2011年4月アーカイブ

色香のある男性的体躯をいかした雄々しくも優雅な身のこなしで、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)を代表する男性プリンシパルのひとりとして活躍してきたイアン・マッケイ。スコットランド人らしいシャイながらも気さくな人柄で、近年のコレーラ・カンパニーでの経験やBRBの魅力などを誠実に語ってくれた。


---- イアンさんは10年来、カンパニーを代表するダンサーのひとりとしてバレエ団を牽引して来られました。ただ一時的に08年の日本公演後、スペインのコレーラ・カンパニー(アンヘル・コレーラが芸術監督を務めるバレエ団)に移籍されていました。なぜ移籍を決意されたのか、またなぜBRBに戻って来ることにしたのか、簡単に教えてください。

11-04.26_01.jpg僕は英国ロイヤル・バレエ学校在籍時にデヴィッド・ビントリーに直接スカウトされてBRBに入団したんです。ですから、ダンサーとしては学生時代からずっとロイヤル系列の組織のなかで踊ってきたわけです。そんななか自分のキャリアが9年目を迎えたとき、少し外の世界が見たくなった。別にBRBでのキャリアに不満があったわけではありません。ただ自分が尊敬するダンサーのひとりであるアンヘルに声を掛けてもらったとき、ちょっと冒険してみたくなったんです。結果的にスペインで2年間、新しいダンサーと新しいレパートリーに挑戦できたことは僕の大きな財産となりました。ただ正直2年経つころには、BRBの創作環境が恋しくなってもいました。ビントリーという現役振付家のもと、毎年のように新作バレエの創造に立ちあえる。またピーター・ライト、フレデリック・アシュトンといったイギリスの誇る財産演目も踊れる。これは予算の限られたプライベート・カンパニーでは、決して叶わない贅沢です。




---- それでBRBに戻る決意をされたわけですね。

無計画な僕はBRBと「いついつに戻ります」という契約を結んでスペインに去ったわけではなかったので、一度、行き場がなくなってしまったんです。それでとりあえず欧州の主要カンパニーのオーディションを受け始めた。そうしたら運良くデヴィッドに「なんでオーディションなんか受けてるんだ、是非戻ってきてくれ」と声をかけていただきまして、現在にいたるわけです。こうしてBRBに戻ってこられて、僕はとても幸せものです(笑)。


---- 3年前の日本公演で踊られた『美女と野獣』をはじめ、あなたはいままでも『カルミナ・ブラーナ』『エドワード2世』『シンデレラ』『シェイクスピア・スイート』などビントリー作品の多くで主演なさってきました。自身のキャリアの突破口になったと思える、特に印象深いビントリー作品があれば教えてください。

00年にデヴィッドが『アーサー 第一部/第二部』という二つの新作バレエを作ったとき、主要プリンシパルがみな不運にも怪我に見舞われたんです。そのときデヴィッドは、まだ二十歳そこそこの若造であった僕を主役に指名してくれた。「ほかに踊れる奴はいない。だから君が踊れないと困る」といってね(笑)。その作品で実力を発揮できたことで、いまの僕のキャリアは確実に開かれたように思います。以後、ほとんどのビントリー作品で主役を踊らせてもらえるようになりましたから。なので『アーサー』は僕にとって、とても印象深い演目です。


---- あなたはキャリアの早い段階から「パートナーリングの巧さ」で高い評価を得てきました。

僕は背中や腰がダンサーにしてはまっすぐで堅いんで、体がパートナーリングに向いてるんです(笑)。まあそれは冗談ですが、確かに僕はかなり早い段階からパートナーリングを重視してきました。いつでもパ・ド・ドゥでは、相手方の女性がより美しくよりラクに見えるよう務めてきました。もちろん僕だって、英国ロイヤル・バレエ団のセルゲイ・ポルーニンやボリショイ・バレエ団のイワン・ワシーリエフのようにターンやジャンプができないかな、と願ったことはありました。でも結局、それは僕の得意分野ではないんです。その事実にここ数年気付いてからは、より一層自分の得意なことに集中していけるようになりました。


11-04.26_02.jpg---- 日本公演ではピーター・ライト振付『眠れる森の美女』と、フレデリック・アシュトン振付『ダフニスとクロエ』で主演なさいます。二演目の魅力について教えてください。

僕の思うもっとも美しい『眠れる森の美女』が、このライト版です。キャラクター・ロールとして登場するリラの精や、2幕終わりの『Awakening Pas de Deux (目覚めのパ・ド・ドゥ)』など、物語性を豊かにする工夫が随所に施されています。王子がキスをして、姫が目を覚まして、結婚する、という単純なお伽噺では見えて来ない男女の親密さが描かれているように思います。『ダフニスとクロエ』は、数年前のBRB初演時にアンソニー・ダウエルから直接指導を受けました。僕は物語バレエを踊ることが大好きなのですが、この演目ではあえてストーリーを伝えようと思わなくても、ステップを正確にこなすことで話がおのずと見えてくるんです。まさにアシュトンという天才振付家の面目躍如たる奥ゆかしくも美しい演目だと思います。


取材・文/岩城京子(演劇・舞踊ライター)

写真:【上】「眠れる森の美女」(王子)、【下】「ダフニスとクロエ」(ダフニス) (c)Bill Cooper


英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演の幕開けとなる鎌倉公演(5/14)まで
、ちょうど3週間。
現在、2つのグループに分かれてイギリス国内ツアーを行っている、BRBのダンサーたちから、日本公演に向けてメッセージが届きました。

まず、震災の日に公演プロモーションのため、日本に滞在していた佐久間奈緒、ツァオ・チーからのメッセージをお届けします。

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◆佐久間奈緒からのメッセージ

11-04.22_01.jpg3月11日、実は、私とパートナーの(ツァオ・)チーも、東京である雑誌のインタビューを受けていました。
地震が起こったそのとき、NBSの応接間で、一体どうしていいものかと恐怖のあまり取り乱していました。
しかし、ニュースで東日本に起こった災害を見たとき、ショックで呆然としてしまい、自分が感じた恐怖など何でもなかったと分かりました。

イギリスに帰って来た後も、その後のニュースを見るたびに胸がつまり涙が出て、仕事にも集中できない状態が続きました。
でも、被災された方々が強く頑張っていらっしゃる姿を見たとき、「私に出来ることは踊りで感動していただくこと、それしかない」と思い直しました。

こちらイギリスの人たちも、日本のこれからの復興を願っていますし、こういう大変なときでも一人一人が秩序を崩さないことに感動して賞賛しています。
私も、自分がその日本の国民の一人であることに大きな誇りを感じています。

5月の来日公演まで、あともう少しとなりました。
こういうときだからこそ、私たちの舞台で一人でも多くの日本の皆様方に感動や喜びを感じていただけたら、と思います。
皆様にお会いできることを心から楽しみにしています。
そして、被災された方々をはじめ日本の皆様が、一日も早く安心した生活が送れる日が来ることをお祈りいたしております。

佐久間奈緒



◆ツァオ・チーからのメッセージ

11-04.22_02.jpg日本のファンの皆様へ

まず初めに、被災されました皆さまに心からお見舞い申し上げます。

3月11日の大震災発生時、私は日本にいました。
そこで日本の皆様が、冷静さ、勇気を失わずに、
恐ろしい事態に立ち向かっている姿に大変驚かされました。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の日本公演まであと3週間となりましたが、
公演まで練習を重ねて、最高の舞台を日本の観客の皆様にお見せできればと思っています。

私に勇気の本当の意味について教えてくださり、ありがとうございます!

愛をこめて
ツァオ・チー



To all the fans in Japan,

Firstly, I want to send my best wishes to you all at this difficult time. I was in Japan on March 11th when the earthquake happened and I was amazed by how calm and brave the Japanese people remained whilst dealing with the terrible events that unfolded.

Three weeks to go until the Birmingham Royal Ballet Japan tour and I will continue to train my hardest to bring the best show I could possibly do to the Japanese audiences.

Thank you all for teaching me the true meaning of bravery!

Love Chi Cao



photo:引地信彦

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の日本公演開幕まで4週間となりました。
バーミンガムでは日本公演に向けて、着々と準備が進んでいます。

ライターの岩城京子さんが、3月上旬BRBを訪問し、日本公演を待ちわびているエリシャ・ウィリス、イアン・マッケイにインタビュー取材をしてくださいました。
2人のインタビューの前に、岩城さんの現地レポートをお届けします。


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徹底したプロ意識、地元の温かさ、民主的なレッスン
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 現地レポート

岩城京子(演劇・舞踊ライター)



首都ロンドンに次ぐ人口集中都市であり、イギリスの名古屋弁ともいわれるブラミー訛りの言葉をしゃべり、ジューダス・プリーストやブラック・サバスといった世界的ヘヴィメタバンドを輩出した街、バーミンガム。この「洗練」というより「個性的」という言葉のじつによく似合う英国ミッドランド地方の都市に、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)の本拠地ヒッポドローム劇場はある。この街は第二次世界大戦中に「バーミンガム・ブリッツ」と呼ばれるナチス軍による絨毯爆撃を受けたため、ほとんどの建物が戦後に再建されている。例外的にヒッポドロームはその爆撃の被害から逃れた建物のひとつだが、2001年に外装がモダンにリノベーションされた。

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バーミンガムの街並み

建物内には大小ふたつの劇場(席数1800人の大劇場と200人の小劇場)が収容されている。またそれだけでなく、BRBダンサーが必要とするほとんどの設備が含まれている。4つのレッスンスタジオ、事務オフィス、広報オフィス、トレーナー常駐の医療施設、衣装部、床山、照明部、小道具部、トゥシューズを管理するシューズルームまである。さらにこの施設におさまりきらない大量の衣裳に関しては、郊外に巨大倉庫を借りて、精密な温度調整のもと常時管理しているというから実にプロフェッショナリズムが徹底している。バレエ団に在籍する少数精鋭の56人のダンサーが、つねにベストコンディションで踊れるよう万端の体制でバックアップしているのだ。

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BRBの本拠地バーミンガム・ヒッポドローム 劇場の外観。

サー・ピーター・ライトが芸術監督職を辞した95年からは、現職のデヴィッド・ビントリーがバレエ団の総合指揮を執っている。彼はつねにカンパニーの新陳代謝が滞ることのないように務め、毎年のように自身振付の新作バレエを発表し、若く有望なダンサーを世界中からスカウトしてきている(現プリンシパルの多くは、ビントリー自らの推薦で入団している)。その努力の甲斐あって、97年までは経営母体を同じくしていた英国ロイヤルバレエ団とは、まったく異なる、小規模ながらも良質な現代バレエを創出するカンパニーとして世界に名をなすようになっていた。
そんなBRBの底力は、日々のじつに地道なレッスンにより培われている。

朝10時半。ガールズ・クラスとボーイズ・クラスが、別の教室で同時に始まる。筆者がガールズ・クラスの見学に向かうとき、前日取材したイアン・マッケイと廊下ですれ違うと「ハーイ、キョウコ」と挨拶を投げかけてくる。一度しか話していないのに、もう名前を覚えている。アットホームなカンパニーであることがこの一点からもうかがえて、なんだかホッとする。

11-04.19_05.jpgガールズ・クラスの参加者は全30人ほど。まだ十代とおぼしき若い女の子から、堂々たるゲストプリンシパルである吉田都さんまで、実に民主的に分けへだてなくバーにつきワーミングアップをこなしている。専属ピアニストが席につきバレエミストレスが現れると、プリエ、タンデュ、ディヴェロペ、ロンデジャンブ、と淡々とバー稽古がこなされていく。日課的な単純動作ながら、各々その日の自分の体と会話をしながらを稽古をしているのが見てとれる。たとえば都さんなら、この日は最初からトゥシューズを履いて入念にバランス感覚を確かめていた。あるいは09年にプリンシパルに昇進したばかりのナターシャ・オートレッドはジャンプの踏切の感覚を繰り返し確認していた。朝一番のレッスンは、個人のためのもの。こうしろああしろという堅苦しいルールや、他者間の競争はまったくない。ゆったりと体のチューニングを行い、午後のリハーサルにのぞむのだ。

稽古場のアップライトピアノからは、ときにとても英国的な「マイ・フェア・レディ」の楽曲が奏でられる。また稽古が終わるころには、ドア窓の外から地元の運動部男子たちが賑やかに稽古場を覗きこんでくる。英国の地方都市ならではの、気さくで、あたたかで、庶民的な雰囲気が毎日のレッスン風景に溢れている。この地元バーミンガムの堅実な支援にささえられて、現在BRBは世界的バレエ団としての地位を築いているのだ。


※下の写真は「真夏の夜の夢」リハーサル中の吉田都とセザール・モラレス


photo:岩城京子(バーミンガム)、アンジェラ加瀬(リハーサル)


4月13日に開幕いたしました、東京バレエ団「ラ・バヤデール」公演アンケートにお寄せいただきました、公演のご感想を紹介させていただきます。

※掲載許可をいただいたものよりご紹介いたします。

●4月17日の公演にご来場いただいた方の声

「無事に公演が行われたことに感謝しています。
 自分のことだけを考えている場合ではありませんが、
 正直公演中止も覚悟していました(少なくともゲストはなしかなと)。
 今回フォーゲルやサラファーノフが見られなかったのは残念でしたが、
 ゼレンスキーが来てくれて本当に嬉しかったです。
 若い頃と変わらずスプリンターのような軽やかなジャンプが健在で、
 「ああ、ゼレンスキーだ~」と思いましたし、
 年齢を重ねてソロルの苦悩や哀愁がより伝わってきました。
 身長差があるのに小出領子さんとのパートナーシップもよかったです」


「代演でゼレンスキーを呼んでいただいて、ありがとうございました。
 この時期に代演で来日してくれた2人には感謝で、温かい気持ちになりました。
 東京バレエ団の「ラ・バヤデール」は華やかでオリエンタルな雰囲気があり、
 とても楽しめました。
 ゼレンスキーのソロルが見れて嬉しかったです。
 どれだけ励まされたか、ということをぜひお伝えください」


「地震があり、いろいろな公演がなくなってしまったので、
 今回の公演があるのか、とても不安でした。
 ブログがアップされ、リハーサル中に地震があったけど、ケガがなかったとのこと。
 本当に幸いに思いました。
 そしてこのような状況の中、すばらしい舞台をつくりあげてくださって感動しました。
 小出さんを見られること、とても楽しみにしすぎて、
 舞台に出られたとたんに涙が出てしまいました。
 木村さんのお坊さん、気持ちがとても伝わり痛いくらいでした。
 皆さんが個人ではなく、その役になっていると感じ、お話の世界にひきこまれ、
 いつまでも見ていたいと思いました」

「公演実施には色々な意味でリスクもあったと思いますが、
 実現いただき、ありがとうございます。
 フォーゲルさん、サラファーノフさん共に来日できない状況で、
 期待の若手と偉大なベテランの起用は嬉しいサプライズでした。
 このような状況の日本に来てくれた二人には大感謝ですし、
 東京バレエ団だからこそ、芽生えた縁なのだろうと思います。
 昨日も本日も素晴らしい舞台だったと思います」


「サラファーノフのケガ降板は残念でしたが、
 ゼレンスキーの重心の高い高いジャンプは見応えがありすばらしかったです。
 小出さんの清涼な個性とゼレンスキーのノーブルさがよく合い、
 求心力のある舞台でした。
(ゼレンスキーのやわらかさ、パートナーリングの巧さはさすが)
 2幕の群舞は鎮魂の舞に見えてしまい、涙が出ました。
 海外のアーティストの来日中止がある中で、来てくださって感謝です」


「このような時に来日してくれたゼレンスキーとゴールディングに感謝です。
 久々にゼレンスキーの踊りを見ましたが、ジャンプの美しさといい、
 あれだけの身長差がある小出さんのサポートといい、とても素晴らしかったです。
 小出さんのニキヤも情感たっぷりでステキでした。
 木村さんの大僧正も思いがよく伝わってきました。
 コール・ドも素晴らしく、とてもスバラシイ公演でした。
 このような時に来日してくださるアーティストを大切にしてください」


「この大変な時期に無事に立派な公演を実現してくれただけではなく、
 すばらしいゲスト・ダンサーの代役を立ててくださった皆様の努力に
 深く感謝したいと思います。
 つらい毎日だからこそ芸術によって人は魂を救われるのだと思います。
 影の王国のコール・ドがとても揃っていて美しくて思わず息を呑みました。
 若々しくテクニックにすぐれ、パートナーリングも上手なマシュー・ゴールディングは
 またゲストやガラで呼んで欲しいです。
 べテランらしい心を打つ演技、美しくこれぞロシア・バレエという優美さの
 ゼレンスキーも素晴らしかった。全体的に大満足です」

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●4月16日の公演にご来場いただいた方の声

「1年半前の初演を鑑賞してすぐに再演して欲しいと思いましたが、
 こんなに早く実現するとは大変嬉しく思いました。
 しかし、相次ぐ舞台公演の中止の中、本公演も中止にならないか心配しましたが、
 こんなにも素晴らしい舞台公演が行われたことに感激いたしました。
 主役の上野水香さんやゲスト・ダンサーのマシュー・ゴールディングさんはもちろん、
 コール・ド・バレエの一人ひとりの丁寧な舞台作りが大変心に残りました」


「思わぬアクシデントから、日本で見たことのない若くて、
 本当に優秀な(今が旬!ですね)マシュー・ゴールディングさんの舞台を
 観ることができて嬉しく思います。すばらしくいいダンサーですね!
 上野水香さんのニキヤは初演初日に続く2回目でした。
 初演のときも強く印象づけられましたが、
 ニキヤ登場の後に踊られるソロ終盤でのアティチュード・ドゥヴァンの
 脚の見事な高さ、美しさは今日もとてもよかったです」


「とてもきれいな演目が見られたけど、ちょっと悲しいおはなしでした」


「東日本大震災の後、ダンサーの方々、主催される立場の方々、
 会場設営に携わる方々等、上演について心が落ち着く日はなかったことと思います。
 そんな中、全力で舞台を成功に導いてくださり、本当に感謝申し上げます。
 会場が一体となったすばらしい舞台でした」


「フリーデマン・フォーゲルの踊りを観られなかったのは、とても残念でしたが、
 この大変な状況の中、来日してくれてすばらしい踊りを観せてくれた
 マシュー・ゴールディングに大変喜びと感謝の気持ちで一杯です。
 今回初めて彼の踊りを観ましたが、とても美しい足先や軽やかなジャンプ、
 安定したターン等、とても素敵でした。
 今後もまた来日してくださることを強く願います。
 また今回まだ余震の続くなか、劇場に足を運ぶことに少し不安を感じていましたが、
 上演中はそんな不安も忘れてしまうほど、集中してしまいました。


「震災で直接被災したわけではないのに、なんとなく心が沈んでいたので、
 美しいものをみて、心がやわらかくなった気がしました。
 娘の発表会の舞台しか見たことがなかったのですが、
 生の演奏と演技はすばらしいと思いました。
 ストーリーも知らずに見たのですが、とても感激しました。
 また公演に足を運びたくなりました」


「当日AMにやや強いゆれがあったので、心配しながら出かけました。
 フォーゲルさんではなく残念だけれど、
 ゴールディングさんはどんな方なのか楽しみでもありました。
 本当に一言、素晴らしかったです。
 しなやかな踊りと曲はピッタリ合い、ぶれることなく、すくっと立たれ、
 上野さんとのバランスもすばらしく、ずっとステージに引き込まれてしまいました。
 ありがとうございました」

「このような状況の中、急遽出演を了承してくださり、余震が続く中リハーサルし、
 素晴らしい踊りを見せてくれたマシューに感謝、感激です。
 しなやかで美しく、エネルギッシュなとても素敵なダンサーだと思いました。
 (上野)水香さんも(田中)結子さんも松下さんも、
 他のソリストやコール・ドの皆さんも初演よりさらに磨きがかかり、
 とても見ごたえのある素晴らしい舞台でした。
 暗いニュースと余震が続く毎日ですが、今日は本当に心が洗われました。
 ありがとうございました!」

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●4月14日の公演にご来場いただいた方の声

「未曾有の危機の中、今回の公演を観に来られる、バレエを愛し、
 みなさんを愛し、バレエ団を愛し、
 そしてなにより、文化と芸術を愛する人々とともに時間を過ごしてみたく、
 足を運びました。
 今後、文化芸術には大変厳しい時期が続くでしょうが、
 皆さんの存在意義を、今回の観客の拍手と喝采から、
 ぜひ再認識していただけたら幸いです」


「ゼレンスキーは東京バレエ団にも出演してほしいとずっと思っていたので、
 今回意外な経緯で実現して、本当に嬉しいです。
 さすがの貫禄を感じました。
 それでいて、踊りは充分若々しさを保っていて、見ごたえありました。
 昨日のマシュー・ゴールディングとはまた違った、
 ベテランならではの味を感じました(マシュー君も素敵でした)。
 2人とも日本がこういう状態の時に来て、見事な演技を披露してくれて、
 バレエファン"冥利"に尽きます。
 そして、東京バレエ団の方々のまとまりある
 一体感を感じさせる舞台作りも素晴らしかった。
 小出さんのニキヤの柔らかな表情、純真な乙女らしさが胸を打ちました」


「このような状況の中、幕をあけていただいてありがとうございます。
 ソロル役のダンサーが2人とも降板と言う中で、
 その代役にすばらしいダンサーを連れてきていただき、ありがとうございました」


「公演中地震が起きないことに感謝。
 電力が獲得できたことに感謝。
 電車が動いたことに感謝。
 道具類、衣裳類が無事であることに感謝。
 こんな状況であるのにゴールディングとゼレンスキーが来てくれたことに感謝。
 初演時も全日通ったが、さらに洗練され、内容が深まったことが実感できたことに感謝。
 小出さんのニキヤデビューに立ち会えたことに感謝。
 主役からコールドにいたるまで、完成度の高い素晴らしい舞台です。
 大好きな東京バレエ団の公演を見られる幸せを、
 こんな状況の時だからこそ、かみ締めています」

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●4月13日の公演にご来場いただいた方の声

「今日、観に来られて、夢のようなひとときを過ごし、感謝しています。
 この大震災の時に、心癒され、洗われ、元気をいただいた気持ちです。
 特に、マシュー・ゴールディングさんの素晴らしい踊りに感激しました。
 未だに続く地震や原発の不安もある中で、急遽日本に来てくださり、
 私たちにまた希望を与えてくれたことを感謝いたします。
 本当に良い時間を共に過ごすことができて幸せな夜でした。ありがとうございました」


「ダンサーの皆さんの熱演に感謝します。
 高い集中度で密度の濃い、素晴らしい舞台でした!
 マシュー・ゴールディングさんは、踊りだけでなく演技力も素晴らしく、
 東京バレエ団と初共演とは思えないほどの一体感がありました。
 これから注目のダンサーですね。
 上野水香さん、田中結子さん共、感情の細やかな演技と見事なテクニックの踊りで、
 それぞれの新しい魅力が満開でした。
 そして、コール・ド・バレエの素晴らしさに、改めて感動しました!
 ありがとうございました」


「初演のときに見て、完成度が高かったので、
 ぜひまた見たいと思って楽しみにしていました。
 ソロル役のフォーゲル、サラファーノフが降板しても、
 期待の新人と大ベテランを代役に当てるとは、凄いですね。
 ゴールディングはなかなかです。
 大地震以後、公演のキャンセルが多かったので、
 久しぶりのバレエ公演を見られて良かったです」


「ソロルがすばらしい、知らないダンサーだったが、本当によかった。
 役にぴったりマッチしている。ラインが美しい。
 影の王国の群舞が素晴らしかった。
 初演を見ることができなかったが、今回見ることができてよかった」


「3月11日以降、落ち着かない日常の中、
 公演を実現してくださったNBS、東京バレエ団に感謝します。
 当初発表のキャストとは大分変わりましたが、
 逆に放射能騒ぎのある中で、日本に来て実力を披露してくださった
 ゲスト・ダンサー、マシュー・ゴールディング氏に感謝と敬意を表します。
 長身で上野水香さんとの息の合ったいい舞台を創り上げてくださり、
 ありがとうございました」


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photo:Kiyonori Hasegawa


11-04.16_malakhov.jpg大震災以来、私の想いと心からの気持ちは、勇気ある日本の人々と共にあります。

日本は、私の人生の大半において、私を温かく迎えてくださった国であり、多くの親しい友人や真のファンがいる国です。
そして、あなた方の美しい国にいる時はいつも、東京バレエ団とNBSが私にとって"我が家"なのです。

そして、この数週間で起こった恐ろしい出来事を思うたび、私は日本のために祈り、最も悪い時期はすでに終わったということを願っています。

私はまた、日本がこの痛ましい災害から、より強く、かつてよりもさらに美しい国として立ち上がるだろうということを確信しています。


ウラジーミル・マラーホフ




My thoughts and my deepest feelings are with the brave
and courageous people of Japan these days.

Japan is a country that very warmly welcomed me throughout most of my life,
a country where I have many close friends and many true fans.
Tokyo Ballet and NBS/Japan Performing Arts Foundation are "my home"
whenever I am in your beautiful country.

And when I think of the horrible events of these past weeks -
I pray for Japan and I hope that the worst is already behind.

I am also confident that Japan will emerge from this tragedy even stronger
and more beautiful than ever.


Vladimir Malakhov

※放送日を間違えてお伝えしてしまいました。正しくは4月30日(土)です。お詫びして、訂正いたします。


シルヴィ・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ、アクラム・カーンらが出演し、4月6日にパリのシャンゼリゼ劇場で開催された、東日本大震災チャリティ公演"Soirée pour le Japon"の模様が、NHK BSプレミアムで放送されます。


■NHK BS プレミアムシアター

・放送日:4月30日(土) 午後11時30分~午前3時30分
・放送局:NHK BSプレミアム


※詳細は、番組ホームページでご確認ください。

▽BSプレミアムシアター
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/



東京バレエ団「ラ・バヤデール」は、全4公演を盛況のうちに無事終了いたしました。
ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。

この公演では、ロビーに東日本大震災への義援金箱を設置させていただき、お客様からの義援金をお預かりいたしました。
4公演でご協力いただいた義援金総額は、594,131円となりました。
皆さまのあたたかいお気持ちが込められたこの義援金は、日本赤十字社を通じて、被災地にお届けいたします。
ご協力、本当にありがとうございました。

NBSでは、5月17日(水)の英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団追加公演をチャリティ公演として実施するのをはじめ、公演会場での募金箱の設置などを通じ、今後も東日本大震災の復興に支援のために微力ながら協力してまいります。
引き続き、皆さまのあたたかいご支援、ご協力をお願い申し上げます。



今回の公演では、高岸直樹、吉岡美佳、井脇幸江、上野水香ほか、東京バレエ団ダンサーたちも募金活動を行い、皆さまからの募金をお預かりいたしました。

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4月14日の休憩中には、ソロル役でゲスト出演したマシュー・ゴールディングも募金活動に飛び入り参加。高岸直樹、吉岡美佳、井脇幸江、西村真由美とともに、募金をしてくださった皆さまに感謝の気持ちを伝えていました。

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4月17日には、前日ニキヤを踊り終えたばかりの上野水香も高岸、西村、奈良春夏とともに募金活動を。日曜日だったこともあり、たくさんのバレエ少女たちからのサインや記念写真の希望に応えていました。


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4月17日の2回目の休憩。高橋竜太、氷室友、長瀬直義、小笠原亮は、第1幕の出演を終えると急いでメイクを落としロビーへ。氷室、長瀬は連日2回目の休憩中に募金活動を行いました。

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」



振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):小出領子
ソロル(戦士):イーゴリ・ゼレンスキー
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 木村和夫
ラジャ(国王):柄本武尊
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):松下裕次
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:森川茉央
ブロンズ像:宮本祐宜


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):西村真由美、乾友子
パ・ダクシオン:
佐伯知香、森志織、村上美香、河合眞里
高木綾、吉川留衣、矢島まい、川島麻実子
長瀬直義、宮本祐宜


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):乾友子


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆上演時間◆

【第1幕】 15:00 ― 16:05
休憩 20分
【第2幕】 16:25 ― 17:05
休憩 20分
【第3幕】 17:25 ― 17:45

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」



振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):上野水香
ソロル(戦士):マシュー・ゴールディング
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:松下裕次


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、岸本夏未、阪井麻美、大塚怜衣
西村真由美、乾友子、小川ふみ、二階堂由依
柄本弾、森川茉央


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

※本公演にガムザッティ役で出演が予定されていた奈良春夏は、左足の骨膜炎のため出演できなくなりました。代わって田中結子がガムザッティ役を演じます。何卒ご了承下さい。

◆上演時間◆

【第1幕】 15:00 ― 16:05
休憩 20分
【第2幕】 16:25 ― 17:05
休憩 20分
【第3幕】 17:25 ― 17:45

11-04.15_01.jpg親愛なる友人、日本のみなさま

どんな言葉も、どんな行動も、このすさまじい悲劇で愛しい存在を失った人々を癒し、支えるのに十分な力を持たないのです。
どんな人間も、これほどの自然の猛威に対する武装をしてはいないのです。
こんなに理不尽な出来事を経験したばかりの私たちは、どのように生きれば良いのでしょうか?どうしたらこの状況を信じられるというのでしょうか?
かつてあなたがたが数々の試練を乗り越えたときと同様に、日本のみなさんの高潔さと冷静さは今ふたたび人々の模範となっています。
あなたがたの周りにある力のすべてが、あなたがたへ私たちが送るありったけの愛が、復興への勇気と希望をもたらすことを願っています。

心からあなたがたのことを想っています。

私の愛のすべてをこめて。私はあなたがたと一つです。

マニュエル・ルグリ





Chers amis Japonais,

Aucun mot , aucune action n'est assez forte pour soulager ou aider ceux qui ont perdu des êtres chers dans cette terrible tragédie.
Personne n'est armé pour affronter un tel acharnement de la nature.
Comment vivre, comment croire aux choses justes après une telle injustice?
Comme dans les épreuves que vous avez eues a surmonter par le passé votre dignité et votre sang froid a été une nouvelle fois un example .

Que toutes les forces autour de vous et que tout l'amour que l'on puisse vous apportez vous donne le courage de reconstruire votre pays et de garder l'espoir.

Je pense a vous de tout mon coeur

Avec tout mon amour et ma solidarité

Manuel Legris


 5月に日本公演を予定しておりましたウィーン・クラシックスは、東日本大震災による影響を憂慮し、来日を断念いたしました。よって、予定しておりました5月11日(水)の東京・オペラシティ コンサートホールでの演奏会を中止いたします。公演を楽しみにお待ちいただいておりました皆様には、心よりお詫び申し上げます。
 チケットをご購入いただきました方には、チケット代金の払い戻しをさせていただきまので、下記の払い戻し方法をご確認の上、お手続きをお願いいたします。
 皆様には、お手数をおかけいたしますが、何卒ご理解のうえ、ご協力賜りますよう、お願い申し上げます


【中止公演】 ウィーン・クラシックス
●公演日:5月11日(水) 19:00開演
●会場:東京・オペラシティ コンサートホール



なお、下記の全国公演につきましては、各主催者にお問合せ下さい。

●5月14日(土) 北上市さくらホール 0197-61-3500 >>>HP
●5月15日(日) ザ・シンフォニーホール 06-6231-2221 >>>HP
●5月17日(火) 福井 ハーモニーホールふくい 0776-38-8282 >>>HP
●5月20日(金) 福岡シンフォニーホール 092-725-9112 >>>HP



チケット払い戻し方法

払い戻し方法はご購入先によって異なりますので、ご購入先の手続き方法をご確認ください。


◆NBSチケットセンターでご購入のお客様 
 【払戻受付期間】~ 5月31日(土)

○本日4月15日、NBSチケットセンターより、払い戻し手続きの詳細、「チケット払い戻し受付用紙」を発送いたしました。そちらをご確認のうえ、お手続きください。

【お問合わせ】NBSチケットセンター TEL03-3791-8888


◆NBS WEBチケットでご購入のお客様

【払戻受付期間】~5月31日(火)

○下記の「チケット払い戻し受付用紙」をダウンロードしていただき、必要事項をご記入の上、「公演チケット本券」を同封して、NBSチケットセンターまでお送りください。

pdficon_small.gifウィーン・クラシックス チケット代金払い戻し受付用紙


【送付先】
〒153-0063 東京都目黒区目黒4-26-4
(財)日本舞台芸術振興会 「ウィーン・クラシックス払い戻し」係

※ダウンロードができない方は、こちらからメールにてご連絡ください。「チケット払い戻し受付用紙」を郵送いたします。

○発券がお済みでない方は、5月10日までに発券してください。
○ご返金は銀行振込のみとさせていただきます。
○ご指定の口座に、チケット券面表記の金額をお振込みさせていただきます。
○ご返金させていただくのは、チケット券面に表記されている金額となります。チケット購入時の各種手数料等は返金できませんのでご了承ください。
○恐縮ではございますが、チケット返送の郵送料についてはお客様負担、返金時の銀行振込手数料については当財団負担とさせていただきます。 



※プレイガイドでチケットをご購入されたお客様は、各社ごとに払戻受付期間、払い戻し手続きが異なりますので、お手数ですが、下記の各プレイガイドの対応をご確認ください。


◆イープラスでご購入のお客様
【払戻受付期間】4月22日(金) ~5月31日(火)
【詳細(PC)】 http://eplus.jp/refund1/


◆チケットぴあでご購入のお客様
【払戻受付期間】4月22日(金) ~5月31日(火)
【お問い合わせ】チケットぴあインフォメーション TEL0570-02-9111(10:00~18:00)
【詳細】http://t.pia.jp/guide/refund.html


◆ローソンチケットでご購入のお客様
【払戻受付期間】4月18日(月) ~5月31日(火)
【お問合わせ】 ローソンチケット TEL0570-000-777(10:00~20:00)


◆CNプレイガイドでご購入のお客様
【払戻受付期間】4月16日(土) ~5月31日(火)
【お問合わせ】CNプレイガイド TEL0570-08-9990(10:00~18:00)


◆東京オペラシティチケットサービスでご購入のお客様
【払戻受付期間】4月15日(金) ~5月31日(火)
【お問合わせ】東京オペラシティチケットサービス TEL03-5353-9999

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の3年ぶりとなる日本公演まで1ヶ月。
芸術監督のデヴィッド・ビントリーより、公演プログラム用のメッセージが届きました。
3月11日の大地震を体験したビントリーの力強いメッセージを、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の来日を心待ちにしてくださっている、日本の観客の皆様に一足早くご紹介いたします。


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11-04.14Bintley_photo_Steve Hanson.jpg 3月11日午後、私は新国立劇場バレエ団のダンサーに、私自身の振付であり、次の土曜に初演を予定していたバレエ団の新作「テイク・ファイヴ」のリハーサルを行っていました。その日に起こったすさまじい地震と津波、そして日本人の置かれた痛ましいまでの惨状は、全世界にまたたく間に知れ渡りました。音楽、歌、そしてダンスは歓喜と幸福感を魂に呼び起こすものだけに、それは不適切に思われ、日本人が自分たちを襲った悲劇の大きさを把握しはじめるにつれ、新国立劇場そして東京のほとんどの劇場がその扉を閉ざしたのでした。

 その2ヶ月後、勇気と冷静さをもって未来に立ち向かい、世界の賞賛を集めた日本とともに、この偉大な国の文化的、精神的な癒しとして、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエを率いて日本公演を行うことができることを、私は誇りに思います。ピーター・ライトの古典作品である「眠れる森の美女」、フレデリック・アシュトンの温かみある傑作「真夏の夜の夢」と「ダフニスとクロエ」の公演が、日本の観客の皆さまに喜びと希望をもたらし、皆さまが現在直面される困難からの、ひとときの休息を与えてくれることを願って止みません。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ 芸術監督 
デヴィッド・ビントリー




   On the afternoon of 11 March 2011, I was rehearsing the dancers of the National Ballet of Japan in my ballet Take Five, part of the Company's latest programme, due to premiere the following Saturday. The devastating earthquake and tsunami that occurred that day and the resulting tragic plight of the Japanese people echoed around the world. Music, singing and dancing, which can so often bring joy and happiness to the spirit seemed inappropriate, and the New National along with most theatres in Tokyo closed its doors as the people of Japan began to count the cost of the tragedy visited upon them.


   Two months later with Japan facing its future with a bravery and stoicism that has become the admiration of the world, I am proud to be bringing Birmingham Royal Ballet to Japan as part of the cultural and spiritual healing of this great nation. We hope that our performances of Sir Peter Wright's classic production of The Sleeping Beauty and Sir Frederick Ashton's warm and wonderful masterpieces, The Dream and Daphnis and Chloe will bring joy and light to our Japanese audiences and provide them with some respite from their current difficulties.


David Bintley, Director, Birmingham Royal Ballet



photo:Steve Hanson

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」



振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):小出領子
ソロル(戦士):イーゴリ・ゼレンスキー
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 柄本武尊
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):松下裕次
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:井上良太


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):西村真由美、乾友子
パ・ダクシオン:
佐伯知香、森志織、村上美香、河合眞里
高木綾、吉川留衣、矢島まい、川島麻実子
長瀬直義、宮本祐宜


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):乾友子


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆上演時間◆

【第1幕】 18:30 ― 19:35
休憩 20分
【第2幕】 19:55 ― 20:35
休憩 20分
【第3幕】 20:55 ― 21:15

本日(4/14)10時より、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の追加公演 WEB先行抽選予約の受付を開始いたします。
今回は、全席種をお申込みいただけますので、一斉発売に先駆けて実施する先行抽選予約をご利用ください。
お申込みの際には、NBS WEBチケット会員の登録が必要となりますので、トップページの左上部「会員登録」から登録をお願いいたします。

なお、本公演は東北関東大震災 被災地復興支援のチャリティー公演として実施し、収益の一部を震災への義援金として、日本赤十字社を通じて被災地にお届けします。また、公演会場には、募金箱を設置させていただきます。



◇公演概要◇--------------------------------------------------------

【追加公演日程】5月17日(火)6:30p.m.

【会場】ゆうぽうとホール

【入場料(税込)】S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 C=¥10,000 D=¥8,000

【出演者】
「真夏の夜の夢」 
  タイターニア:吉田都、オベロン:セザール・モラレス
「ダフニスとクロエ」 
  クロエ:ナターシャ・オートレッド、ダフニス:ジェイミー・ボンド


◇先行抽選予約受付方法◇--------------------------------------------

■お申込み期間: 4月14日(木)10:00〜4月19日(火)18:00

■お取扱席種:S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 C=¥10,000 D=¥8,000
 ※B〜D券は発売枚数が少なく、ご希望に添えない場合がございます。
  あらかじめご了承いただきますよう、お願いいたします。

■受付枚数:4枚まで *第1希望〜第2希望までご入力いただけます。

■抽選結果発表: 4月21日(木)予定
*抽選結果については、抽選日に登録済のメールアドレス宛てにご連絡いたします。
 会員マイページでも抽選結果の確認が可能です。


<注意事項>
*先行抽選予約」は先着順ではありません。
 受付期間にお申し込みいただいた中からコンピューター抽選にてお席を決めさせていただきます。
 お席のご指定はいただけません。
*支払い方法は、クレジットカード決済とセブン-イレブン決済をご利用いただけます。
  ・クレジットカード決済をお選びいただいた方は当選と同時に決済されます。
   キャンセル・変更はできませんのでご注意ください。
  ・セブン-イレブン決済をお選びの方は期限までにお支払いください。
   お支払が確認できた時点で予約確定となります。
   期限までにお支払いがない場合、当選は無効となります。



 4月12日に発表された、文化庁長官 近藤誠一氏のメッセージをここにご紹介いたします。
 このメッセージは、東日本大震災の発生後、施設の破損、計画停電、外国人出演者のキャンセル等のほか事業者の自粛により、被災地以外においても、お祭り等の地域の行事や文化芸術関係の催しが中止、延期となるケースが増加していることを受けてのものです。
 文化芸術は、人の心に癒しや希望を与え,震災復興にも貢献できるものであることから、被災された方々の心情や電力事情等を十分踏まえながら、文化芸術活動を積極的に行うことにより、今後の復興を支えていただきたい旨、文化庁長官から呼びかけたものです。


当面の文化芸術活動について

 このたびの東日本大震災によって亡くなられた方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げると共に、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。被災地においては、今なお行方不明の方々の捜索が続き、不安かつご不自由な生活を余儀なくされている方々が多数いらっしゃることには胸が痛むばかりです。

 こうした中で、余震の恐れや計画停電、事業の自粛などにより、被災地以外の地域においても伝統的な行事や文化芸術活動が縮小されるなどの動きがあると承知しております。文化芸術は本来、私たちの心に安らぎと力を与え、地域の絆を強め、明日への希望を与えてくれるものであり、その縮小は経済社会全体の活力にとって好ましいものではありません。全国各地の活発な文化芸術活動によって国民ひとりひとりが活力を取り戻すことが、日本全体の元気を復活させるために必要なことであり、被災された方々に対する一層の支援につながるものと考えます。こうした動きはまた、復興に向けた力強い日本の姿を国際的に印象づけることにもなりましょう。

 被災地では様々な生活支援事業に加え、既に各地で文化芸術を通して被災された方々を慰め、勇気づける自主的な取組みが見られることに意を強くしています。文化芸術は、復興への歩みを進める方々の心の滋養になることを過去の経験が物語っているからです。また大震災直後から国の内外で文化芸術分野におけるチャリティーの催しが数多く行われ、それらを通じて皆様が心を一つにして支援の動きを強めておられるのを目の当たりにしております。海外のアーティストによる支援活動も広がっており、芸術家の国境を越えた連帯と、文化芸術のもつ力を再認識しました。

 文化庁は、従来の文化芸術振興策を積極的に推進すると共に、被災地の復興と歩調を合わせながら、現地での文化芸術活動への支援など、被災された方々を勇気づける取組みにも意を用いて参ります。

 今後、被災された方々に心を寄せつつ、電力事情、安全性等を十分踏まえながら、それぞれのお立場で、文化を創造しあるいは親しむ活動を積極的に行うことにより、日本の力強い復興を支えてくださいますようお願い申し上げます。

平成23年4月12日
文化庁長官 近藤誠一

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」



振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):上野水香
ソロル(戦士):マシュー・ゴールディング
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:松下裕次


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、佐伯知香、岸本夏未、阪井麻美
西村真由美、乾友子、高木綾、渡辺理恵
柄本弾、柄本武尊


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

※本公演にガムザッティ役で出演が予定されていた奈良春夏は、左足の骨膜炎のため出演できなくなりました。代わって田中結子がガムザッティ役を演じます。何卒ご了承下さい。

◆上演時間◆

【第1幕】 18:30 ― 19:35
休憩 20分
【第2幕】 19:55 ― 20:35
休憩 20分
【第3幕】 20:55 ― 21:15

東京バレエ団「ラ・バヤデール」にソロル役でゲスト出演する、イーゴリ・ゼレンスキー、マシュー・ゴールディングからのコメントをお届けします。
「ラ・バヤデール」はいよいよ明日初日。ゼレンスキー、ゴールディン、東京バレエ団のスタッフとキャストが想いをひとつになってお届けする舞台にご期待ください。


イーゴリ・ゼレンスキー

 今回のお話をいただいたとき、スケジュールが詰まっていたこともあり、最初は少し悩んだのですが、結局お受けすることにしました。強いて理由をあげるとすれば、これも何かの縁なのではないかと思ったのです。(東京バレエ団総監督の)佐々木さんとは、ずっとお仕事をさせていただきたいと思っていたのですが、なかなか機会がなく、今回ようやく実現しました。
 ニキヤの小出領子さんの印象をお話しすることは、まだできません。リハーサルでは全てを出すわけではないですから。私はこれまで何度も「ラ・バヤデール」を踊ってきて作品をよく知っていますし、芸術監督という役職柄、ダンサーのこともよくわかっています。今、言えるのは、領子は非常にプロフェッショナルなダンサーであり、 "本番では全てがうまくいくだろう"ということだけです
 今回、日本に久しぶりに帰ってくることができてとても幸せです。そして日本で舞台に立てることを本当に嬉しく思っています。



マシュー・ゴールディング

 日本が今大変な状況だということはもちろんわかっていました。しかし、日本の舞台で踊れることはよいチャンスだと思いましたし、こうした状況だからこそ経験すべきだと考え、来日することを決めました。
 日本に来るのも、東京バレエ団と共演するのも今回がはじめてですが、相手役の上野水香さんはとても素晴らしいダンサーですし、オランダ国立バレエ団で「ラ・バヤデール」のソロルを踊ったときに指導してくださった、オルガ(・エヴレイノフ)さんがいらっしゃるので、とても心強く思っています。
 日本の観客の皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

7月の<マニュエル・ルグリの新しき世界>、8月の<ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち>の公演情報ページを公開いたしました。


マニュエル・ルグリ×東京バレエ団  マニュエル・ルグリの新しき世界II Aプロ

 >>> http://www.nbs.or.jp/stages/1107_legris_a/index.html


マニュエル・ルグリの新しき世界II Bプロ

 >>> http://www.nbs.or.jp/stages/1107_legris_b/index.html


ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち

 >>> http://www.nbs.or.jp/stages/1108_nicolas/index.html




怪我のため、やむなく東京バレエ団「ラ・バヤデール」を降板したレオニード・サラファーノフから日本の観客の皆さまへのメッセージが届きました。
サラファーノフは左膝と左脛に激痛を覚え、診察を受けた結果、左膝蓋腱の腱骨膜障害および左膝関節の外側側副靱帯の部分的損傷と診断され、3週間の安静と松葉杖の使用を勧められたとのことです。日本を、そして日本のファンの皆さまのことを心から案じてくれているサラファーノフの一日も早い快癒を祈っております。


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親愛なるファンの皆さま、観客の皆さま

皆さまのために14日、17日の公演に出演することができず、心から残念に思っています。
日本を訪れ踊ることで、(私の舞台が)皆さまが今直面している困難をひと時でも忘れられるような機会となれば、と願っていたのですが。
私の心と想いは皆さまと共にあります。日々のニュースを、大変心を痛めながら、しかし同時に皆さまが模範的かつ称賛に値するような品位を保ってこの危機に対処されていることを誇らしく感じながら、注意深く見守っています。

どうか、日本に行き、皆さまのために舞台に立つことができないことをお許しください。
私にとって、東京を訪れ、観客の皆さまと心をひとつにする機会をもつことは、いつも大きな喜びです。今回それが叶わないことを、心から、非常に残念に思っています。また遠からず日本を訪れ、皆さまのために踊れることを楽しみにしています。
今はただ、心をこめて、皆さまに私の愛を送ります。
心をこめて
レオニード




Dear Fans; Dear Audience,

I deeply regret that I cannot perform for you on the 14th and the 17th. I wish I could come and perform, and give you a chance to briefly forget about what you are going through. My heart and thoughts are with you. I follow the news with great worry, but also great pride in the way you are dealing with this crisis, with exemplary and commendable dignity.

Please accept my apologies for not being able to be there and perform for you.
It is always a pleasure for me to come to Tokyo and get a chance to connect with you. I am truly very sorry that I cannot this time. I look forward to coming there and performing for you again soon. For now, I send you my love, and wish you all the best.

Yours sincerely,
Leonid

中断しておりました英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団主演ダンサーインタビュー連載を再開いたします。
2回目は、「眠れる森の美女」のオーロラ姫、「真夏の夜の夢」のタイターニアで主演する佐久間奈緒。日本での公演を彼女自身もとても楽しみにしてくれています。

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11-04.08Sakuma01.jpg 「褒められても『もっとできると良かった』『次はこうしたい』と答えるので、いつも周囲から『ナオは満足しない』と言われます(笑)。昨日より今日、今日より明日と考えていて、終わりがない。そこが面白いんです」
 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)で02年にプリンシパルに昇進し、来年で10年。英国では観客のみならず専門家筋からも高い評価を受けている佐久間だが、その姿勢は意外なほど謙虚だった。
「まだまだ磨かなければならない部分がたくさんあります。その一方、以前は重点的に稽古して組み立てていた演技面ではここ3〜4年、自然に感情が湧いてくるようになって。最近は振り・動き・カウントをメインに稽古し、あとは本番で生まれる魔法のようなものを、思いきり楽しんでいます。日本と英国の滞在年数がほぼ同じになったのですが、英国では意思表示がはっきりしていてストレートですから、日常生活も舞台での表現に生きているのかもしれません(笑)」

 そんな彼女にとって、BRB来日公演で披露する2作品の一つ、フレデリック・アシュトン振付『真夏の夜の夢』は大いに演じ甲斐のある作品だという。
「コメディーありラブストーリーありで演劇的要素が強く、陽気な作品です。最初に踊ったのは2年ほど前。オリジナル・キャストのアントワネット・シブレーさんとアンソニー・ダウエルさんに直接、ご指導いただきました。アシュトンの動きはとても特徴的。私が踊るのは妖精の女王タイターニアなので、脚さばきは素早く、それでいて地に足がついていないかのような軽やかさを出さなければならない難しさがあります」
 今や世界中で上演されているアシュトン作品だが、英国のダンサーが踊るのを観て「さすがお家芸」と感心することはやはり多い。秘訣は何だろうか?
「普段のクラスでアシュトンそのものをやるわけではないんですが、速い動きのパなどが多く入っているので、間接的に練習になっているのかもしれません。彼の作品はBRBでもたくさんレパートリーに入っていますし、自分が踊る機会も他のダンサーが踊るのを観る機会も多いんです。英国が生んだアシュトン・スタイルを、この機にしっかりとお見せしたいですね!」

11-04.08Sakuma02.jpg 日本公演でのもう1つの演目は『眠れる森の美女』。BRBの前芸術監督ピーター・ライトによる改訂版だ。
「03年に初めて踊った時、ピーター・ライトさんから、テクニックは良いと言っていただいたのですが、同時にそこにこだわり過ぎないようにと注意を受けて。1幕ではオーロラの16歳の誕生日の高揚感や輝きを、2幕では幻想なので王子とも目を合わさず独特の雰囲気を、3幕では格式高いロイヤル・ウェディングで女性として成長した姿を......と、幕毎に異なるオーロラの色合いを出して踊るよう、心がけています」
 また、2幕の終わりには、通常のバージョンにはないパ・ド・ドゥがある点にも注目したい。
「王子がオーロラを起こしたあと、相手の目を見ながらお互いに寄り添うような感じで、7分間のパ・ド・ドゥを踊るんです。結婚式の前に二人が愛を育むさまが伝わる、とても素敵なパ・ド・ドゥなんですよ」

 さて、この日本公演の2作品両方で佐久間のパートナーを務めるのは、ツァオ・チー。長年コンビを組み、同時期に昇進を続けて今に至るプリンシパル同士だ。
「彼も私と同じく満足しないタイプ。だからこそずっと一緒に踊り、高め合うことができたんだと思います。『くるみ割り人形』の金平糖の精と王子で初めて主役をもらった時は、昼休みも惜しんで練習しましたね。13年間、ほぼすべての作品をパートナーとして踊ってきたので、息が合うといった次元を超えるほど、お互いを知り尽くしているんです。音楽的な感性も合いますし、難しい技も安心してできます。私たちが長い歳月をかけて築いたパートナーシップを、ぜひご覧いただきたいですね。バレエ団の日本公演で主役を務める重責を、きちんと果たしたいと考えています」

 今まさに充実期を迎えているといった印象の彼女。その舞台はきっと、止まることなく進み続ける者だけに許される、自信と輝きであふれるに違いない。

11-04.08Sakuma03.JPG
取材・文:高橋彩子(舞踊・演劇ライター)
撮影:引地信彦、Bill Cooper (舞台写真)

-NBSニュースvol.290より転載-




親愛なる友人、日本のみなさまへ

11-04.05GullemSylvie.jpg 励ましのメッセージをあなたがたに宛てて書くことは、とても難しいことです。苦しみ、欠乏、不安、そしてもしかすると大切な誰かを失った悲しみののなかにあるあなたたちに向けて。
 荒れ狂う冷酷な自然を目撃した瞳を慰めるには、どうすればよいのでしょうか。傷つき、ずたずたになった心の苦しみを和らげるには、将来への不安を落ち着かせるために、何ができるのでしょうか。
 私たち(夫と私)は、遠くから見守ることしかできない無力さと深い悲しみを感じています。でも私はあなたたちに、シンプルにこう言いたい。私たちは日本を、日本の人々を、あなたたちの文化を、哲学を、生き方を愛しています。あなたたちの国は恐ろしい悲劇にみまわれましたが、持ち前の勇気や連帯の精神によって、あなたたちがこの恐ろしい試練をきっと見事に乗り越えることを私たちは知っています。
 日本の人々の姿勢は立派です。
 皆さんの祖国への愛を、皆さんが他者と自然へ抱いている敬意を、私たちは知っています。私たちは確信しています。皆さんが、人知を超える自然が奪ったすべての命の記憶とともに、日本をすぐに復興させることを。失われた生命の力が皆さんの力と一つになって、震災前のように平穏な、けれどもそれまでよりも強い日本を作り上げるでしょう。
 もうじきに訪れます。新緑、満開の桜、それから燃えるような紅葉、生命、希望、そして...思い出が。
 その訪れを待ちながら、私たち(夫と私だけではなく、私たち夫婦と同じくこんなにも傷ついた日本を見て非常な悲しみの中にいるたくさんの日本を愛する人々)は、大切な人を失った多くの方々に心からの哀悼の意を表すと同時に、再会を信じ家族やお友達を探す方々に幸運と再会の喜びがあることを心から祈っています。そしてこの世を去られた方々、海のうねりの中で命を失った方々のご冥福をお祈りしています。すべての人は、人々の記憶の中で生き続けるでしょう。
 皆さん、頑張りましょう。多くのものが失われましたが、皆さんの勇気と智慧は失われていないのです。
 またすぐにお会いできることを願っています。

シルヴィ



Chers amis Japonais

Il est très difficile de vous écrire un message de soutien , vous qui
êtes dans la souffrance , le besoin , l'incertitude , et peut être
malheureusement dans la tristesse d'avoir perdu quelqu'un de cher.
Comment réconforter des yeux qui on vu l'impitoyable nature se
déchainer, comment alléger des coeurs blesses et amputes et comment
apaiser des esprit inquiets de l'avenir ?
Nous ( mon mari et moi même) nous sentons réduits au rôle de témoins
lointains , impuissants , affliges . J'aimerais alors vous dire
simplement que nous aimons le Japon, les Japonais, votre culture,
votre philosophie et votre façon de vivre . Vous dire aussi que si
votre pays vient d'être éprouvé par de terribles catastrophes, nous
savons que votre courage et votre esprit de solidarité vous aidera a
surmonter avec grandeur ces terribles épreuves.
Votre attitude est admirable .
Nous connaissons l'amour que vous portez a votre Pays, votre respect
de l'Autre et de la Nature, nous sommes certains que très rapidement
vous reconstruirez le Japon, avec en mémoire tous ceux qui ont été les
victimes de cette imprévisible nature . Leur force s'ajoutera a la
votre , pour retrouver un Japon plus fort et toujours empreint de
sérénité .
Bientôt le New Green , les cerisiers en fleurs, et l'automne avec ces
feuilles d'érables flamboyantes, la vie , l'espoir et ..... le
souvenir.
En attendant "nous" ( non seulement mon mari et moi , mais aussi
beaucoup d'amoureux du Japon qui comme nous éprouvent une grande
tristesse de voir ce pays si meurtri ) présentons nos plus profondes
condoléances a ceux , nombreux , qui ont perdu des êtres chers. Nous
souhaitons de tout notre coeur que ceux qui cherchent , et espèrent
retrouver un proche ou un ami , auront la chance et le bonheur d'être
réunis . Et pour tous ceux qui ne sont plus, qui ont quitte la vie
avec le repli de la mer, qu'ils reposent en paix ils ne seront jamais
oublies .
Courage a tous, vous avez beaucoup perdu, mais il vous reste votre
courage et votre sagesse .
A très bientôt

Sylvie



11-04.05Guillem01.jpg
4月6日、パリのシャンゼリゼ劇場で開催される東日本大震災チャリティ公演"Soirée pour le Japon"のポスター。
このポスターは、日本を代表するデザイナーの高田賢三氏によるもの。
"Soirée pour le Japon"には、シルヴィ・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ、アクラム・カーンのほか、音楽界からもマルタ・アルゲリッチ、ロランド・ヴィラゾン、庄司紗矢香、児玉桃などが出演の予定です。


[4/7追記]
"Soirée pour le Japon"の模様がNHKニュースで放送されました。

NHKニュース>>>







photo:Eiichiro Sakata

 東日本大震災から3週間が過ぎましたが、いまだ困難な生活を余儀なくされている被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げるとともに、被災地の1日も早い復興を願ってやみません。
 NBSには、3月11日の震災発生より今日まで、世界中の多くのアーティストや歌劇場、オーケストラから、日本へのお見舞い、励ましのメッセージが多数寄せられています。日本が1日も早く元気になることを願う彼らの声を順次、この場で紹介させていただきたいと思います。

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日本の皆様へ

11-04.05GilRoman.jpg私をはじめカンパニー一同が日本を愛し尊敬していることを、
皆様はよくご存じのことと思います。
私の心は皆様と共にあります。

どのようにして私たちがお役に立てるかわかりません。
しかし私たちの想いが皆様とつねに共にあることを忘れないでください。

皆様の勇気に心からの賞賛の意を表します。

ジル・ロマン及びBBLダンサー一同より



Dear friends,

You are aware of the love and respect me and all the company have for your
country, and my heart went out to you.
We don't know how to help, but please know that you are continually in our
thoughts and that we are full of admiration for your courage.

Gil et les danseurs du BBL


photo:Toru Hiraiwa



 東京バレエ団「ラ・バヤデール」にソロル役で出演を予定しておりました、フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルト・バレエ団)とレオニード・サラファーノフ(ミハイロフスキー・バレエ)が、下記の理由により来日することができなくなりました。

 フリーデマン・フォーゲルは、東日本大震災の影響によるドイツ政府の渡航自粛勧告を憂慮したシュツットガルト・バレエ団より許可が下りず、今回の来日を断念いたしました(フリーデマン・フォーゲルからのメッセージを下記に掲載いたします)。また、レオニード・サラファーノフは、リハーサル中に負った膝の怪我のため、3月末に予定されていたウィーン国立歌劇場での「ドン・キホーテ」に続き、今回の「ラ・バヤデール」も降板を余儀なくされました。

 2人の降板を受けてNBSでは振付家のナタリア・マカロワ、振付指導のオルガ・エヴレイノフとともに調整を行ってまいりましたが、4月13日(水)と16日(土)には、オランダ国立バレエ団プリンシパルのマシュー・ゴールディング、4月14日(木)と17日(日)には、ノヴォシビルスク・バレエ芸術監督のイーゴリ・ゼレンスキーをゲストとして招聘することが決まりました。

 ナタリア・マカロワの推薦により今回初来日するマシュー・ゴールディングは、1985年カナダ生まれの26歳。2002年ユース・アメリカ・グランプリでグランプリを受賞。同年のローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップを獲得し、英国ロイヤル・バレエ学校に留学しました。卒業後アメリカン・バレエ・シアターを経て、09年にオランダ国立バレエ団に入団。同年、マカロワ版「ラ・バヤデール」のソロル役に抜擢され、指導したマカロワとエヴレイノフから高く評価されています。10年にはプリンシパルに昇進。今後の活躍が期待される新進ダンサーです。
 また、長年マリインスキー・バレエのプリンシパルとして活躍し、ロシアを代表するダンサーであるイーゴリ・ゼレンスキーは、マリインスキー・バレエ、英国ロイヤル・バレエ団の日本公演やガラ公演などでたびたび来日し、力強く安定感のあるテクニックで数々の名演を残してきました。現在はノヴォシビルスク・バレエの芸術監督兼ダンサーとしても活躍しており、4月8日にノヴォシビルスクで十八番ともいうべき「ラ・バヤデール」のソロルを演じたその足で来日。東京バレエ団との初共演に臨みます。
 なにとぞ、このような事情をご理解のうえ、ご了承のほどお願い申し上げます。 



golding.jpgソロル(4/13,16):
マシュー・ゴールディング  Matthew Golding
(オランダ国立バレエ団)

1985年カナダ、サスカチュワン州生まれ。カナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエ学校とアメリカ、ワシントンD.C.のユニバーサル・バレエ・アカデミーで学ぶ。2002年ユース・アメリカ・グランプリでグランプリを受賞。同年、ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップを獲得し、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。
03年、アメリカン・バレエ・シアターに入団。09年、オランダ国立バレエ団に移籍し、プリンシパルとして活躍している。
主なレパートリーには、マカロワ版『ラ・バヤデール』のソロル、ラトマンスキー版『ドン・キホーテ』のバジル、ライト版『眠れる森の美女』の王子、ジョン・ノイマイヤー振付『シルヴィア』、ジョージ・バランシン振付『ヴァイオリン・コンチェルト』『セレナーデ』『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』、トワイラ・サープ振付『イン・ジ・アッパー・ルーム』、ハンス・ファン・マーネンの『ハンマークラヴィーア』と『ウィズアウト・ワーズ』などがある。



zelensky.jpgソロル(4/14,17):
イーゴリ・ゼレンスキー  Igor Zelensky
(ノヴォシビルスク・バレエ)

ロシアのクラスノダル出身。トビリシ舞踊学校を卒業し、ワガノワ・バレエ学校で学ぶ。トビリシ・オペラ劇場バレエ団を経て、1988年マリインスキー・バレエに入団し、91年にプリンシパルに昇格。マリインスキー・バレエに在籍しながら、92-97年にはニューヨーク・シティ・バレエでプリンシパルを務め、英国ロイヤル・バレエ団、ミラノ・スカラ座バレエ団、ミュンヘン・バレエなど世界各地のバレエ団でゲスト・アーティストとして活躍。日本にも数多く来日している。2006年よりノヴォシビルスク・バレエの芸術監督兼ダンサーとしても活躍中。 2008年ロシア連邦人民芸術家の称号を授与された。
『ドン・キホーテ』バジル、『ラ・バヤデール』ソロル、『白鳥の湖』ジークフリートといった古典作品だけでなく、マクミラン振付『マノン』デ・グリュー、『ロミオとジュリエット』ロミオ、バランシン振付『ジュエルズ』、『テーマとヴァリエーション』、『アポロ』、プティ振付『若者と死』など、幅広いレパートリーを持つ。


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フリーデマン・フォーゲルからのメッセージ

観客の皆さま、日本のバレエ・ファンの皆さまへ

私の愛する日本で起こったこと、まだ依然として続いていることがただただ信じられません。この悲劇的な状況を耐え抜いている日本の皆さんに心からの敬意を表します。このたびの震災で生活や家を無くしたすべての人々に心からのお見舞いを申し上げます。

日本を訪れて皆さんと一緒にいることができず大変悲しく思うと同時に、こうしたお知らせをしなければならないことを大変残念に思っています。しかし、きっと良い方向へ向かうと信じています。またすぐに日本を訪れ、踊ることができることを心から楽しみにしています。

皆さんにお会いできず、とても寂しいです!

皆さんの
フリーデマンより



Dear audience, Dear Japanese Ballet lovers,

It's just unbelievable what has happened and what is still happening in and to my so beloved Japan. I am full of respect for the Japanese people and the way they are dealing with this most tragic situation. My heart goes out to all the people who have lost their lives and homes.

I am very very sad not to be with you this time and I deeply regret to have such bad news, but I am sure that everything will work out soon and I am very much looking forward to coming and dancing again soon in Japan.
I miss you very much!

your,
Friedemann


フィレンツェ歌劇場公演中止に伴う払い戻しのご案内で、チケットぴあでの払戻受付期間を本日4月1日(金)開始とお知らせしておりましたが、ぴあより下記の連絡がございました。
ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。


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4月1日(金)よりフィレンツェ歌劇場日本公演の払戻し受付開始とサイト上で告知しておりますが、弊社の払戻し期間設定ミスのため、<チケットぴあより購入・予約され、セブン-イレブンにてチケットを発券されたお客様>は、恐れ入りますが、4/2(土)10:00より払戻し受付開始とさせていただきます。
お待たせいたしまして申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。

また、すでに払戻しのため店舗にご来店いただいたお客様には払戻し受付が行えず大変ご迷惑をおかけいたしました。深くお詫び申し上げます。

4月1日 
チケットぴあ
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●チケットぴあ 払戻しについては下記でご確認ください。
PC⇒http://t.pia.jp/guide/refund.html
携帯⇒http://m.pia.jp/pia/guide/refund.html

 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演、「真夏の夜の夢」&「ダフニスとクロエ」の追加公演が決定いたしました。
 この公演は東北関東大震災 被災地復興支援のチャリティー公演として実施し、収益の一部を今回の震災への義援金として、日本赤十字社を通じて被災地にお届けします。また、公演会場には、募金箱を設置させていただきます。


英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 ~チャリティー公演~
「真夏の夜の夢」&「ダフニスとクロエ」


11-04.01BRB.jpg■公演日程:5月17日(火)6:30p.m.

■会場:ゆうぽうとホール

■入場料(税込)
S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 
C=¥10,000 D=¥8,000
※未就学児童のご入場はお断りします。

■出演者
「真夏の夜の夢」 
タイターニア:吉田都、オベロン:セザール・モラレス
「ダフニスとクロエ」 
クロエ:ナターシャ・オートレッド、ダフニス:ジェイミー・ボンド

■指揮:ポール・マーフォ/フィリップ・エリス

■演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

■前売開始日:4月23日(土) 10:00a.m.より

■前売券(下記発売所で限定発売)

❑NBS WEBチケットサービス  
※先行抽選予約(S~D券) 受付期間:4月14日(木)10:00~4月19日(火)18:00

❑e+(イープラス)   
http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
※プレオーダー :4月14日(木)~4月19日(火)

❑チケットぴあ 
0570-02-9999/http://pia.jp/t/ (PC&携帯) [Pコード:411-900]
※プレリザーブ:4月14日(木)~4月19日(火)


*4月30日(土)以降、残席が出た場合にはNBSチケットセンター(TEL03-3791-8888)でもお取り扱いいたします。




 NBSは3月31日に30回目の誕生日を迎えました。そして、本日4月1日から公益法人日本舞台芸術振興会として、新たなスタートを切ります。NBSは政府の公益法人改革に基づき公益財団化を目指していましたが、このたび内閣総理大臣より公益財団法人に認定されました。NBSは創立30周年の節目を迎えさらなる飛躍を期しておりますが、公益財団化を機にこれまで以上に舞台芸術の感動をとおして、心ゆたかな社会づくりのために貢献したいと念願しております。

 これまで同様、当財団の活動にご理解を賜りますとともに、さらなる皆さまのご支援をお願い申し上げます。
 なお、NBSの賛助会には法人会員と個人会員があり、当財団への寄付金は、税制上一定の優遇措置を受けることができます。特典もご用意しております。ファンドレイジングについてのお問い合わせは、NBS(支援業務室TEL03-5721-8000)まで、お気軽にお尋ねください。

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