2008年12月アーカイブ

パリ・オペラ座バレエ学校日本公演で上演される「ペシェ・ド・ジュネス」「スカラムーシュ」「ヨンダーリング」のハイライト映像を公開しました!

下記のページに各作品ごとに映像をアップいたしましたので、ぜひご覧になってください。


◆パリ・オペラ座バレエ学校 作品紹介ページはこちら>>>
08-12.25news.jpg

創立296年の伝統を誇るパリ・オペラ座バレエ学校は、20世紀後半、クロード・ベッシー校長の大改革によって大きな発展を遂げ、その薫陶を受けた優秀な生徒たちが、ヌレエフを芸術監督に頂く当時のパリ・オペラ座バレエ団で"ヌレエフ世代"として活躍しました。
その中でも、随一の品格とエレガンスで揺るぎないトップ・エトワールの座を誇ったエリザベット・プラテルが、2004年、ベッシーの後を継いでバレエ学校校長に就任。このたび11年ぶりの日本公演で、新しい伝統の"香り"に包まれた教育成果を披露します。プラテルは自ら指導した生徒たちを、就任後に彼らのために最初に委嘱した作品名にちなんで"スカラムーシュ世代"と呼んでいます。そんなバレエ界のエリートの子供たちの現在と教育について、彼女がぞんぶんに語ってくれる貴重な機会です!



<パリ・オペラ座バレエ学校2009年日本公演記念イベント>
パリ・オペラ座バレエ学校校長 エリザベット・プラテル プレ・トーク


◇開催日:2009年4月28日(火) 18:00~18:30
◇会場:東京文化会館
  ※パリ・オペラ座バレエ学校公演開演前に舞台上で開催。
   同日の公演チケットをお持ちの方のみご入場いただけます。
◇お問い合わせ:NBSチケットセンター03-3791-8888


08-12.25news2.jpg

マラーホフからのメッセージ

新春1月8日に開幕する、東京バレエ団「眠れる森の美女」の公演を前に、この作品の振付・演出を手がけ、デジレ王子とカラボスの2役を演じるウラジーミル・マラーホフよりメッセージが届きました。
彼の演じるカラボスについてのミニインタビューも合わせてお届けします。



ウラジーミル・マラーホフ 
「眠れる森の美女」再演に向けてのメッセージ


 日本で再び、僕が振付・演出した「眠れる森の美女」を上演できること、そして、熱意をもって僕のプロダクションに取り組んでくれている東京バレエ団の団員の皆さんと共演できることに興奮を覚えています。

 今回、デジレ王子だけではなく、カラボス役を日本の皆さまに披露させていただけるのも僕にとって特別な機会だと思います。デジレ王子とカラボスというまったく違った役柄を日替わりで踊れるのはとても素晴らしいことです。 "プリンス"の呼び名はもちろんとても嬉しいものですが、日本の観客の皆さまに僕を別の視点で見ていただけることを心から喜んでいます。

心からの愛をこめて。

ウラジーミル・マラーホフ

----------------------------------------------------------------------

マラーホフの語る"カラボス"
Dorn_026_201205(photo_EnricoNawrath).jpg

 この世では、ほとんどすべてが素晴らしいことばかりだったとしても、どうしてもうまくいかないことやアクシデントもある。必ずといっていいほど、カラボスのような障害が現れるのです。僕の「眠れる森の美女」ではリラの精を、オーロラ姫を幼少の頃から100年後の結婚式まで一貫して守り続ける存在として、反対にカラボスをオーロラ姫の人生に起こる障害として描きました。二人は、素晴らしいことが起きる一方で悪いことも起こるという、この世の普遍の象徴なのです。

 もちろん、"善"は常に勝利します。でも、その"善"へと至る過程の中に、何事をも守ってくれるリラの精とそれを邪魔するカラボスという二本のラインをはっきり浮かび上がらせようと試みたのです。だからカラボスは敗れても死なず、華やかな結婚式を邪魔するために、最後の場面にまで登場するのです。



photo:Enrico Nawrath

先ごろ行われた、パリ・オペラ座バレエ学校のデモンストレーションを、マダム・フィガロ・ジャポン・パリ支局長の大村真理子さんがレポートしてくださいました。



08-12.22parisopera.jpg   恒例のバレエ学校のデモンストレーション(公開授業)が11月30日、12月7日、12月20日にオペラ・ガルニエで行われた。踊るのが生徒たちとはいえ、チケット(料金は6-28ユーロ)は毎年発売と同時に売り切れとなる人気だ。客席を埋めるのは舞台で踊る生徒たちの家族・親戚、学校の試験をうけてみようかという子供とその親、他のバレエ学校の生徒や先生といった様子で、開演前は日ごろと異なる不思議な緊張感が会場をみたしていた。
 オペラ座のバレエ学校は6学年からなる。フランスでは日本と学年の数え方が逆で、一番下のクラスが第六部門(12歳以下)で、そこから数字が減ってゆき、最終年が第一部門(18歳以下)である。10時30分に始まったデモンストレーションの午前の部は、第六、第五、第四部門が男女クラス別に授業風景を披露。15分の休憩をはさみ、第六部門の生徒のフォークダンス、第二部門の生徒によるコンテンポラリー・ダンス、第四部門の生徒のキャラクター・ダンス(民族舞踏)、第五と第六部門の音楽的表現(マイム)と続き、13時に終了。14時30分からの午後の部は、第三、第二部門の男女別の授業風景。休憩後、第一部門の男女別の授業風景、そして第三部門のキャラクター・ダンスがあり、第一部門のアダージオ(パ・ドゥ・ドゥ)で終了となった。このプログラムは毎年、ほぼ同じである。
最下年の男子がバーレッスンで披露したのはソー、アントルシャ、エシャぺ・バチュなどのパ。女子はルルベ、ソー・ドゥ・シャなどのパ。フランスは9月が新学期であるから、彼らは3か月弱の授業の成果をみせているわけだ。これがスタートなら、締めは第一部門の生徒たちによるヌレエフの「眠れる森の美女」からのパ・ドゥ・ドゥである。6年間の成果を見せる生徒たちの頼もしい未来に、客席からは大きな拍手がわいた。クラシック・バレエの技術を学びながら、音楽性、空間の使い方、統一性、表現力、持続力、自然な笑顔など舞台上で踊るのに必要なすべてを、入学してから6年の間にいかに身につけてゆくのかが、このデモンストレーションで垣間見ることができる。教育の成果を本格的に彼らが披露する学校公演への興味が、いや増すというものだ。
 舞台上には名指しでやり直しをさせられた生徒もいれば、病気をおして参加している生徒もいた。強い精神力なしには続けられないだろう。そして、たとえこの厳しい学校生活を終えられたとしても、バレエ団に入れるのは一握り。こうしてオペラ座バレエ団の高いレヴェルが維持されるのだと、つくづく納得させられる。またオペラ座のスタイルという点でいえば、キャロル・アルボ、ファニー・ガイダというかつてのエトワール・ダンサーたちによって生徒に伝えられてゆくのだろう。さて今年から、昨春引退したエトワールのウィルフレッド・ロモリも教授陣に加わった。担当する第四部門の男子クラスの公開授業の最後に、『ライモンダ』の音楽にのせて生徒とともに美しくレヴェランスをする彼の姿は、デモンストレーション会場の張り詰めた空気を一瞬だが和らげた。


大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長)

2009年5月に9年ぶりの来日を果たす、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の公演紹介ページを公開いたしました。

今回の日本公演で上演されるのは、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の隆盛を築いたロマンティック・バレエ伝説の巨匠、オーギュスト・ブルノンヴィルの代表作「ナポリ」と、今もっとも注目を集める振付家であるジョン・ノイマイヤーの出世作「ロミオとジュリエット」の2作。
公演紹介ページのBlog(最新情報)では、2つの作品の見どころやデンマーク・ロイヤル・バレエ団のダンサーたちのインタビューなど、公演を2倍にも3倍にも楽しんでいただけるような記事をお届けする予定です。



08-12.19.jpg

デンマーク・ロイヤル・バレエ団公演紹介ページはこちら



NBSチケットセンターの年末年始の営業は下記のとおりとなります。


◆年末  12月27日(土) 13:00まで

◆年始  1月5日(月) 10:00より



なお、年末までにご入金いただいたチケットの発送は1月5日(月)以降からとなりますので、ご了承ください。


2009年8月、東京バレエ団は創立45周年を迎えます。
2009年1月より、2010年2月まで、創立45周年記念公演シリーズとして計10公演を開催いたします。東京バレエ団が誇る多彩なレパートリーに加え、東京バレエ団初演となる全幕2作品の上演が決定。東京バレエ団の魅力を余すことなくご覧いただける充実のラインナップとなりました。

2009年
1月

I.マラーホフ版「眠れる森の美女」全幕

創立45周年記念公演シリーズは、ウラジーミル・マラーホフ振付「眠れる森の美女」で華やかに開幕します。"真のおとぎ話を描きたい"というマラーホフの夢が具現化した舞台は、全編が美しい薔薇の庭園で繰り広げられ、大人が楽しめるファンタスティックな世界を創りだしています。ディアナ・ヴィシニョーワとマラーホフ、吉岡美佳と後藤晴雄の2組の主演コンビへの期待とともに、マラーホフがカラボスを演じるのも大きな話題となっています。

 
2月

II. <ベジャール・ガラ>
「ボレロ」「ペトルーシュカ」「ドン・ジョヴァンニ」「ギリシャの踊り」「中国の不思議な役人」

2008年から2009年にかけて東京バレエ団が上演してきた<ベジャール追悼特別公演シリーズ>もいよいよ最終公演を迎えます。クライマックスとなるこの公演では、シルヴィ・ギエムがベジャール追悼のために封印を解いて踊る「ボレロ」、追悼公演シリーズに特別出演している首藤康之がはじめて"娘"に挑む「中国の不思議な役人」など、追悼公演の掉尾を飾るに相応しいプログラムが実現します。

 
3月

III 「白鳥の湖」全幕

今回の「白鳥の湖」では、注目のホープ高木綾、田中結子がオデット、オディールに初めて挑むのに加え、<Stars of Tomorrow>と銘打った若手特別公演でも新人3名が主役デビューを果たします。抜群のパートナーシップを誇る上野水香と高岸直樹、そして高木、田中の相手役を務める木村和夫とともに、主演キャストに3組に8人が主演するこの公演で、東京バレエ団の層の厚さと充実ぶりを感じていただけるに違いありません。

 
4月

IV <創立45周年記念スペシャル・プロ>
J.ノイマイヤー振付「月に寄せる七つの俳句」/F.ブラスカ振付「タムタム」/H.ランダー振付「エチュード」

シリーズ第4弾は、<スペシャル・プロ>というタイトルどおり、東京バレエ団にとって特別な意味をもつ3作品が上演されます。ジョン・ノイマイヤーが東京バレエ団のために振りつけた「月に寄せる七つの俳句」は1989年に初演され、大き話題を呼びました。1989年の再演以来、今回実に18年ぶりの上演が実現します。また、フェリックス・ブラスカ振付の「タムタム」は、8人の踊り手による初演作が東京バレエ団のために24人に拡大されたもので、海外公演で頻繁に上演してきた作品。日本では7年ぶりの上演となります。そして、ハラルド・ランダーの代表作「エチュード」は、東京バレエ団の実力を海外で知らしめ、たびたび熱狂を巻き起こしてきた十八番の作品です。

 
6月

V.「ジゼル」(全幕)

東京バレエ団が「ジゼル」を初演したのは、創立から2年後の1966年。同年に行なわれた第1次海外公演でも「ジゼル」を上演し、ソ連文化省から"チャイコフスキー記念"の称号を贈られました。「ジゼル」はまさに東京バレエ団を世界に導いた作品といえるのです。一糸乱れぬコール・ド・バレエの美しさは絶賛され、創立45周年を迎える今、「ジゼル」は世界から認められる東京バレエ団の看板演目のひとつとなっています。

 
7〜8月

VI 7月~8月 第12回世界バレエフェスティバル
全幕特別プロ「ドン・キホーテ」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」
<オマージュ・ア・ベジャール>


世界バレエフェスティバルの特別プログラムとして行われる全幕プロは、ここでしか実現しないトップスターの競演で、バレエ・ファン垂涎のイベントとなっていますが、主演ダンサーたちからの信頼を得て、これを支えるのは東京バレエ団です。今回は3つの全幕プロに加え、特別に、2007年11月に亡くなったモーリス・ベジャールに捧げる<オマージュ・ア・ベジャール>も開催されます。<オマージュ・ア・ベジャール>では東京バレエ団初演となる「ルーミー」の上演も決定。幾重にも重なる「特別」な意味をもつ公演となります。

 
9〜10月

VII マカロワ版「ラ・バヤデール」全幕 【東京バレエ団初演】 

東京バレエ団ではこれまで<影の王国>の場面だけをレパートリーにしていましたが、今回はじめて「ラ・バヤデール」全幕上演に挑むことになりました。マカロワ版「ラ・バヤデール」はABTで初演され、英国ロイヤル・バレエ団など多くのバレエ団でレパートリーとなっています。主人公3人の関係が丁寧に描かれ、最終幕での3人の迫真のパ・ド・トロワや、他の版では省かれることの多い神殿崩壊もシーンがあるなど、独自の魅力に溢れるプロダクションです。

 
11〜12月

VIII ワイノーネン版「くるみ割り人形」(全幕)

東京バレエ団がレパートリーとしている、ワイノーネン版「くるみ割り人形」は、クララ役を主演バレリーナが演じ、人形とねずみの戦争から、妖精たちがめくるめく舞いを見せる雪の国、楽しいディヴェルティスマンが披露されるふしぎの国までを、王子とともに旅します。どのシーンにも踊りの見どころがふんだんに織り込まれたこの作品の魅力を、東京バレエ団の実力派ダンサー余すことなくお届けします。

 
      
2010年
1月

IX 「ラ・シルフィード」(全幕)

19世紀のロマンティック・バレエの最高傑作と呼ばれたフィリッポ・タリオーニ振付「ラ・シルフィード」は、ピエール・ラコットにより20世紀のバレエ界に蘇りました。この詩情あふれる舞台には、ほかの古典バレエの名作に勝るとも劣らないバレエの醍醐味が満ちています。東京バレエ団では1984年の初演以来、海外公演でもたびたび上演してきており、世界各地で絶賛を博してきました。いまや世界に誇る東京バレエ団の代表的なレパートリーとなっています。

 
2〜3月

X アシュトン振付「シルヴィア」全幕 【東京バレエ団初演】 

創立45周年記念公演の掉尾を飾るのは、英国ロイヤル・バレエ団日本公演でも絶賛を博し、東京バレエ団初演となるフレデリック・アシュトン振付「シルヴィア」。英国バレエの創始者たるアシュトンの「シルヴィア」は、古典的な様式美を大切に創られ、深い表現力と、ロイヤル・スタイルという優雅さが要求される作品。「真夏の夜の夢」でアシュトン作品にはじめて取り組み、大きな成果をあげた東京バレエ団が、ふたたびアシュトンの世界に挑みます。

 
photo:Kiyonori Hasegawa

月別 アーカイブ

ウェブページ

  • pdf
  • images
Powered by Movable Type 5.12

このアーカイブについて

このページには、2008年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年11月です。

次のアーカイブは2009年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。