座のオペラ公演期間中に、スカラ座のスタッフさんから、「お坊様の作り方」の手順をしっかり学び、昨日のゲネプロに備えていたものの、昨日は一人の僧侶を仕上げるのに40分かかったとか。
僧侶役の人だけでなく、大僧正、マグダヴェーヤ、ブロンズ像、6人の苦行僧もみんな、この"ボールド・キャップ・メイク"(勝手に名づけて"お坊様メイク")を施されているのです。
トータル25人・・・ヘアメイクさんの苦労がおわかりいただけるのではないでしょうか。
そして、その中の一人、ブロンズ像の松下裕次の登場です!
この輝かしい金色を全身に塗るのに、4人がかりで20分。冠の下は、もちろん金色の"お坊様メイク"仕様です。何と耳の中まで、金色! 前から見ても、横から見ても、金一色です。
ちなみに"お坊様メイク"の必需品、ボールド・キャップは日本では販売されておらず、この公演のために海外から特別に輸入した貴重品とのこと。
公演をご覧の際には、オペラグラスでじっくり僧侶たちのメイクをご覧になってくださいね。
最後に、昨日のゲネプロの様子を少しだけご紹介しましょう。
第2幕「影の王国」の一糸乱れぬコール・ド・バレエと第3幕の結婚式のシーンです。
これまで何度かこのBlogで、豪華な衣装を紹介してまいりましたが、実際に見る衣装は、照明との相乗効果で、一段と豪華で美しく感じられます。
生地、装飾、すべて舞台上での効果を考えて選び抜かれたものだということが、おわかりいただけるはずです。
今日は、2日目(9/26)のキャストでのゲネプロが行われます。
もちろん、この様子もお伝えいたしますので、最後まで「ラ・バヤデール」制作日記をご愛読ください。
「ラ・バヤデール」開幕まで、26時間です!
photo:Kiyonori Hasegawa(舞台写真)
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