東京バレエ団: 2011年1月アーカイブ

11-01.25SwanLake01.jpg 東京バレエ団が6月に上演する「白鳥の湖」の公演概要が決定いたしました。
 今回は、イタリア生まれの大型ダンスール・ノーブル、ロベルト・ボッレがジークフリート王子役で7年ぶりに東京バレエ団の舞台に登場いたします。古代ギリシャのアポロ像のごとく、端正な容貌と190センチの肉体美を誇るボッレは、その印象の通りの正統派クラシック・ダンサー。数々の古典バレエに主演するいっぽう、「マノン」や「椿姫」など物語バレエの貴公子役でも血の通った演技で感動を呼んでいます。近年は英国ロイヤル・バレエ団をはじめ、ロシアやアメリカの大舞台でも活躍。世界各地で確たる評価を獲得しています。その輝かしい存在感と王子の揺れる心の表現が注目されます。
 ボッレと組んでオデット/オディールを演じるのは上野水香。スケールの大きな演技と華やかな存在感を武器に、これまでも多くのゲストと組んだ経験を持つ上野が、得意の演目に新たなパートナーシップを得て羽ばたきます。
 いっぽう、これが初のオデット/オディール役となるのが小出領子。美しいラインを緻密につづりながら音楽とドラマを表現してゆく小出と、やはり物語を描くことに長けたベスト・パートナーの後藤晴雄が一つに解け合って描き出す神秘の世界は、見ごたえ十分なものとなるはずです。
 見どころ満載の古典の名作を、魅力ある2組のペアでお楽しみください。



東京バレエ団「白鳥の湖」

■公演日程・予定キャスト
6月17日(金) 6:30p.m. 
オデット/オディール:上野水香、ジークフリート王子:ロベルト・ボッレ
6月18日(土) 6:00p.m. 
オデット/オディール:小出領子、ジークフリート王子:後藤晴雄
6月19日(日) 3:00p.m. 
オデット/オディール:上野水香、ジークフリート王子:ロベルト・ボッレ

■会場:ゆうぽうとホール

■指揮:井田勝大

■演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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■入場料(税込)
[6/17, 6/19]
S=¥11,000 A=¥9,000 B=¥7,000 C=¥5,000 D=¥4,000
学生券=¥2,000 
(5/21(土)よりNBS WEBチケット(学生会員)のみで発売。25歳までの学生が対象。公演当日、学生証必携)
S席ペア割=¥21,000  A席ペア割=¥17,000
親子S席ペア券=¥16,500  親子A席ペア券=¥13,500
(3/24(木)よりNBS電話予約のみで受付) 
----------------------------------------
[6/18]      
S=¥9,000 A=¥7,000 B=¥5,000 C=¥4,000 D=¥3,000
学生券=¥1,000 
(5/21(土)よりNBS WEBチケット(学生会員)のみで発売。25歳までの学生が対象。公演当日、学生証必携)
S席ペア割=¥17,000  A席ペア割=¥13,000
親子S席ペア券=¥13,500  親子A席ペア券=¥10,500
(3/24(木)よりNBS電話予約のみで受付)


■前売開始日: 2月26日(土)10:00a.m.より 

■NBS WEBチケット先行抽選予約:2/9(水)10:00〜2/17(木)18:00

■お問い合わせ・お申し込み:
財団法人日本舞台芸術振興会 NBSチケットセンター 
TEL:03-3791-8888 (平日10:00〜18:00、土曜10:00〜13:00、日祝休)

photo:Kiyonori Hasegawa

東京バレエ団「ダンス・イン・ザ・ミラー」リハーサルレポート

取材・文:高橋森彦(舞踊評論家)


 現代バレエに革命をもたらしたモーリス・ベジャールが世を去って早3年。巨匠の厚い信頼を勝ち得てきた東京バレエ団が、新たなベジャール・レパートリーに挑む――。珠玉の名作群をベジャール作品の申し子、ジル・ロマンが編み直した「ダンス・イン・ザ・ミラー」の開幕が迫るなか、東京バレエ団スタジオで公開リハーサルが行われた。
 披露されたのは、冒頭に上演される『現在のためのミサ』ソロ&アンサンブル、"ラ・ダンス"と名付けられた場面だ。1967年に20世紀バレエ団が初演したもので、宗教儀式・祈りを主題とする。サイケデリックな興奮に満ちたピエール・アンリの音楽にのせたこの作品を皮切りに、"東京バレエ団が、モーリスの歩んだ道程を改めて知る旅"(ロマンによるプログラムノート)へと誘われる。
 ダンサーたちの、白のスニーカーにジーンズ姿という格好は、上着こそ違うとのことだが、本番同様という。芸術監督の飯田宗孝、バレエミストレスの友田弘子が見守るなか振付指導の那須野圭右(モーリス・ベジャール・バレエ団)が厳しくチェックを行い、緊張感の漂うリハーサルとなった。
 まずは女性群舞の確認から。寝転びつつ手を挙げ起き上がったり、腰を落としたりといった動きを経て、鳥が翼を羽ばたかせるように両手を上下させていったりする。手をはばたかせる振付の際、すかさず那須野の注意が入る。「手や肘でなく胸を起点として大きく回すように」。すると、見違えるように生気を増した動きへと変わってくる。
 続いて男性陣。上半身を大きく肉感的に用いた"ベジャール振り"を小気味よくこなすさまは壮観だ。その後出演者総出の通しへ。男女のパ・ド・ドゥで埋め尽くしたユニゾンは迫力満点で、小走りする、ひざまずいて祈るといった振付等や高岸直樹のソロも印象に残る。ダイナミックな動きのなかに深い精神性を湛えた秘儀空間が立ちあがった。

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 リハーサル終了後、那須野と「進行役」として多くの場面に登場するという木村に話を聞くことができた。
 那須野は、ロマンが公演前に来日して最後の仕上げを行うまでの指導を一任された。ベジャール作品を踊るに際し重要なのは「エナジー」と断言する。「(ベジャール作品は)形ではなく精神を伝えなければ意味がない」。バレエ学校時代から数えて10年にわたって晩年の巨匠の謦咳に接してきた自負は、熱心な指導ぶりからも伝わってきた。
 木村は、今回『火の鳥』のタイトル・ロールを踊る。自身何回踊ったか覚えていないと語るくらい踊り込んでいるが、踊ったあと目の前が真っ暗になるほど精魂を使い果たすという。那須野の助言も受けて心機一転挑むという『火の鳥』の演技、物語の進行者としての存在感に注目したい。
 "亡き偉大なベジャールへの祈りと、未来への希望"という構想に基づく「ダンス・イン・ザ・ミラー」は、"生きよ、踊り続けよ"というベジャール不変のメッセージを改めて実感させる舞台となりそうだ。

photo:Kiyonori Hasgeawa



●「ダンス・イン・ザ・ミラー」リハーサル映像



三者三様、熱風を巻き起こす「ボレロ」

吉田 裕(舞踊評論)


上野水香──  しなやかに謳う肢体が魅せる「決定版」メロディー

11-01.19-bolero01.jpg いま現在、本家のベジャール・バレエ以外では、彼女こそが「決定版」として人々の脳裏に焼き付いているのではないか。実際、国の内外を問わず、上野のしなやかに謳う肢体の神秘性に、客席は沸きに沸いた。その所作が訴えかけるベジャールの本意が声を発するとき、会場全体が圧倒的な高揚感に包み込まれてきたのである。
 だが、上野の凄みはそこにとどまらない。というのも、彼女のステージにはつねに驚きがあるからだ。同じ振付を二度とは同じ解釈では踊らない、という驚きが。たとえば、あるときは静かな闘志を燃やす挑戦者、あるときは獲物を狙う俊敏な豹、またあるときは天高く舞い上がる鷹 ──。豊かに膨らむイメージを喚起しつつ、舞台が生ものであるという実感を、上野ほど如実に呼び起こすメロディーはほかにはいない。
 次はどのような存在が目の前に立ち現われるのか。その謎が明かされる瞬間は近い。


高岸直樹──  元祖メロディーから円熟のメロディーへ

11-01.19-bolero03.JPG この名作がカンパニーのレパートリーとなったその日から、彼はいわば日本におけるメロディーの一番手、すなわち元祖だった。それまでのほかの誰とも似ていない、正真正銘の「アジアの雄」、そんな栄えある像を確立したパイオニアである。
 その本質を一言でいえば、トップ・アスリートのストイシズム、そして太陽神とでも評すべき大らかな男性性。いうなれば、はがねのような身体と、それを支える精神の高潔さ。これが、高岸が繰り出す『ボレロ』の興奮の源だ。赤い円卓の中心に在って揺るぎないリーダーシップを示しつつ、リズムたちの信頼を一身に集め、彼らに投げかける眼差しの一つひとつにも、大海原のように豊かな慈愛が満ちている。まさに高岸の舞踊人生を象徴しているかのようだ。彼のキャリアの深化に合わせ、このメロディーがさらに重厚化し、かつ完成の域に至っていることへの興味は尽きない。


後藤晴雄──  進化し続ける幻惑のメロディー

11-01.19-bolero02.jpg 2009年2月、彼はここ東京で初めてこの役を披露した。そのときの残像は、いま
だ記憶のすみずみまでをも覆っている。それまでの後藤のイメージを一新するかのような、謎めいた衝撃が走ったからにほかならない。
 客席に微笑みかけるように、柔らかな空気で始まった彼のメロディー。燃えるような激しさとも、また憑かれたような情熱とも一見距離があるものの、音楽とともに、いつの間にやら巻き込まれ、気がついてみるとすっかり幻惑し尽くされていた。が、これがなぜか無類に心地よい。全編をとおし、得体の知れぬマイルドな野生が彼を内面から衝き動かしていた。こんな『ボレロ』は見たことがなかったのである。
 「後藤のメロディーには、まだまだ先がある!」、と多くの観客に確信させたことだけは疑いがない。今後の進化を永く見続けたいとの思いを、皆が強烈に抱いている。

photo:Kiyonori Hasegawa



●東京バレエ団が誇る3人の「ボレロ」ダンサー。映像でもご覧ください!




東京バレエ団「ダンス・イン・ザ・ミラー」の初演にあたり、下記の概要でプレ・トークを開催いたします。初日、2日目には、今回演出を手がけた、ジル・ロマンが登場! ふるってご参加ください!



○東京バレエ団「ダンス・イン・ザ・ミラー」&「ボレロ」 プレトーク○


■2月4日(金) 18:25~18:45
   "「ダンス・イン・ザ・ミラー」とベジャール"  
   出演:ジル・ロマン(聞き手:佐藤友紀)

■2月5日(土) 14:25~14:45
   "「ダンス・イン・ザ・ミラー」とベジャール" 
   出演:ジル・ロマン (聞き手:佐藤友紀)

■2月6日(日) 14:25~14:45
   "私が観た、衝撃の「未来のためのミサ」" 
   出演:佐藤友紀 

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