2011年2月アーカイブ

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演の開幕に向けて、本日より主演ダンサーインタビュー連載をスタートします。
第1回目は先日プロモーション来日が決定したことをお知らせしたツァオ・チーです。


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11-02.28CaoChi02.JPG 3年前の英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)日本公演では、『美女と野獣』(デヴィッド・ビントリー振付)で野獣役を踊り、その存在感と表現力で感動をもたらしたツァオ・チー。昨年公開された映画「小さな村の小さなダンサー」では、毛沢東の文化大革命下でバレエを学び、アメリカに亡命した実在のダンサー、リー・ツンシンを好演し、話題に。中国の北京舞踏学院出身、英国で活躍するツァオ・チーとは共通する部分が多い役柄だっただけに、バレエのために新天地を求めるその姿は、多くの人の心を揺さぶった。


──映画の主人公と同じように、ツァオ・チーさんも子どもの頃、バリシコフの映像に衝撃を受け、バレエ・ダンサーを目指す決意をされたそうですね。

 人間の身体でこんなことができるなんて、と驚きました! 彼みたいになるって(笑)、父に宣言したのを覚えています。どちらかというと私は、一か八か、これをやろうと決めたらとことんやり尽くすタイプなんです。


──映画の撮影のために半年間カンパニーを休まれたそうですが。

 皆、映画出演を応援してくれていたので不安はありませんでした。カンパニーはとても家庭的な雰囲気。誰かに何かがあれば必ずカヴァーするし、仲の良さは同僚だから、という以上のものがあるんです。


──2002年からプリンシパルとして活躍されていますね。

 実は、2008年の来日のとき、「あ、前と同じ劇場、同じホテルだ!」と気がついて(笑)、入団して1年目の、1995年の日本公演のことを思い出したんです。日本の劇場でプリンシパル・ダンサーがお客さんの歓声を受けているのを見て、自分もいつか、あんなふうになるんだ、と心に決めたこともね。当時は、心のどこかで名誉とかスターダムを求めていたのです。でも13年経って実際にそうなってみたら、名誉なんてどうでもよくなっていた。私は、いいパフォーマンスをお客さんにお見せできることに、ただそれだけに喜びを感じるようになっていたから。そう感じられるようになったのも、このカンパニーにいたからこそ、です。

11-02.28CaoChi.jpg
 日本公演では、まずピーター・ライト版『眠れる森の美女』に登場。古典ならではの魅力がたっぷりと詰まったこの舞台、佐久間奈緒とのパートナーシップにも期待が寄せられている。


──ライト版の『眠れる森の美女』の魅力を教えてください。

 ゴールド!ゴールド!ゴールド(笑)!! 本当にゴージャズな作品です。存在感のあるセットもとても素晴らしい。最近のプロダクションではモダンで簡潔なセットも多いけれど、これはまさに荘厳。古典ならでは、の豪華な『眠り』です。また、この版では眠りから目覚めたオーロラ姫と王子によって踊られるパ・ド・ドゥがあります。これは一時期省かれていたものですが、今度の公演では観ていただくことができるでしょう。とても素晴らしいパ・ド・ドゥなので、ぜひ楽しみにしていただきたいところです。『眠り』の王子は、何といってもテクニックがカギ。キャラクターとしてはごくシンプルだけれど、踊りは、これぞクラシック、という優雅なものです。それだけに、ごまかしがききません。ほんの少し跳んだだけですべてわかってしまう。流麗で精確な踊りが求められるので、難しいですね。


──日本公演では、もう一つ、フレデリック・アシュトン作品のプログラムが組まれています。BRBにとってアシュトン作品はどのような存在なのでしょうか?

 英国バレエの礎となった振付家です。ロイヤル・バレエ団と同様、BRBにとっても重要な振付家であり、上演頻度もとても高い。だから私たちは、アシュトン作品を上演するなら絶対に成功させなければならないんですね。


──『真夏の夜の夢』でツァオ・チーさんは踊られるのは、妖精の王、オベロンですね。

 以前はパックを踊っていたのですが、2、3年前からオベロンを踊るように。この役は(1964年の初演でオベロン役を踊った)アンソニー・ダウエルに習いました。最初に衣裳を見たとき、とても女性的な印象を受けたのですが、実際はとても男性的。森の妖精の王様ですから、それなりの威厳をまとっていなければなりません。また、英国のバレエの多くがそうであるように、動きがとても速い。上半身を正しくキープし、動きをよりクリーンに見せることで、皆さんには、よりエネルギッシュな踊りを見ていただくことができると思います。


──同時上演される『ダフニスとクロエ』は日本で初めての上演となります。

 ダフニスを踊ったとき、この役もやはりダウエルから教えてもらったのですが、"普通に。バレエ的なポーズは必要ない"と言われました。衣裳も現代的ですが、とても自由な作品ですね。全員が同じステップで揃って踊るフィナーレがあって、とてもエキサイティング! 作品によって盛り込まれる踊りの種類が様々なのも、アシュトン作品の魅力だと思います。


 次々と言葉が飛び出すなかで、ふと、「大丈夫? 今私が話したこと、つじつま合っていましたか?」と立ち止まるも、バレエの話はいつまでも尽きない。日本での舞台も、必ず、喜びに満ちた素晴らしいパフォーマンスになることだろう。

取材・文:加藤智子(フリーライター)
撮影:須藤夕子

-NBSニュースvol.289より転載-

ダンスマガジン 4月号(2月26日発売/新書館)

ベルリン国立バレエ団2011年日本公演関連記事が掲載されました。
撮り下ろし舞台写真、公演評、ウラジーミル・マラーホフ、ポリーナ・セミオノワ、ナディア・サイダコワのインタビュー。そしてマラーホフのお母様の貴重なインタビューも。ぜひご一読ください。


産経新聞 2月12日(土)

"鑑賞眼"にベルリン国立バレエ団「チャイコフスキー」の公演評が掲載されました(岡見さえ/舞踊評論家)。

>>>産経ニュース でご覧いただけます。


◆日経新聞 2月2日(火)夕刊

"深い陰影 役柄への一体化" (長野由紀/舞踊評論家)のタイトルで、「チャイコフスキー」の公演評が掲載されました。


◆読売新聞 1月25日(火)夕刊

"現代風にメルヘン読み替え" (海野敏/舞踊評論家)のタイトルで、「シンデレラ」の公演評が掲載されました。

※東北地方太平洋沖地震の影響により、中止となりました。


5月に3年ぶりの来日を果たす、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパルの佐久間奈緒とツァオ・チーが、日本公演プロモーションのため、3月9日に来日することが決定いたしました。

11-02.25BRB.jpg

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団入団後、早い時期からパートナーを組み、エリザベス女王即位50周年記念ガラなど、さまざまなガラ公演にバレエ団を代表して出演してきた佐久間奈緒とツァオ・チー。
前回の日本公演では、『美女と野獣』(東京)、『コッペリア』(西宮)で主演し、日本のバレエファンにその存在を強く印象づけた二人は、今回の日本公演でも、『眠れる森の美女』と『真夏の夜の夢』で抜群のパートナーシップを見せてくれるに違いありません。

中国と日本というアジアの隣国に生まれ、同時期に海を渡り、切磋琢磨しながら英国の名門バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のトップ・プリンシパルに登り詰めた佐久間奈緒とツァオ・チー。実力派アジアン・ビューティペアの魅力を、日本の皆さまにもっともっとご紹介できたらと、今回の来日プロモーションを企画しました。
新聞、ラジオ、雑誌などのメディア取材のほか、気さくで飾らない二人の人柄に直接触れていただきたいと願い、チャコット渋谷本店でトークイベントとサイン会を行うことになりました。ぜひ、素敵な笑顔の二人に会いにいらしてください。

この最新情報でも来日中の二人の様子をご報告するほか、Twitter(@NBS_japan)でもタイムリーにつぶやいてまいりますので、どうぞお楽しみに。



佐久間奈緒&ツァオ・チー トークイベント&サイン会

□開催日時:2011年3月12日(土) 14:00~15:00
□会 場:チャコット渋谷本店 4F フロア
※当日、12:00より4Fフロアにてサイン会の整理券を先着50名様に配布いたします。 それ以前の順番待ちは受付いたしませんので予めご了承くださいませ。

□お問合せ:チャコット渋谷本店 TEL03-3476-1311 

今週土曜日(2/26)より、ロベルト・ボッレがゲスト出演する東京バレエ団「白鳥の湖」(2011年6月)の一斉前売りが開始となります。
ボッレが東京バレエ団の舞台に登場するのは、なんと7年ぶり。2004年に「白鳥の湖」のジークフリート王子で東京バレエ団と共演した際のハイライト映像をお届けします。
古代ギリシャのアポロ像を思わせる完璧な肉体と美貌を兼ね備えたロベルト・ボッレの麗しいジークフリート王子の映像をご堪能ください。




▽東京バレエ団「白鳥の湖」 2月26日(土) 10:00a.m.より一斉前売開始!
http://www.nbs.or.jp/stages/1106_swanlake/index.html

東京バレエ団<ベジャール新作公演> 
「ダンス・イン・ザ・ミラー」「ボレロ」



振付:モーリス・ベジャール
演出・構成・振付指導:ジル・ロマン
振付指導:那須野圭右


◆主な配役◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演) 

:木村和夫

ラ・ダンス 現代のためのミサ:
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳、小出領子、西村真由美、乾友子、高木綾、
奈良春夏、田中結子、森志織、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、渡辺理恵
高岸直樹、後藤晴雄、高橋竜太、松下裕次、氷室友、梅澤紘貴、柄本弾、
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、杉山優一、永田雄大、
野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶

舞楽
小笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜

メロディーたち 未来のためのミサ:
西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、
渡辺理恵、川島麻実子

カップル ヘリオガバル:
上野水香、柄本弾

パ・ド・シス バロッコ・ベルカント:
小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜
高橋竜太

扇のパ・ド・トロワ
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳

男性群舞 M:
高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、的射場史彦、杉山優一、
永田雄大、中村祐司、野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶、吉田蓮、和田康佑、
竹下虎志、宮崎大樹

アタック 火の鳥:
木村和夫
高橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴
西村真由美、佐伯知香、奈良春夏

フィナーレ 未来のためのミサ:カンパニー全員


「ボレロ」

上野水香

松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊


※音楽は特別録音によるテープを使用します。


◆上演時間◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」15:00 - 16:05

【休憩】20分

「ボレロ」16:25 - 16:45


※14:25より、佐藤友紀によるプレトークを開催いたします。ぜひ、お早めにご来場ください。

東京バレエ団<ベジャール新作公演> 
「ダンス・イン・ザ・ミラー」「ボレロ」



振付:モーリス・ベジャール
演出・構成・振付指導:ジル・ロマン
振付指導:那須野圭右


◆主な配役◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演) 

:木村和夫

ラ・ダンス 現代のためのミサ:
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳、小出領子、西村真由美、乾友子、高木綾、
奈良春夏、田中結子、森志織、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、渡辺理恵
高岸直樹、後藤晴雄、高橋竜太、松下裕次、氷室友、梅澤紘貴、柄本弾、
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、杉山優一、永田雄大、
野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶

舞楽
小笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜

メロディーたち 未来のためのミサ:
西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、
渡辺理恵、川島麻実子

カップル ヘリオガバル:
上野水香、柄本弾

パ・ド・シス バロッコ・ベルカント:
小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜
高橋竜太

扇のパ・ド・トロワ
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳

男性群舞 M:
高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、的射場史彦、杉山優一、
永田雄大、中村祐司、野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶、吉田蓮、和田康佑、
竹下虎志、宮崎大樹

アタック 火の鳥:
木村和夫
高橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴
西村真由美、佐伯知香、奈良春夏

フィナーレ 未来のためのミサ:カンパニー全員


「ボレロ」

高岸直樹

松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊


※音楽は特別録音によるテープを使用します。


◆上演時間◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」15:00 - 16:05

【休憩】20分

「ボレロ」16:25 - 16:45


※14:25より、ジル・ロマンによるプレトークを開催いたします。ぜひ、お早めにご来場ください。

東京バレエ団<ベジャール新作公演> 
「ダンス・イン・ザ・ミラー」「ボレロ」



振付:モーリス・ベジャール
演出・構成・振付指導:ジル・ロマン
振付指導:那須野圭右


◆主な配役◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演) 

:木村和夫

ラ・ダンス 現代のためのミサ:
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳、小出領子、西村真由美、乾友子、高木綾、
奈良春夏、田中結子、森志織、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、渡辺理恵
高岸直樹、後藤晴雄、高橋竜太、松下裕次、氷室友、梅澤紘貴、柄本弾、
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、杉山優一、永田雄大、
野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶

舞楽
小笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜

メロディーたち 未来のためのミサ:
西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、
渡辺理恵、川島麻実子

カップル ヘリオガバル:
上野水香、柄本弾

パ・ド・シス バロッコ・ベルカント:
小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜
高橋竜太

扇のパ・ド・トロワ
斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳

男性群舞 M:
高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾
谷口真幸、安田峻介、井上良太、柄本武尊、岡崎隼也、的射場史彦、杉山優一、
永田雄大、中村祐司、野尻龍平、森川茉央、佐藤瑶、吉田蓮、和田康佑、
竹下虎志、宮崎大樹

アタック 火の鳥:
木村和夫
高橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴
西村真由美、佐伯知香、奈良春夏

フィナーレ 未来のためのミサ:カンパニー全員


「ボレロ」

後藤晴雄

松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊


※音楽は特別録音によるテープを使用します。


◆上演時間◆

「ダンス・イン・ザ・ミラー」19:00 - 20:05

【休憩】20分

「ボレロ」20:25 - 20:45


※18:25より18:45まで、ジル・ロマンによるプレトークを開催いたします。ぜひ、お早めにご来場ください。


東京バレエ団「白鳥の湖」の公演情報ページを公開いたしました。 
美しきイタリアの貴公子ロベルト・ボッレが、実に7年ぶりに東京バレエ団で全幕主演する「白鳥の湖」、どうぞご期待ください。


●東京バレエ団「白鳥の湖」>>>

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