公演情報: 2013年1月アーカイブ

13-01.31BBL01.jpg 1989年生まれのガブリエル・アレナス・ルイーズは、まさに新世代のベジャール・ダンサー。BBL入団4年にして数々の主要な役柄を任されている期待の若手です。

──日本公演で上演される『ライト』で踊っている"裕福な者"とは、どんな役柄ですか? 
 私が登場するのは豪華な空間、ヴェネツィアの宮廷のような場所で展開する複数の場面。私が踊っている"裕福な者"は、"侯爵"とも呼ばれている役柄です。彼はメセナ、芸術のパトロンです。真白に化粧をし、立派なウイッグをかぶるので、この役の準備には時間がかかるんですよ。
 冒頭のシーンで、侯爵は誕生のシンボルである卵を、エリザベット・ロスが踊る母親に持ってきます。侯爵の周囲には、侯爵夫人、オスカー・シャコンが踊るヴィヴァルディ("赤毛")、宮廷人たちがいて、舞台はバロックの雰囲気に包まれます。このバレエでは数々のソロが踊られ、どれもダンサーにとっては非常に難しい踊りなのですが、とても美しいですよ。

──難しい役柄でしたか?
 最初は少し心配でしたが、とても自然に取り組むことができました。洗練と優雅さ、控えめさが要求される役柄ですから、その高貴さを表現するためにずっと"自信満々"な顔をしていなければならない。それがうまくいったんですね。
 この役を演じるのが大好きです。訴えかけてくる人物、自分と何か共通点のある人物について語るのは好きですね。こうした役柄には徹底的に打ち込みます。あらゆる振付は、ダンサーがその振付を生きること、その振付の精神に憑依されることを強いるもの。それによって、作品を観客の皆さんに伝えることが可能になるのです。

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──『ライト』の初演は1981年ですね。ベジャールの過去の作品に取り組むことについて、どう感じていますか?
 モーリス・ベジャールの作品に取り組む際には、過去への敬意を持つ必要があります。現代から見れば、時代的に少々ズレを感じます。『ライト』で使用されているさまざまな音楽から、当時のモーリスの表現の意図を思い浮かべることができました。作品が誕生した当初は前衛的だったザ・レジデンツの音楽が、今日では当時と同じように感じられない、それも時代のズレを感じる理由でしょう。けれども『ライト』のストーリーは、現代のダンサーそして観客に直接に語りかける普遍的なテーマをいくつも含んでいます。『ライト』はとても美しいバレエだと思います。


 日本公演では『ディオニソス組曲』、またジル・ロマン振付『シンコペ』でも重要な役柄を担います。80年代の傑作を踊りながら、新たな作品への創作にも参加と、カンパニーに不可欠な存在として、そのキャリアを着実に積み重ねています。

──では、Aプロで上演される『ディオニソス組曲』の魅力について、作品の魅力を教えてください。
 舞台は、ギリシャの怪しげなタベルナ(酒場)です。ギリシャ人のカップル、水兵たち、ジゴロ、娘たちがいます。ディオニソス、そして全体を通して重要となる母親的人物もいます。陽気なバレエで、悲劇は起こらず、非常にダイナミックで音楽も素晴らしい。女性アンサンブルは喜びに溢れた快活なダンスを踊ります。彼女たちはディオニソスを凄くセクシーに魅惑するんですよ。終盤の男性たちのダンスは、まるでお祭りみたいで非常にフィジカル。舞台の後は心地良い疲労感が残ります。

──この作品での役柄は?
 私が踊っているのは、2人いる水兵のうちの1人。とても自然な雰囲気を醸しているバレエですから、人物を演じ過ぎないことが重要です。ただし、見かけは自然でも、振付は身体的にとてもハードで、たくさんのダンス・ポジションを含んでいます。
 カンパニーでギリシャを旅したことがあるのですが、確かに、この作品と同じ雰囲気を感じたんです。カンパニーのツアーは、常に私たちを豊かにしてくれるもの。他国での発見を自分たちのダンスに取り入れ、関係性を築き上げ、それを自分のものにしようと努力しています。

──ジル・ロマンの作品、『シンコペ』も踊っていますね。
 このバレエの筋は、フランス語で"サンコップ(シンコペ)" という語が持つ二つの意味に拠っています。それは人間の心臓のリズムが止まる瞬間であると同時に、音楽におけるリズムの要素の一つでもある。けれども、作品の主要なテーマは、イマジネーション、そして記憶です。この作品の世界観、深遠さのなかに現れるユーモアは、すぐに私に訴えてきました。私たちの世界とは全く違う世界に包みこまれるのです。

──踊っているのはどんな役柄ですか?
 孤独、複数の思い出、そして思い出による癒しを物語るのが、私の役。パートナーはエリザベット・ロスで、彼女は私の人生を照らし、私を支え、バレエの内部へ連れて行きます。私はこの役をとても気に入っています。私はこの作品で、伝達すべき新しい感覚を見出しました。この仕事は私を成長させてくれたのです。

──では、あなたにとってモーリス・ベジャールとは?
 モーリスは人間的に本当に心打たれる人物でした。ジルも同じです。モーリスの人間的な一面は、私たちにとって一種の教訓となっています。私は彼を非常に尊敬しているし、彼の作品を踊ることは本当に自分を豊かにしてくれる。が、クリエーションへの参加は、さらに一層、自分を豊かにしてくれます。ジルの作品で、私はより自由を感じます。振付家が自分たちのために一緒にクリエーションをしてくれるのは幸運なことです。それはムーヴメント誕生の特別な瞬間であり、そのとき私たちの身体は真に何かを語るのです。

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(取材・文・舞台写真撮影 アーノルド・グロッシェル)


東京バレエ団「ラ・シルフィード」の公演概要が決定いたしました。
1984年、東京バレエ団創立20周年記念公演で初演して以来、30年にわたり国内外で上演をつづけ、東京バレエ団を代表するレパートリーとして、高い評価を得てきたピエール・ラコット版「ラ・シルフィード」。創立50周年プレ企画として開催される今回の公演では、東京バレエ団期待の若手キャスト2組が主演いたします。
創立50周年を機に更なる進化を遂げる東京バレエ団にご注目ください。



〈東京バレエ団50周年プレ企画〉
「ラ・シルフィード」 La Sylphide


■公演日時:
6月15日(土)3:00p.m.
ラ・シルフィード:渡辺理恵、ジェイムズ:柄本弾

6月16日(日)3:00p.m.
ラ・シルフィード:沖香菜子、ジェイムズ:松野乃知

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■会場:東京文化会館

■前売開始日:3月9日(土) 10:00a.m.より

■入場料(税込み):
 S=\8,000 A=\6,000 B=\4,000 C=\2,000 
 エコノミー券=¥1,000(5/17(金)よりイープラスのみで発売)
 学生券=¥1,000 (5/17(金)より、NBS WEBチケットのみで発売)
 ※未就学児童のご入場はお断りします。

■指揮:ワレリー・オブジャニコフ

■演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

■お問い合わせ・お申し込み:
NBSチケットセンター TEL03-3791-8888(平日10:00~18:00、土曜10:00~13:00)

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舞台写真:長谷川清徳

東京バレエ団<ベジャール・ガラ>1月20日(日)公演のキャストが、下記のとおり変更となりました。
「ドン・ジョヴァンニ」 "ヴァリエーション6"を踊る予定となっておりました吉岡美佳は、怪我のため出演することができなくなりました。代わって渡辺理恵が出演いたします。
また、全体のプログラム配役の関係から、「中国の不思議な役人」の"娘"が宮本祐宜から小笠原亮に、「ギリシャの踊り」の"二人の若者"が小笠原亮から宮本祐宜に変更となります。
何卒ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。



<ベジャール・ガラ> 1月20日(日) 3:00p.m.

「中国の不思議な役人」
娘:小笠原亮 (←宮本祐宜)

「ギリシャの踊り」
二人の若者:宮本祐宜-岡崎隼也 (←小笠原亮-岡崎隼也)

「ドン・ジョヴァンニ」
ヴァリエーション6:渡辺理恵 (←吉岡美佳)

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