オルガ・エヴレイノフ インタビュー2

オルガ・エヴレイノフ インタビュー2

2009年6月23日 16:16 インタビュー | 新着情報

─ニキヤ、ガムザッティ、ソロル役の重要な資質は?

どの役柄もまず揺るぎないテクニックが必要です。ニキヤは視覚的に美しいライン、そして重要なのは音楽性と官能性、ミステリアスであること、さらにまるで歌うかのように完璧に踊ること。ガムザッティにはパワーと情熱、そしてエキゾティックな面、猫のように流動的に踊ること。また、この2役を踊るダンサーはともに、素晴らしい役者でなければなりません。ソロルは、男らしく、エレガントで、ロマンティックであること。彼は謙虚で、まるでジャングルにいる動物のように強く、またそのように動く資質も必要です。


─マカロワ版の魅力はどこにあると思いますか?

マカロワ版は数ある演出の中でも最も成功を収めている作品だと思います。1877年に初演されたプティパによるオリジナルは、とても長大で現代の美学には沿わないものですが、マカロワ版はそのオリジナルから東洋的なエキゾティシズム、ロマンティックな概念、クラシック・バレエという3つの重要な要素を一つも失うことなくコンパクトにまとめ上げ一体化させています。また、1917年のロシア革命以後失われていた結婚式、神殿の崩壊というドラマティックな最後の場面を復活させたのもマカロワ版の素晴らしい点です。


─これまでいくつのカンパニーでマカロワ版の振付指導を行ってきていますか?

東京バレエ団を含めて11です。実は東京バレエ団の公演は1989年にミラノ・スカラ座でバレエ・マスターをしていたときに『月に寄せる七つの俳句』を、2001年にブラジルでマカロワ版『白鳥の湖』の振付指導をしていたときに『ザ・カブキ』を観たことがあります。『月に寄せる』は幕開きのボートで男性が登場する場面が美しく印象的で、日本人の精神を表した詩的な作品だと思いました。また、『ザ・カブキ』は本当に素晴らしい作品で、特に男性のコール・ド・バレエはとても力強く、本当に圧倒されました。ですから今回『ラ・バヤデール』を指導できることをとても楽しみにしていました。

(NBSニュース6月号 vol.268より転載)


>>>オルガ・エワレイノフ インタビュー1

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.nbs.or.jp/global/mt/mt-tb.cgi/233

コメントする