2025年7月アーカイブ

2025年7月25日

〈バレエ・スプリーム〉公演記念グッズ販売!

8/1(金)~8/11(月祝)にかけて開催いたします〈バレエ・スプリーム〉では、会場において公式の公演記念グッズの販売を予定しております。
今回の公演記念グッズのラインナップは下記にてご確認ください。

※商品には限りがございますので、売り切れの場合はご容赦ください。
※グッズ売場では、キャッシュレス決済(クレジットカード/PayPay/電子マネー 他)をご利用いただけます。
※ロビー内の電波状況などにより、キャッシュレス決済がご利用できない場合がございます。あらかじめご了承ください。


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〈バレエ・スプリーム〉Cプログラム ー見どころと演目紹介ー

シリーズでお贈りしている〈バレエ・スプリーム〉の見どころと演目の解説。最終回は本公演のトリをかざるパリ・オペラ座バレエ団チームによるCプログラムをご紹介します。ぜひご一読ください!

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パク・セウン photo: Agathe Poupeney

 Cプロにはパリ・オペラ座バレエ団チームが出演する。オペラ座バレエは、"太陽王"と称されたルイ14世の時代から数えて350年超の歴史がある世界最古のバレエ団。いわばフランスの国宝。それだけに格式が高いが、昔も今も"バレエの殿堂"であり、古典から現代作品まで多彩な演目を誇る。団員はパリ・オペラ座バレエ学校出身者が大方を占めるが、国籍の幅が広がってきた。そうしたカンパニーの現在を伝える舞台となるのは間違いなかろう。
 オペラ座バレエの代名詞といえるのが1980~1990年代に芸術監督を務めたルドルフ・ヌレエフが手がけた、いわゆるヌレエフ版の古典全幕。今回はヌレエフの薫陶を受けたフロランス・クレールが指導に加わり、その精髄を伝える。旧ソ連出身で西側に亡命したヌレエフは天才舞踊手として知られ、古典の再振付の際に高難度かつ独自のニュアンスを加えた。「くるみ割り人形」より第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ、「眠れる森の美女」より第 3 幕のグラン・パ・ド・ドゥを、パク・セウン&ロレンツォ・レッリが踊る。セウンは韓国出身で東洋人として初めて最高位エトワールに昇格。アカデミックなテクニックと麗しい体使いが光る。レッリは長身の貴公子として要注目の存在だ。
 オペラ座らしいエスプリが感じられる作品として「グラン・パ・クラシック」(振付:ヴィクトル・グゾフスキー)も見逃せない。1949年、オペラ座のバレエマスターの任にあったグゾフスキーがオベールの音楽を用いて創った輝かしいグラン・パ・ド・ドゥだ。踊るのはオニール八菜&ミロ・アヴェック。オニールは2023年3月、待ちに待ったエトワール昇格を果たし勢いに乗る。アヴェックは今春コリフェに昇格した注目株で期待が高まる。

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ロクサーヌ・ストヤノフ photo: Yonathan Kellerman
 
 今年5月に新制作された「シルヴィア」(振付:マニュエル・ルグリ)が紹介されるのもうれしい。ドリーヴの音楽によるこのバレエは元々1876年にオペラ座で初演された。今回はヌレエフの愛弟子で長年オペラ座きっての貴公子として君臨したルグリが再振付した話題作からの抜粋である。出演はロクサーヌ・ストヤノフ&アントニオ・コンフォルティ。ストヤノフは2024年12月にエトワールに昇格した逸材で、レパートリーの幅が広い。コンフォルティも現代作品に加え、古典においても実績がある。また両者は「À la manière de...」(振付:ジャン=ギヨーム・バール)も踊るので期待したい。
 古典中の古典を踊らせても、オペラ座の精鋭は抜群である。「エスメラルダ」それに「タリスマン」という、マリウス・プティパが振付したクラシック・バレエの名作を踊るのは、ブルーエン・バティストーニ&ポール・マルク。バティストーニは2024年3月にエトワールに昇格し「ジゼル」や「眠れる森の美女」にも主演するなど大躍進中で、華やかにして意思のある踊りが印象深い。マルクは王子役からキャラクター色の強い役柄までこなし、いずれにおいても水際立っている頼もしいエトワールである。

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ポール・マルク photo Kiyonori Hasegawa

 ロマンティック・バレエの名作「ラ・シルフィード」(振付:オーギュスト・ブルノンヴィル)では、シルフィード(妖精)と彼女に惹かれた青年ジェイムズの交感を描く。カン・ホヒョン&アントワーヌ・キルシェールという実力派が妙技を見せるだろう。ホヒョン&キルシェールは「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:ジョージ・バランシン)も踊る。チャイコフスキーの音楽と一体となって盛り上がる名品での活躍が楽しみだ。
 そして、スペシャルゲストとしてロベルト・ボッレが出演。イタリアを代表する国際的なスターで、世界各地で華々しく活躍するレジェンドである。ボッレが踊るのは二曲。
 ソロの「TWO」(振付:ラッセル・マリファント)は鬼才マリファントが生み出した傑作。暗闇に照明で狭く区切られた空間の中、腕をはじめとした上体を緩急自在に動かすことによって、スリリングかつ息をのむような空気が充満する。
 もう一曲はオニール八菜と踊る「ル・パルク」(振付:アンジュラン・プレルジョカージュ)。フランスを代表する振付家プレルジョカージュが1994年にオペラ座に振り付けた全3幕の大作で、庭園を舞台に男女の一筋縄にはいかない玄妙な愛のドラマが紡がれる。ここではハイライトとなる「解放のパ・ド・ドゥ」を披露する。

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ロベルト・ボッレ photo: LauraFerrari

 以上駆け足でのご紹介となったが、旬なダンサーたちが多彩な演目を踊るというだけに留まらず、オペラ座の伝統と革新、バレエの昔と今を2時間半に濃縮した演目構成となっていることをお分かりいただけるかと思う。夏の休日の午後にじっくりと味わいたい。

文:高橋森彦(舞台評論家)

公演の詳細&チケットのご購入は>>>コチラ

2025年7月22日

東京バレエ団「ラ・シルフィード」おもな配役決定

11月に上演する、東京バレエ団「ラ・シルフィード」のおもな配役が決定いたしました。



11月2日(日)14:00
ラ・シルフィード 沖香菜子
ジェームズ 宮川新大
エフィー 三雲友里加
ガーン 樋口祐輝
マッジ 柄本 弾
パ・ド・ドゥ 中川美雪 池本祥真
3人のシルフィード 伝田陽美 政本絵美 榊優美枝


11月3日(月祝)14:00
ラ・シルフィード 秋山 瑛
ジェームズ 生方隆之介
エフィー 足立真里亜
ガーン 南江祐生
マッジ 安村圭太
パ・ド・ドゥ 金子仁美 二山治雄
3人のシルフィード 二瓶加奈子 三雲友里加 加藤くるみ

※表記の出演者は7/22現在の予定です。ダンサーの怪我等により変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。出演者変更によるチケットの払い戻し、変更はお受けできません。正式な出演者は当日発表とさせていただきます。

2025年7月18日

〈バレエ・スプリーム〉Bプログラム ー見どころと演目紹介ー

2025年の夏を彩るバレエの祝祭〈バレエ・スプリーム〉。本日はシリーズでお贈りしているプログラム別の演目と見どころ紹介の第2弾。高橋森彦(舞台評論家)さんによるBプログラムのご紹介です。
Bプログラム(8月5日(火)~7日(木))ではパリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団の合同で「ラ・バヤデール」の見どころを抜粋して上演するのが最大の見どころ。ぜひご期待ください!

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ガムザッティを演じるオニール八菜

 Bプロは、パリ・オペラ座バレエ団チーム&英国ロイヤル・バレエ団チームによる合同公演。世界最高峰の2大カンパニーの俊英たちが同じ舞台で美と技を競うこと自体限られるが、今回は両チームが心を一つにして創り上げる合同作品も上演するのが眼目である。
 全体は二部構成。第一部は各チームの名手たちによるパ・ド・ドゥを上演する。
 「白鳥の湖」第2幕より(振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ〉は、クラシック・バレエの代名詞の名場面。悪魔によって白鳥に姿を変えられ夜の間だけ人間の姿に戻ることのできるオデット姫と彼女に惹かれる王子を描く。気品を備えたサラ・ラム&ウィリアム・ブレイスウェルが、いかにドラマティックに感情を伝えるのか注目される。
 「コッペリア」(振付:ニネット・ド・ヴァロワ)は、ドリーブ作曲によりパリ・オペラ座で初演された名作。牧歌的な村を舞台に、少女スワニルダと青年フランツを主人公にした恋物語で、英国ロイヤル・バレエ団では創設者ド・ヴァロワによる振付が受け継がれる。フランチェスカ・ヘイワード&セザール・コラレスの息の合った踊りが楽しみだ。
 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:ジョージ・バランシン)は、巨匠バランシンの名作でガラ・コンサートの定番曲。落ち着いたアダージオはじまり、躍動に富むヴァリアシオン、ダイナミックなリフトも入るコーダで高揚感を帯びて幕を閉じる。技巧と表現力ともに冴えるマヤラ・マグリ&マシュー・ボールが好演するに違いない。
 「グラン・パ・クラシック」(振付:ヴィクトル・グゾフスキー)もガラ・コンサートの定番。1949年にグゾフスキーがオベールの音楽を用いて創った輝かしいグラン・パ・ド・ドゥで、演者は強靭な技術と高い品格を求められる。初演者でオペラ座の伝説の名花イヴェット・ショヴィレが遺したエスプリは21世紀でも健在だ。今まさに脂がのっているブルーエン・バティストーニ&ポール・マルクで観ることができるのがうれしい。

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ブルーエン・バティストーニ photo Kiyonori Hasegawa

 「カルメン」(振付:ローラン・プティ)は、20世紀フランスを代表する振付家だったプティの初期名作。ビゼーの同題オペラを土台とし、カルメン役をプティのミューズであったジジ・ジャンメール、ホセ役をプティ自身が踊り初演された。オニール八菜&アントニオ・コンフォルティが、プティ一流の愛と死のドラマを鮮烈に魅せるだろう。
 「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ(振付:ケネス・マクミラン)は、英国バレエの巨匠にして鬼才であったマクミランの名振付が光る。シェイクスピアの同名戯曲を基に、若い男女の愛の悲劇を疾走感とともに描き尽くす傑作。2023年日本公演(大阪)で披露された金子扶生&ワディム・ムンタギロフによる感動の舞台がよみがえる。
 「マノン」より第1幕の寝室のパ・ド・ドゥ(振付:ケネス・マクミラン)もマクミランの名編の見せ場のひとつ。美少女マノンと青年デ・グリューが出会い、恋をし、愛し合う様子をヴィヴィッドに映し出す珠玉のパ・ド・ドゥである。パク・セウン&ポール・マルクという表現力抜群の演者同士による、深みのある舞台となるだろう。

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金子扶生&ワディム・ムンタギロフ 『マノン』より photo Kiyonori Hasegawa

 第二部では「ラ・バヤデール」よりハイライトを上演。ここではオペラ座チーム&ロイヤルチームの夢の饗宴がついに実現する。
 「ラ・バヤデール」(音楽:ミンクス)は、1877年にロシアで初演されたプティパ振付による古典名作。古代南インドを舞台に、寺院の舞姫ニキヤ、戦士ソロル、領主の娘ガムザッティの三角関係を中心に、愛憎渦巻くドラマを繰り広げる。今回はプティパ原振付をベースにした名場面集として構成され、有名なパ・ド・ドゥやソロを当代屈指のスターたちが分担して踊る。両チームの混交ペアも配されているので興味が尽きない。
 寺院の場面ではニキヤとソロルをサラ・ラム&ウィリアム・ブレイスウェルが、ガムザッティとソロルの婚約式の場面をオニール八菜&セザール・コラレスが踊り、ブロンズ像のソロ(アントワーヌ・キルシェール)ニキヤの花かごのヴァリエーション(パク・セウン)を上演。"影の王国"からは、ニキヤ&ソロルをロクサーヌ・ストヤノフ&アントニオ・コンフォルティブルーエン・バティストーニ&マシュー・ボール、金子扶生&ワディム・ムンタギロフ(ヴェールの踊り)、マヤラ・マグリ&ポール・マルクが踊り継ぐ。オペラ座チームの指導に加わる往年の名花フロランス・クレールやロイヤルチームに帯同する名教師オルガ・エヴレイノフの厳しい目が入ることによって、見応えが増すだろう。
 ロイヤルチーム出演のAプロ、オペラ座チームによるCプロでは、各自のカラーを味わえるが、このBプロでは両者を見比べる楽しさ、さらには新たなケミストリーにふれる喜びが待ち受けている。ぜひチェックしたい豪華プログラムだ。

文:高橋森彦(舞台評論家)

公演の詳細&チケットのご購入は>>>コチラ

2025年7月11日

〈バレエ・スプリーム〉Aプログラム ー見どころと演目紹介ー

今夏最大規模のバレエ公演〈バレエ・スプリーム〉。本公演ではACの3つの魅力的なプログラムを上演しますが、本日より毎週金曜日、3週間にわたってそれぞれのプログラムの見どころと出演者や演目の魅力を高橋森彦氏(舞台評論家)にご紹介いただきます。

まずはAプログラム。Aプログラムでは英国ロイヤル・バレエ団より10名の精鋭が集い、バレエ団のDNAでもあるマクミランやアシュトンの作品を中心とした"ロイヤル・スタイル"を存分に披露します。高橋氏の語るAプログラムの魅力とは? ぜひご一読ください。

 

 

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今回"ロイヤル・チーム"のリーダーを務めるサラ・ラム(「ロミオとジュリエット」より)


 Aプロには日本でも絶大な人気を誇る英国ロイヤル・バレエ団の精鋭が集う。演目は、お家芸のフレデリック・アシュトン、ケネス・マクミランによる演劇的バレエ、古典名作、現代の佳編により構成。日本に居ながらロンドンの風を感じ、夢気分を味わえるだろう。


 アシュトン振付「真夏の夜の夢」は、英国が誇る文豪シェイクスピアの戯曲のバレエ化。妖精たちと人間が織り成す痛快喜劇を、メンデルスゾーンの音楽にのせて情趣豊かに描く。この度上演される妖精の王オベロンと女王タイターニアが終幕で踊るパ・ド・ドゥの振付は、優雅にして繊細で奥深いニュアンスが秘められた"ロイヤル・スタイル"の最たるもの。フランチェスカ・ヘイワードウィリアム・ブレイスウェルが表情豊かに踊るはずだ。

 同じくアシュトン振付「リーズの結婚」は、のどかな農村を舞台にした喜劇。母親から金持ちの農園主の息子との結婚を迫られる娘リーズと恋人コーラスの恋模様が微笑ましい。カンパニー屈指の若手成長株であるヴィオラ・パントゥーソ五十嵐大地による、若々しく、いきいきとした踊りを存分に楽しめるだろう。

 

 マクミラン振付「マノン」より第1幕の出会いのパ・ド・ドゥは、アヴェ・プレヴォーの小説「マノン・レスコー」を土台にした傑作の名場面の一つ。自由に生きる美しい少女マノンと純朴な青年レスコーが運命の出会いを果たすシーンの踊りで、マスネの「エレジー」に導かれ両者の胸のときめきが手に取るように伝わる。サラ・ラムウィリアム・ブレイスウェルという、麗しさと役を生き抜く表現力を兼備した名手の妙演に期待したい。

 数ある古典バレエの中でも無類に楽しく華やかなのが「ドン・キホーテ」(振付:マリウス・プティパ)。スペインを舞台にキトリとバジルの恋物語が繰り広げられ、終幕の二人の結婚式は幸福感に満たされる。華麗な跳躍や回転技といった超絶技巧尽くしのグラン・パ・ド・ドゥを披露するのは、マヤラ・マグリセザール・コラレス。ともにラテンの血を引くテクニシャンかつ魅せることに長ける俊英なので圧倒的興奮は約束されたも同然だ。

 

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ワディム・ムンタギロフ


 「海賊」(振付:マリウス・プティパ)も盛り上がること必至である。ギリシャの娘メドーラと海賊の首領の奴隷アリによるパ・ド・ドゥは、高難度の美技のつるべ打ち。それを踊るのが金子扶生ワディム・ムンタギロフなのが興味深い。金子はプリンセスやドラマティックな役柄の印象が強く、ムンタギロフは当代随一の貴公子として名高い。その彼らの、また違った一面に接することができるのだ。

 ロマンティック・バレエ「ジゼル」(振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー)は永遠の名作。村娘ジゼルを愛しながら裏切った貴族アルブレヒトは後悔し、ウィリ(精霊)となったジゼルを訪ねるため、夜の森へとあらわれる。マヤラ・マグリマシュー・ボールという、心技体ともに充実した表現者による精神性の深い舞台に引きこまれるだろう。

 数ある古典のグラン・パ・ド・ドゥにおいて、若いダンサーが弾ける魅力を衒いなく発揮できるのが「パリの炎」(振付:ワシリー・ワイノーネン)だろう。フランス革命を題材とした全幕バレエのハイライトで踊られる、少女ジャンヌと義勇軍の兵士フィリップによるグラン・パ・ド・ドゥ。ヴィオラ・パントゥーソ、五十嵐大地が爽やかに踊るに違いない。

 

 20世紀の巨匠ジョージ・バランシンが1928年、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために振付した「アポロ」はギリシャ神話に基づく。音楽はストラヴィンスキー。審美的な美しさが際立つ、バランシンの新古典主義の時代の代表作の一つ。このほど金子扶生ワディム・ムンタギロフが初めてミューズとアポロに挑み、透徹した造形美を体現する。


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金子扶生


 21世紀の名作も見逃せない。英国ロイヤル・バレエ団のアーティスティック・アソシエイトを務めるクリストファー・ウィールドンによる二作品である。ウィールドンは「不思議の国のアリス」「冬物語」などの大作でも知られるが、音楽性豊かで絶美な一幕ものも多い。

 「アフター・ザ・レイン」はウィールドンの2005年初演作品で、その後半部を上演。アルヴォ・ペルトの名曲「鏡の中の鏡」とともに紡がれる詩的なデュエットだ。サラ・ラム、マシュー・ボールが、現代バレエにおいて研ぎ澄まされた表現力を示すことを目の当たりにできるだろう。


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マシュー・ボール


 「ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー」は、ウィールドンの2008年初演作品で、クリムトの絵画から着想。2019年に英国ロイヤル・バレエ団が上演する際に改訂した。エツィオ・ボッソ、ヴィヴァルディの弦楽曲にのせ7組が変幻自在に踊り、光彩に富む。今回はパ・ド・ドゥの一つをフランチェスカ・ヘイワード、セザール・コラレスが滋味深く踊る。

 "スプリーム"すなわち「最高の」「至上の」バレエをお届けする〈バレエ・スプリーム〉の幕開けを飾るにふさわしい、心浮き立つステージとなるだろう。開幕が待ち遠しい。

 

文:高橋森彦(舞台評論家)

公演の詳細&チケットのご購入は>>>コチラ

2025年7月 7日

〈バレエ・スプリーム〉パリ・オペラ座バレエ団&英国ロイヤル・バレエ団合同公演 詳細決定のお知らせ

 8月5日(火)~7日(木)にかけて開催いたします〈バレエ・スプリーム〉Bプロでは、オペラ座チームとロイヤルチームの合同により、『ラ・バヤデール』の見どころを抜粋して上演いたします。
 このたび、上演場面、および組み合わせが決定しましたので下記のとおりご案内申し上げます。なお、別のお知らせにてご案内申し上げましたが、パリ・オペラ座バレエ団のマチアス・エイマン、ギヨーム・ディオップが本公演への出演を見合わせることとなり、一部の演目・組み合わせに当初の発表から変更が生じております(下記下線部)

 エイマン、およびディオップの出演を楽しみにお待ちいただいておりましたお客様には大変申し訳ございませんが、出演者たちが心をこめてお贈りする今夏の祝祭をお楽しみいただけることを願っています。



〈バレエ・スプリーム〉Bプロ 
オペラ座チーム&ロイヤルチーム合同公演合同公演
8月5日(火)、6日(水)、7日(木)

【第一部】

「白鳥の湖」第2幕より 振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ
サラ・ラム、ウィリアム・ブレイスウェル

「コッペリア」 振付:ニネット・ド・ヴァロワ
  フランチェスカ・ヘイワード、セザール・コラレス

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 振付:ジョージ・バランシン
  マヤラ・マグリ、マシュー・ボール

「グラン・パ・クラシック」 振付:ヴィクトル・グゾフスキー
  ブルーエン・バティストーニ、ポール・マルク

「カルメン」 振付:ローラン・プティ
 オニール八菜、アントニオ・コンフォルティ

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン
  金子扶生、ワディム・ムンタギロフ

「マノン」より第1幕の寝室のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン
  パク・セウン、ポール・マルク



【第二部】

『ラ・バヤデール』より 振付:マリウス・プティパ

第1幕のパ・ド・ドゥ
  ニキヤ:サラ・ラム
  ソロル:ウィリアム・ブレイスウェル

第2幕より
  ガムザッティ:オニール八菜
  ソロル:セザール・コラレス

ブロンズ像のソロ
  アントワーヌ・キルシェール

ニキヤの花かごのヴァリエーション
  パク・セウン

第3幕より
  ニキヤ:ロクサーヌ・ストヤノフ
  ソロル:アントニオ・コンフォルティ

第3幕より
  ニキヤ:ブルーエン・バティストーニ
  ソロル:マシュー・ボール

第3幕より、ヴェールのパ・ド・ドゥ
  ニキヤ:金子扶生
  ソロル:ワディム・ムンタギロフ

第3幕より
  ニキヤ:マヤラ・マグリ
  ソロル:ポール・マルク


【A・Cプロの詳細については>>>コチラにてご確認ください】


※当初のプログラムから下線部の演目、出演者に変更が生じております。
※表記の出演者・演目は2025年7月7日現在の予定です。出演者のやむをえない事情により変更となる場合があります。正式な配役は公演当日の発表します。なお、出演者・演目変更に伴う返金、公演日の変更等はお受けできません

〈バレエ・スプリーム〉出演者変更、および追加出演者決定のお知らせ

 今夏、パリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団の精鋭ダンサーたちの競演が〈バレエ・スプリーム〉公演として東京で実現します。この企画は2017年にはじまったもので、コロナ禍のオンライントークとしての開催を経て、いよいよ東京文化会館の舞台にダンサーたちがかえってきます。
 大変残念ながら、このたび当初の発表から出演者、および一部の演目に変更が生じました。この変更を受け、新たな出演者も決定しましたので下記のとおりお知らせいたします。

オペラ座チーム
 マチアス・エイマンは健康上の理由により本公演に出演することができなくなりました。また、ギヨーム・ディオップは今シーズンの過密なスケジュールによる肉体的、精神的な疲労が大きく、出演準備が難しいことから、演目を変更しての出演も検討しておりましたが、大変残念ながら出演を断念することとなりました。両名の出演を楽しみにお待ちくださっていたお客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。なお、エイマンからは日本のお客様へのメッセージが寄せられております。あわせてご一読いただければ幸いです。
 代わりましてロレンツォ・レッリ、ミロ・アヴェック、さらにゲストとしてロベルト・ボッレがオペラ座チームに加わることになりました。出演者の変更に伴い、Cプロの演目が下記のように変更になりました。Bプロの演目につきましても変更が生じておりますのでコチラのページにてご確認いただければ幸いです。

ロイヤルチーム
 先の英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団日本公演へのゲスト出演を怪我のため見合わせておりましたウィリアム・ブレイスウェルは順調に回復し、本公演に予定通り出演するとの連絡を受けております。なお、出演者の変更はございませんが、Aプロのうち、1演目が出演者の意向により変更になりました。

 当初の出演者・演目にご期待くださっていたお客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。このたびのやむをえない変更について何卒ご理解賜りますよう重ねてお願い申し上げます。



〈バレエ・スプリーム〉Cプロ オペラ座チーム
8月9日(土)、10日(日)、11日(月祝)

「グラン・パ・クラシック」 振付:ヴィクトル・グゾフスキー
  オニール八菜、ミロ・アヴェック

「くるみ割り人形」より第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ 振付:ルドルフ・ヌレエフ
  パク・セウン、ロレンツォ・レッリ

「エスメラルダ」 振付:マリウス・プティパ
  ブルーエン・バティストーニ、ポール・マルク

「シルヴィア」 振付:マニュエル・ルグリ
  ロクサーヌ・ストヤノフ、アントニオ・コンフォルティ

「タリスマン」 振付:マリウス・プティパ
  ブルーエン・バティストーニ、ポール・マルク

「眠れる森の美女」より第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ 振付:ルドルフ・ヌレエフ
  パク・セウン、ロレンツォ・レッリ

「TWO」 振付:ラッセル・マリファント
  ロベルト・ボッレ

「À la manière de...」 振付:ジャン=ギヨーム・バール
  ロクサーヌ・ストヤノフ、アントニオ・コンフォルティ

「ラ・シルフィード」 振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
  カン・ホヒョン、アントワーヌ・キルシェール

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 振付:ジョージ・バランシン
  カン・ホヒョン、アントワーヌ・キルシェール

「ル・パルク」 振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
  オニール八菜ロベルト・ボッレ


〈バレエ・スプリーム〉Aプロ ロイヤルチーム
8月1日(金)、2日(土)、3日(日)

「マノン」より第1幕の出会いのパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン
  サラ・ラム、ウィリアム・ブレイスウェル

「ドン・キホーテ」 振付:マリウス・プティパ
  マヤラ・マグリ、セザール・コラレス

「海賊」 振付:マリウス・プティパ
  金子扶生、ワディム・ムンタギロフ

「真夏の夜の夢」 振付:フレデリック・アシュトン
  フランチェスカ・ヘイワード、ウィリアム・ブレイスウェル

「ジゼル」 振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
  マヤラ・マグリ、マシュー・ボール

「アポロ」 振付:ジョージ・バランシン
  金子扶生、ワディム・ムンタギロフ

「アフター・ザ・レイン」 振付:クリストファー・ウィールドン
  サラ・ラム、マシュー・ボール

「ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー」 振付:クリストファー・ウィールドン
  フランチェスカ・ヘイワード、セザール・コラレス

「パリの炎」 振付:ワシリー・ワイノーネン
  ヴィオラ・パントゥーソ、五十嵐大地

「リーズの結婚」 振付:フレデリック・アシュトン
  ヴィオラ・パントゥーソ、五十嵐大地

【Bプログラムの演目については>>>コチラにてご確認ください】


※当初のプログラムから下線部の演目、出演者に変更が生じております。
※表記の出演者・演目は2025年7月7日現在の予定です。出演者のやむをえない事情により変更となる場合もあります。正式な配役は公演当日の発表となります。なお、出演者・演目変更に伴う返金、公演日の変更等はお受けできません


マチアス・エイマンからのメッセージ

この夏、日本で開催される素晴らしい芸術的プロジェクトに参加できなくなりましたことをお伝えするのはとても悲しく、断腸の思いです。
参加したいと心から願っていたこの素晴らしい冒険に、健康上の理由から、残念ながら参加できなくなりました。日本、日本のアーティスト、そして観客の皆さまをこよなく愛し、皆さまがいつも私に示してくださってきた歓迎を思うと、とても苦しい決断でした。
長年にわたり、寛大さと完璧さをもって、毎回の訪日が特別なひとときとなるようにご尽力下さった皆さまに、心から感謝申し上げます。皆さまのおかげで、日本で踊ることは常に、芸術的にそして人間的に、類まれな濃密な経験となりました。
日本の観客の皆さまにはとりわけ心打たれる想いがあります。それは、皆さまの感性、忠誠心、そして注意深いまなざしが、私の公演のひとつひとつを成長させてくださったということです。長い時間をかけてお互いに築いてきたこの貴重な絆は、私のインスピレーションと力の源であり続けています。
皆様にとって、創造性と、分かち合いの心と、美に満ちたひと夏となることをお祈り申し上げます。そして近いうちにきっとまたお会いできることを願っております。
感謝と敬意をこめて。

To everyone involved in this summer's artistic project,

It is with deep sadness that I write to you today to inform you of my withdrawal from the artistic project planned this summer in Japan.
For personal health reasons, I am unfortunately unable to participate in this wonderful adventure as I would have liked. This decision was extremely difficult to make, given my immense attachment to Japan, its artists, its audiences, and the welcome you have always extended to me.
I would like to express my sincere gratitude to all those who, year after year, have worked with such generosity and professionalism to ensure that each visit is an exceptional moment. Thanks to you, dancing in Japan has always been an experience of rare intensity, both artistic and human.
I have a particularly moving thought for the Japanese audience, whose sensitivity, loyalty, and attentive gaze have nourished each of my performances. This precious bond we have forged over time remains a source of inspiration and strength for me.
I wish you all a summer rich in creativity, sharing, and beauty. I sincerely hope that our paths will cross again soon.

With all my gratitude and respect,
Mathias

2025年7月 3日

3年後にまた会いましょう!東京文化会館

2009年 第12回世界バレエフェスティバル特別プログラム〈オマージュ・ア・ベジャール〉カーテンコールより
photo: Kiyonori Hasegawa

 64年もの長きにわたり「オペラ・バレエの殿堂」として、わが国のバレエやオペラの公演を支えてきた東京文化会館。NBS主催公演の拠点でもあった東京文化会館が、発表されておりますとおり、来年(2026年)5月より3年間の工事休館に入ります。建物の老朽化が進んでおり、改修工事はやむを得ないとはいえ、この3年間の空白にはさまざまな想いが巡ります。すでに休館まで1年を切り、カウントダウンが始まっています。東京文化会館の休館はオペラ・バレエ愛好家の皆さまにとって、海外の芸術団体による大型公演を観る機会が失われることを意味します。

2009年ミラノ・スカラ座「ドン・カルロ」
photo: Kiyonori Hasegawa
シルヴィ・ギエムが最後に『白鳥の湖』(第2幕より)を踊ったのも東京文化会館だった(2007年、東京バレエ団との共演。王子役は二コラ・ル・リッシュ)
photo: Kiyonori Hasegawa

 当ホームページをご覧になっている方の中には「ほかにもオペラやバレエをやっている劇場はあるのにどうして?」と不思議に思われる方も少なからずいらっしゃると思います。それぞれの劇場によって事情は異なるものの、大型の舞台装置を飾れる舞台スペースや機構がなかったり、1団体が連続で使用できる日数に制限があったり、客席数が少なくて興行的に成立しないなど、オペラやバレエ公演に適した劇場が首都圏には致命的に不足しているのが現状なのです。

2018年シュツットガルト・バレエ団『白鳥の湖』
3層構造になっている巨大な回廊が特徴のユルゲン・ローゼのデザインによる舞台装置。
photo: Kiyonori Hasegawa
2008年英国ロイヤル・バレエ団『シルヴィア』
photo: Kiyonori Hasegawa
マリアネラ・ヌニェスのプリンシパル昇進後、日本における全幕初主演の舞台

 「大阪や名古屋、福岡や札幌のような大都市でやればいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。それらの都市にも素晴らしい機構を備えた劇場がありますが、集客という観点では現状で1公演かせいぜいで2公演しかできないのが実態と言わざるを得ません。

 首都圏の劇場不足によって一番懸念されることが、観客の皆さまの鑑賞機会が失われることと、わが国のバレエやオペラ活動そのものが衰退することです。とはいえ、我々にはこの如何ともしがたい事実を受け入れるほかなく、この3年間をいかに乗り切るという難題に、全身全霊をかけて取り組むほかありません。観客の皆さまには大変不本意ながらご不便をおかけしたり、物足りなさを感じさせてしまうなど、これまで通りに行かないことが多くなるに違いありません。我々自身が首都圏の劇場不足によって苦境に立たされていることを、ぜひともご賢察のうえご理解をたまわりたくお願い申し上げます。

2012年ウィーン国立歌劇場『アンナ・ボレーナ』
中央は"コロラトゥーラの女王"として君臨したエディタ・グルベローヴァ
photo: Kiyonori Hasegawa
1976年、第1回〈世界バレエフェスティバル〉カーテンコール
3年に1回のバレエ界最大の祝祭も東京文化会館からはじまった
photo: Seiichi Hasegawa

 東京文化会館が来年5月に工事休館に入るまでに、NBSは同会館において下記の主催公演を予定しています。3年間はあまりにも長いと感じますが、ここであらためて、東京文化会館を愛し、公演に足を運んでくださったお客様への感謝と、劇場への慰労の気持ちをこめ、「3年後にまた会いましょう!東京文化会館」と銘打ち、休館に入る最後の日まで、皆さまとともに一公演ごとにカウントダウンしながら、東京文化会館に想いを馳せたいと思っています。そして2029年の春まで皆さまと心を一つにして、東京文化会館がリノベーションを終えて再開場する日を待ちたいと思います。再開場の暁には東京文化会館の新しい門出を祝い、一緒に祝杯を上げられることを願っています。

2020年 コロナ禍の初期、様々な工夫の元で開催されたパリ・オペラ座バレエ団『オネーギン』
photo: Hidemi Seto

3年後にまた会いましょう!東京文化会館

NBSによる東京文化会館休館までのラインナップをご紹介します。

1:2025年6月20日(金)~29日(日)

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
『眠れる森の美女』、『シンデレラ』

※休館前、最後の大型招聘バレエ公演となりました。

2:2025年8月1日(金)~11日(月祝)

〈バレエ・スプリーム〉
※休館前、パリ・オペラ座、英国ロイヤル・バレエ団に関連する最後の公演となります。

オペラ座&ロイヤルの精鋭が贈る  〈バレエ・スプリーム 〉
3:2025年9月20日(土)~23日(火祝)

東京バレエ団『M』
※休館前、最後のベジャールの全幕作品上演となります。

東京バレエ団『M』
4:2025年10月5日(日)~26日(日)

ウィーン国立歌劇場『フィガロの結婚』、『ばらの騎士』
※休館前、最後の大型オペラ招聘公演となります。このような350名規模の来日による招聘公演は、今後ますます貴重になります。

ィーン国立歌劇場
5:2025年11月2日(日)~3日(月祝)

東京バレエ団『ラ・シルフィード』

東京バレエ団『ラ・シルフィード』
6:2025年11月18日(火)~24日(月祝)

東京バレエ団『ドン・キホーテ』

東京バレエ団『ドン・キホーテ』
7:2025年12月11日(木)~14日(日)

東京バレエ団『くるみ割り人形』
※休館前最後の『くるみ割り人形』となります。

8:2026年2月下旬

東京バレエ団公演

9:2026年3月下旬

東京バレエ団公演

10:2026年4月末~5月上旬

大型オペラ公演予定
※本公演が東京文化会館休館前、最後のオペラ公演になります。

11:2026年5月上旬

東京文化会館 さよなら公演予定。

2025年7月 2日

【徹底解剖!】東京文化会館、NBSスタッフが案内する座席・エリア別見え方ガイド

 既報のとおり、東京文化会館は2026年5月から3年間の工事休館に入ることが発表されています。休館まで1年をきり、早くも6月に来日した英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が最後の大型招聘バレエ公演、10月のウィーン国立歌劇場日本公演が海外歌劇場による休館前最後のオペラ公演となります。
 すでに何十年も同館に通っている方も多いと思いますが、いつだって「初めまして」の方がいらっしゃるのが劇場です。上記公演にも多くの「初めまして」の方がいらっしゃることが予想されます。私ども主催者には日々「どの席を選んだら良いの?」など、様々なお問い合わせが寄せられています。
 そこで! 東京文化会館を知り尽くしたNBSスタッフが東京文化会館の座席を徹底解剖! 客席からの写真とともに座席別の見え方・特色をご紹介。ぜひ座席選びの参考にしていただければ幸いです。

席を選ぶ前に・・・
席を選ぶのはとても難しいことです。なぜなら人によって好みが全く異なるからです。バレエであれば「ダンサーの表情をみたい」「群舞のフォーメーションを楽しみたい」。オペラであれば「指揮者をみたい」「歌手の声の響きを堪能したい」...きっと出演者や演目によって席を変えたいこともあるでしょう。そこで! まずはご自身が舞台の何を楽しみたいか?ということをはっきりさせることが重要です。舞台鑑賞の経験がなかったり、あまり慣れていない方については多少舞台から離れていても、舞台全体が見渡せる、見切れのない席がおすすめです。まずは舞台全体を観るところからはじめると「もっと近くで観たい」「オーケストラが気になるから2階以上のピットを見下ろせる席で」「席への出入りが苦手なので通路側」などと、ご自身の嗜好がみえてきます。予算もあると思いますので、上層階のリーズナブルな席を購入し、オペラグラスで補うという方法も1つです。
それでは、さっそく階ごとに客席からの舞台の見え方を確認していきましょう!"

1階席

東京文化会館では1~19列までの席が3つのブロックにわかれています(なお、1階席は31列まで)。この中央のブロックはどこからでも舞台がよくみえ、オペラの場合は舞台に近い席でも歌手の声の響きを感じられると人気がある席です。

1階15列1番
1階15列36番

このように、この中央ブロック内であれば端の席でも非常に快適にみることができます。
ただし、2~4列目は段差がありません! 小柄な方は2~4列目はさけることをおすすめします。

1階24列1番
1階24列40番

後ろにさがってみました。1階の端の席でもこのように視界良好です。上演中は灯りも落ちていますので、バルコニーのでっぱりも視界には入りません。

1階26列39番

やや上手側(舞台に向かって右側)によった席です。舞台全体が見渡せるのも魅力ですが、特にオペラの場合、このくらい舞台から離れた方が劇場全体に響く音のハーモニーを身体全体で感じることができます。音楽好きな方にぜひ試していただきたいエリアです。

1階29列4番
1階31列35番

こちらは筆者おすすめ、知る人ぞ知る、文化会館1階のねらい目席です。
1階後方で段差がしっかりついているので身長が低い方でも安心。かつ通路側で足も伸ばしやすく、バルコニーのでっぱりも視界に入らないという素晴らしさ。出口にも近いので終演後に予定がある方、お化粧室が気になる方には特におすすめです。

2階席
2階4列13番

こちらも筆者おすすめの席です。2階正面、ヨーロッパのオペラハウスでいうロイヤル・ボックスに該当します。"ロイヤル"という名称からおわかりのとおり、かつては王族が座る特等席だったわけです。特に音楽公演では圧巻の音色、そして舞台全体を見渡せるのでとても優雅な気持ちになれます。ちなみに東京文化会館の2階正面、最前列には上皇陛下や上皇后陛下もおかけになったことがあります。高貴な気分を味わいたい!という場合にはぜひご利用ください。

2階L4列7番
2階R3列20番

2階のL&Rブロックからの眺めです。場合によっては1階よりも舞台を近く感じることができ、かつお値段もA~B席になるというとてもお値打ちなエリアです。2階R3列20番はこのエリアで一番壁際、端の席ですが、それでもここまで舞台がみえます。作品によっては一部が見えないこともありますので注意が必要ですが、お値段もS席よりおさえられるため舞台に近い席が好きな方から人気があります。なお、斜めから観ることに抵抗を感じるかたはこのエリアは避けていただき、正面のブロックをお選びください。

3階席
3階4列14

いよいよ3階席。3階正面は特にオペラファンにぜひ一度(一度と言わず何度でも)体験していただきたいお席です。見巧者からは"東京文化会館で一番音が良く聴こえる席"という評価をいただくこともあります

ちなみに、写真のような推定40cmはあろうかという段差がついていることも身長が高くない方には大きな助けとなります。

※3階席はいずれの列も同様に段差がついていますが、身を乗り出してのご鑑賞はまわりのお客様のご迷惑になりますのでご遠慮ください。

3階L3列3
3階R3列33

こちらは3階のバルコニー席、それぞれのブロックの一番端の席からの眺め。端ということで見切れを心配されていた方もいらっしゃるかもしれません。感じ方は個人差がありますのでなんともいえないところですが、想像よりも見切れは少ないといえるのではないでしょうか?ぜひご参考になればと思います。

3階L3列24
33階R4列15

3階バルコニー中央からの眺めです。ほぼ見切れの心配もなく視界良好。先にご紹介させていただいたとおり、音響も良いエリアなので「舞台全体を観たいけどS席は出せない・・・」という方はぜひ候補としてお考えください。

4階席
4階3列15番

東京文化会館デビュー。という方には実はこのエリアが良いかもしれません。オーケストラピットも含めて舞台全体が見渡せます。文化会館の特徴である壁面の装飾も堪能でき、かつ音響にも恵まれ、お値段も控えめなエリア・・・なお、出演者をアップでみたい方はオペラグラスをご活用ください。

4階L2列35番
4階R2列6番

こちらは4階のバルコニーの席のうち、中央に近いエリアからの眺めです。「お値段はおさえたいけど舞台全体が観たい!」という方にはぜひご検討いただきたいエリアです。特にオペラの場合は音がとてもよく聴こえる席でもありますので、音を重視される方にとっては理想的な席ともいえるかもしれません。

4階L2列2番
4階R3列33番

こちらは4階のそれぞれ一番端からみた風景です。「お値段は控えめに、でもできるだけ舞台の近くで観たい!」という方には大変好まれるエリアです。ただ、どうしてもある程度の見切れが生じるため、"絶対に見逃したくない!"というこだわりの場面がある作品をご鑑賞される場合には避けた方が良いでしょう。また、壁に近いために音を重視される方も要注意です。

5階席
5階2列9番

いよいよ東京文化会館の天井桟敷、5階席に行ってみましょう!
最上階とはいえ、5階席には様々な魅力があります。
まずは5階席の中でも一番人気な正面からの眺めをご紹介。舞台全体を見切れなく観ることができ、かつ音もよく聴こえるうえ、チケット代もリーズナブルなエリア、舞台から"遠い"ことだけはご容赦ください。全部で28席しかないエリアなので入手が難しい公演があるかもしれませんが、ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

5階L2列36番

ちなみに、先ほどの正面ブロックから少しずれるとこのような感じになります。
内側、正面に近いエリアには写真のようなしっかりとした手すりもあります。なお、5階席なのでオペラグラスを使用される方も多いと思いますが、ご使用の際はまわりのお客様にご配慮ください。

5階L2列2番
5階R2列35番

こちらは文化会館の5階、一番端から観た舞台の様子です。端とはいえ、舞台には近いので、3階や4階の正面席よりは実は舞台までの距離が近いのです。端なのでどうしても見切れは避けられないところですが、リーズナブルにアーティストを近くでご覧になりたい方にはお値打ちなお席ともいえます。

余談ですが、4、5階席にはこのようにしっかりと段差もあり、かつその段差によって足が浮くことを補うために写真のようなバーが足元に設置されています。60年以上前の建物ではありますが、実に"観客にやさしい"劇場なのです。
※小さなお子様をお連れの場合はご注意ください。なお、数量限定ですがキッズクッションもクロークに用意がございます。

いかがでしょうか?やや筆者の主観も入りましたが、座席・階層別に東京文化会館の客席からみた風景をご紹介させていただきました。ぜひ座席選びのご参考にしていただき、これからもたくさんのオペラ&バレエ&オーケストラ公演をお楽しみいただければ幸いです。皆様のご来場をNBS一同、心よりお待ち申し上げております。

追伸

東京文化会館の公式ホームページではさらに多くの座席からの舞台の見え方をご確認いただけます。詳しくはコチラ

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