2009年12月アーカイブ

12月31日大みそかの夜、「NHKクラシック・ハイライト2009」で2009年にNBSが招聘したミラノ・スカラ座「アイーダ」、東京バレエ団<ベジャール・ガラ>(「ボレロ」)がハイライトで放送されます。
2009年を代表するに相応しい2つの公演の映像をご覧になり、今年1年を振り返ってみてはいかがでしょうか。


◆クラシック・ハイライト2009◆

放送日時:12月31日(木)教育 午後9:25~午前0:05

○ミラノ・スカラ座日本公演 歌劇「アイーダ」から(ヴェルディ)
○東京バレエ団公演<ベジャール・ガラ>よりシルヴィ・ギエム主演「ボレロ」

*上記2公演以外にも2009年に上演された多くの公演がハイライトで放送されます。

>>>詳細はNHKホームページでご確認ください。

今年もあと4日。皆さま、年越しの準備はお済みでしょうか。
2010年最初の公演となる、東京バレエ団「ラ・シルフィード」にジェイムズ役でゲスト出演する、マリインスキー・バレエ、プリンシパルのレオニード・サラファーノフ。今年は4月に東京バレエ団<創立45周年記念スペシャル・ガラ>の「エチュード」に客演したのを皮切りに、第12回世界バレエフェスティバルへの初出場、そしてマリインスキー・バレエ日本公演と、日本でめざましい活躍をみせてくれました。「ラ・シルフィード」の開幕を前に、そんなサラファーノフの魅力を、バレエ評論家の小町直美さんが寄稿してくださいました。
年末の皆さまへの贈り物として、第12回世界バレエフェスティバルのガラ公演で披露した「ラ・シルフィード」(オーギュスト・ブルノンヴィル振付)のハイライト映像もお届けします。東京バレエ団の「ラ・シルフィード」はピエール・ラコットの振付によるものですので、ロマンティックな香りにいっぱいの雰囲気は共通していますが、ブルノンヴィル版とは音楽も振付も違います。ブルノンヴィル版、ラコット版、二つの「ラ・シルフィード」を演じるサラファーノフを見比べていただくのも楽しみ方のひとつではないでしょうか。
新春1月17日(日)開幕の「ラ・シルフィード」にご期待ください!

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サラファーノフ いま開花する個性

小町直美(バレエ評論家)


 いま注目の若手、と思って見ているうちに、みるみるマリインスキー・バレエの中核をになうダンサーになっていた。レオニード・サラファーノフ。先日のマリインスキー・バレエ来日公演では、三演目の主役を踊る活躍ぶり。いままで知らなかった新しい魅力もたっぷり見せてくれた。
 まず「白鳥の湖」。オデットの登場ほどではないにせよ、第一幕の王子の登場に、やはり観客は胸をときめかせてしまう。貴族や農民の若者たちがなごやかに交流する舞台に、さわやかな風を吹きこむようにサラファーノフは現れた。輝くような若さを感じる。
 王子の役にはさまざまな個性のダンサーがありうるだろう。威風堂々とした人、甘くロマンティックな雰囲気の人、考え深く、憂いをたたえた人・・ サラファーノフはどのタイプともちがう。集まった友人たちに、さあ踊ろう、と語りかける身のこなしは、さすがに非のうちどころなく洗練され、気品に満ちている。だが短く刈った髪や、愛嬌のある童顔からは、現代的で身近な感じを受ける。何よりもまず、初々しく、活気にあふれるひとりの若者なのだ。
 第二幕ではロットバルトとオディールのはかりごとに振り回され、心乱れる様子をドラマティックに演じた。軽やかなトゥール・アン・レールを連続で披露する場面もあった。
 もうひとつの古典、「眠れる森の美女」では、幻影のオーロラ姫に心を奪われ、冒険に踏みこんでいくみずみずしい感性の若者になりきっていた。
 だが、サラファーノフの個性はもともと、古典作品だけにとどまっているものではない。彼の持ち味を見事に開花させたのが、シチェドリンの音楽、ラトマンスキー振付の「イワンと仔馬」だった。
冒頭で二人の兄の足元に、パンツ姿でうずくまっているイワン=サラファーノフは、まるであどけない少年のよう。実際お人よしのイワンは、家族から一人前に扱われていないのだ。みなが去って一人残されたイワンは、自分だってもう子どもじゃないんだぞ、とばかりに手足を伸ばし、ところ狭しと跳ねまわる。すっかり童心に返ったサラファーノフの茶目っ気、動きの敏捷さや軽やかさは、マイムを織りこんだ表情豊かな振付と見事に溶け合い、魅了した。
 もうひとつ、忘れがたいのは、オールスター・ガラで踊ったバランシン振付の『タランテラ』だ。たたみかけるように湧きあがるリズムと、熱いステップ。サラファーノフは磨き抜かれた技術を基礎に、陽気なイタリアの心意気を奔放に振りまく。最高のタランテラだった。

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第12回世界バレエフェスティバル「ラ・シルフィード」(photo:Kiyonori Hasegawa)


いま、サラファーノフはとにかく、おもしろい。新春、東京バレエ団を背景に上野水香と踊る『ラ・シルフィード』には、天に届くようなジャンプの見せ場がある。心揺れる青春期の若者役は彼にぴったりだろう。東京バレエ団とは今春、「エチュード」を共演したときのあざやかな演技が蘇る。再び彼らの熱い舞台が待ち遠しい。



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第12回世界バレエフェスティバル ガラ公演
「ラ・シルフィード」(振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルド)

2010年5月に上演する<マラーホフの贈り物2010>の公演日程・発売日・出演者が決定いたしましたので、お知らせいたします。
なお、入場料、プログラム、発売方法等の詳細につきましては、1月中旬に発表の予定です。


【公演日程】

●Aプロ
2010年5月18日(火)6:30p.m.  
2010年5月19日(水)6:30p.m.  

●Bプロ
2010年5月21日(金)6:30p.m.  
2010年5月22日(土)3:00p.m.  

*NBSニュース1月号(vol.275)に掲載しております公演日程に変更が生じております。


【前売開始日】2010年2月20日(土)10:00a.m.~

【会場】東京文化会館

【予定される出演者】
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東京バレエ団

【演目】
Aプロ: 「四季」(G.ヴェルディ作曲「仮面舞踏会」より) ほか
Bプロ:「ラ・バヤデール」〈影の王国〉 ほか

【お問い合わせ】NBSチケットセンター TEL03-3791-8888

NBSチケットセンターの年末年始の営業は下記のとおりとなります。


◆年末  12月26日(土) 13:00まで

◆年始  1月4日(月) 10:00より


なお、NBS WEBチケットでは年末年始も24時間いつでもチケットをご購入いただけますので、チケットをご希望の際にはWEBチケットをご利用ください!

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー
「聖なる怪物たち」

芸術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
15:00-16:15

※本公演には休憩がございません。開演に遅れるとご自分のお席におつきいただけませんのでご注意ください。

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー
「聖なる怪物たち」

芸術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
15:00-16:15

※本公演には休憩がございません。開演に遅れるとご自分のお席におつきいただけませんのでご注意ください。

<マニュエル・ルグリの新しき世界>のAプロ「ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団」で世界初演される「ホワイト・シャドウ」のリハーサルのため、昨日来日したマニュエル・ルグリ。
新書館より発売中の「パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ」の出版を記念して、下記の内容で"トーク&握手会"が開催されます。


マニュエル・ルグリ"トーク&握手会"

□日程:12月20日(日)16時~
□会場:タワーレコード 渋谷店 6F クラシカルフロア

*トークショーは観覧自由

*握手会には、下記の対象商品を当日、または前日以前にお買い上げをいただき、レシートを品物をお持ちくださった方のみが、ご参加いただけます。

●対象商品
・書籍「パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ」(新書館刊) 2,520円
・DVD「『ユカリューシャ』斎藤友佳理」(新書館発売) 6,090円

□お問い合わせ:タワーレコード渋谷店 03-3496-3661

2010年2月に上演する<マニュエル・ルグリの新しき世界> Bプロ(「ルグリと輝ける世界のスターたち」)の追加公演が、下記のとおり決定いたしました。
パリ・オペラ座バレエ団を今年5月に退団したルグリが、1980年代半ばに同バレエ団で数々の名演を残したシルヴィ・ギエムと15年ぶりの共演を果たすことでも大きな話題を呼んでいるこのプログラムを、どうぞお見逃しなく!


<マニュエル・ルグリの新しき世界> 追加公演
~Bプロ「ルグリと輝ける世界のスターたち」


■追加公演:2010年2月6日(土) 1:30 p.m.

■会場:ゆうぽうとホール

■入場料(税込み):S=¥19,000 A=¥16,000 B=¥13,000 C=¥10,000 D=¥7,000 

■前売開始日:2010年1月9日(土) 10:00a.m.より

■前売券(下記発売所で限定発売)

❑NBS WEBチケットサービス  
※先行抽選予約(S~D券) 受付期間:12月25日(金)10:00~1月6日(水)18:00

❑e+(イープラス)   
http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
※プレオーダー :12月25日(金)~1月6日(水)

❑電子チケットぴあ 
0570-02-9999/http://pia.jp/t/ (PC&携帯) [Pコード:400-746]
※プレリザーブ:12月25日(金)~1月6日(水)


*1/23(土)以降、残席が出た場合にはNBSチケットセンター(TEL03-3791-8888)でもお取り扱いいたします。


■出演者

マニュエル・ルグリ

シルヴィ・ギエム

アニエス・ルテステュ (パリ・オペラ座バレエ団)
オレリー・デュポン (パリ・オペラ座バレエ団)
ヘザー・オグデン (ナショナル・バレエ・オブ・カナダ)
上野水香 (東京バレエ団)
ヘレナ・マーティン 
パトリック・ド・バナ
フリーデマン・フォーゲル (シュツットガルト・バレエ団)
ギヨーム・コテ (ナショナル・バレエ・オブ・カナダ)
デヴィッド・ホールバーグ (アメリカン・バレエ・シアター)


■プログラム

「優しい嘘」シルヴィ・ギエム-マニュエル・ルグリ
振付:イリ・キリアン/音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、カルロ・ジェズアルド、グレゴリオ聖歌

「三人姉妹」シルヴィ・ギエム-マニュエル・ルグリ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

「マリー・アントワネット」アニエス・ルテステュ-パトリック・ド・バナ
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ

「スリンガーランド」アニエス・ルテステュ-パトリック・ド・バナ
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャビン・ブライアーズ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 ヘザー・オグデン-ギヨーム・コテ
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

「失われた時を求めて」ギヨーム・コテ-デヴィッド・ホールバーグ
振付:ローラン・プティ/音楽:ガブリエル・フォーレ

「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」上野水香-デヴィッド・ホールバーグ
振付:マニュエル・ルグリ/音楽:ガエターノ・ドニゼッティ

「アザー・ダンス」オレリー・デュポン-フリーデマン・フォーゲル
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン

「モペイ」 フリーデマン・フォーゲル
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E.バッハ、クランプス

「ハロ」ヘレナ・マーティン
振付:ヘレナ・マーティン/音楽:アラ・マリキアン、ホセ・ルイス・モントン


■お問い合わせ:NBSチケットセンター 03-3791-8888


>>>チラシPDFはこちら

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー
「聖なる怪物たち」

芸術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
19:00-20:15

※本公演には休憩がございません。開演に遅れるとご自分のお席におつきいただけませんのでご注意ください。

マニュエル・ルグリのパリ・オペラ座バレエ団引退公演までの60日間を追ったドキュメンタリー「エトワール 最後の60日~密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生~」が、NHKハイビジョンで再放送されます。


□番組名:NHKハイビジョン特集 BS-hi

□放送日:12月19日 (土) 23:00 ~ 翌00:01

番組HP>>>

*ドキュメンタリーに続いて、オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ主演による、パリ・オペラ座バレエ団「ドン・キホーテ」も放送されます。

>>> <マニュエル・ルグリの新しき世界>の公演情報はこちら

来年4月24日、25日に上演する、東京バレエ団「ザ・カブキ」(モーリス・ベジャール振付)の公演情報ページを公開いたしました。

◆「ザ・カブキ」公演情報はこちら>>>

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