インタビュー: 2010年5月アーカイブ

ルシンダ・ダン Lucinda Dunn

◇「白鳥の湖」ロットバルト男爵夫人/10月9日(土)3:00p.m.、10月11日(月・祝) 3:00p.m.
◇「くるみ割り人形」クララ/10月15日(金)6:30p.m.、10月17日(日)3:00p.m.



「ルシンダ・ダンはスーパースターだ!」 

―――サンデー・ヘラルド・サン


10-05.20Lucinda01.jpg●誕生日:1973年12月10日
●出身地:オーストラリア、シドニー
●身 長:162.5cm

シドニーでジャネス・グレアム、ターニャ・ピアソンに師事した後、ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップを獲得し、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。その後、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団で活躍する。
1991年、オーストラリア・バレエ団と契約し、2002年にプリンシパル・アーティストに昇格。奨学金を得ての海外研修を積み、オーストラリア・バレエ団では、ロバート・チューズリーやブルース・サムソンなど海外からのゲストと数多く踊っている。
強靭なテクニックを伴った音楽的なダンサーで、純粋なクラシック・バレエに卓越すると同時に、物語バレエでの演技を得意とし、コンテンポラリー作品にも取り込んでいる。


●Mail インタビュー

---日本公演で演じる役柄について

 わたしは「白鳥の湖」でロットバルト男爵夫人と「くるみ割り人形」ではクララを踊らせていただきますが、それぞれの役柄は解釈も性格もまるで異なっています。しかしどちらもひじょうにリアルなキャラクターであり、その感情の動きを余すところなく舞台で表現したいと思っています。
 どちらについてもまず話の筋が面白く、舞台美術や衣装がとても美しいです。演劇的かつ独創的でもあります。魅力的なパ・ド・ドゥが盛り込まれ、従来の古典的解釈とは異なる斬新な作品になっています。


---オーストラリア・バレエ団の魅力

 わたしたちは世界でも最多レベルの公演数を誇るカンパニーであり、勤勉で、バレエを心から愛しています。そうしたことがすべて舞台に反映されているのです。


---日本の印象

 幸せなことにオーストラリア・バレエ団の公演で日本には何度も訪れています。最近では2009年の世界バレエフェスティバルの際に東京に参りました。日本の文化、食物、てきぱきとした仕事ぶり、そして芸術のなかでもとりわけバレエを愛してくださる日本のみなさんが大好きです。


---日本の観客の皆さまへのメッセージ

 いつも応援していただきありがとうございます。出口で待っていてくださるファンのみなさまのあたたかさは日本ならではで、深く感謝しております。今年の日本公演も気に入っていただけると思います。ぜひ劇場でお会いしましょう。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「ルシンダはどんな役も見事にこなす実力派バレリーナである。彼女はアーティストとして絶頂期を迎えており、彼女の存在が共演者全員の士気を鼓舞している」


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photo:Liz Ham,Tim Richrdson

ロバート・カラン Robert Curran
◇「白鳥の湖」ジークフリート王子/10月9日(土)3:00p.m.、10月11日(月・祝) 3:00p.m.
◇「くるみ割り人形」医師・将校・恋人/10月15日(金)6:30p.m.、10月17日(日)3:00p.m.



「素晴らしく叙情的で繊細なダンサー」

―――サンデー・ヘラルド・サン


10-05.19Robert01.jpg●誕生日:1976年4月29日
●出身地:オーストラリア、メルボルン
●身 長:183cm

 オーストラリア・バレエ学校卒業後、1996年にオーストラリア・バレエ団に入団。2002年プリシパル・ダンサーに昇格。バレエ団では、多くのクラシック作品、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイス、スタントン・ウェルチ、ジョージ・バランシン、ジョン・クランコ、ステファン・ベインズ、ジェローム・ロビンズ、ケネス・マクミランなどを含むコンテンポラリー作品を踊り、そのパワフルなパートナーリングで才能を発揮している。特に、パ・ド・ドゥの技術や舞台でのドラマ・感情表現における共演者との相互作用を楽しむダンサーである。
 オーストラリア・バレエ団の海外ツアーに数多く参加し。また、振付への意欲を持つようになったことから、バレエ団で3つの作品の振付を担当している。


●Mail インタビュー

---日本公演で演じる役柄について

10-05.19Robert02.jpg 「白鳥の湖」のジークフリート王子は、舞台に立ちながら創っていく役だと思っています。この作品の振付けや構造によってダンサーは別世界に誘われ、現実と同じように物語のなかの出来事に反応してゆきます。それは、あらかじめ想定した感情とは正反対の、自然な感情の変化なのです。
 「くるみ割り人形」の医師と恋人はさまざまな面を持つ役柄であり、不器用な医師とロマンチックな恋人の対照的な魅力を演じ分けるのが楽しいです。ですが、役のどの部分を演じていても、クララを救うヒーロー的な人物であることには違いないですね。
 とにかく劇場に来て、ご覧になってください! 絶対にがっかりさせることはありません。


---オーストラリア・バレエ団の魅力

 我がバレエ団は物語の完全性を重視しています。ですから、観客席にいるお客さまをつかのま現実の世界から離れて、すばらしい旅に誘うことができるのです。


---日本の印象

 これまでに何度日本を訪れたかはもうわからないほどで、日本のすべてが大好きです! 機会があれば喜んで日本で暮らすでしょうし、まだ行ったことのない場所を訪れるのを楽しみにしています。
 文化会館の目と鼻の先にある、上野の商店街にあるお気に入りのお寿司屋さんに行くのが特に楽しみです。毎年行っていますが、決して期待を裏切りません。ぼくは日本食が大好きなんですよ!


---日本の観客の皆さまへのメッセージ

 みなさんにお会いするのをとても楽しみにしていますし、今回の公演をみなさんに是非楽しんでいただきたいと思っています。いつもあたたかい応援をほんとうにありがとうございます。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「ロバートはあらゆるバレリーナが競ってパートナーを組みたがる真のプリンスである。そのパートナーぶりは伝説的で、彼といっしょに踊ったバレリーナはもとより観客席の女性もみな彼に恋をしてしまうのだ」

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photo:Liz Ham,Jim McFarlane

マドレーヌ・イーストー  Madeleine Eastoe
◇「白鳥の湖」オデット/10月9日(土)3:00p.m.、10月11日(月・祝) 3:00p.m.


「その踊りは大胆不敵でいて完璧」

―――ヘラルド・サン


10-05.18Madeleine01.jpg●誕生日:1978年9月14日
●出身地:オーストラリア、パース
●身 長:156cm

オーストラリア・バレエ学校を卒業後、1997年にオーストラリア・バレエ団に入団。2006年「ジゼル」デビューの成功でプリンシパルに昇格する前から、多くの主役を演じていた。
2007年ステファン・ベイノス振付「コンスタント・ヴァリアンツ」を初演。また、「リーズの結婚」と「ジゼル」では、それぞれゲスト・アーティストのアンヘル・コレーラ、セドリック・イニアースと共演している。
オーストラリア・バレエ団ロンドン公演初日に、グレアム・マーフィー版「白鳥の湖」のオデットを踊ったほか、2007年の日本ツアー、2008年のパリ、マンチェスターツアーでもオデットを踊っている。バレエ団の中国、シンガポール、ニュージーランド、アメリカツアーにも参加している。
主なレパートリーに、ピーター・ライト版「くるみ割り人形」(2007)、「ドン・キホーテ」(2007)、「コンスタント・ヴァリアンツ」(2007)、「ジゼル」(2006)、「ラ・シルフィード」(2005)、グレアム・マーフィー振付「白鳥の湖」、「リーズの結婚」(2004)、「ロミオとジュリエット」(2003)、グレアム・マーフィー振付「くるみ割り人形」(2000)など。


●Mail インタビュー

---「白鳥の湖」のオデットについて

この役はこれまでにも何度かやらせていただいておりますので、日本公演ではこれまで通りにやる部分もありつつ、役により趣きある陰影を与えられるような新しいアイディアを見つけたいと思っています。
 マーフィー版「白鳥の湖」は豪華絢爛な視覚の響宴です。心を打つストーリーが作品の柱となり、踊りに生命を吹きこむことに成功しています。


---オーストラリア・バレエ団の魅力

 オーストラリア・バレエ団は古典だけではなく、オーストラリアならではのテーマを持つ作品にも意欲的な、他に類を見ないカンパニーなのではないかと思います。


---日本の印象と観客の皆さまへのメッセージ

 日本というのはすごい国だと思います。物事がきちんと秩序に則って進んでいくところに感心させられます。食事もほんとうにすばらしいし、文化も並外れています。
 今度の日本公演には娘を連れて行くつもりなので、観光などはあまりできないかもしれませんが、少しでも外に出かけて日本の雰囲気を味わいたいと思っています。
 今度の公演に是非お越しいただき、わたしたちと一緒に時空を超える旅に出かけましょう。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「マドレーヌはだれにも似ていない独自の存在感を持つアーティストである。彼女は自分が踊る役になりきり、他のキャスト全員を彼女の旅へと誘う。彼女の踊りはあらゆる点で見る者を虜にする魅力に満ちている」

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photo:Jim McFarlane

レイチェル・ローリンズ Rachel Rawlins
◇「くるみ割り人形」クララ/10月16日(土)3:00p.m.


「頭の先からつま先までクラシック・バレリーナ」

―――オーストラリアン


10-05.17Rachel01.jpg●出身地:オーストラリア、メルボルン
●身 長:164cm

 キャンベラで育ち、当地でデル・ブラディにバレエを学ぶ。メルボルンでは、ビクトリア芸術大学、ナショナル・シアター・バレエ・スクール、オーストラリア・バレエ学校に学んだ。ナショナル・バレエ・スクール・オブ・カナダには6ヶ月間留学。1992年にオーストラリア・バレエ団に入団し、95年にソリストに昇格。99年に英国ロイヤル・バレエ団に招かれ、ファースト・ソリストとして活躍、2002年にオーストラリア・バレエ団に復帰した。
 主なレパートリーは、グレアム・マーフィー振付「白鳥の湖」オデット(2009,2008,2005,2004)、グレアム・マーフィー振付「くるみ割り人形」クララ(2009)、ケネス・マクミラン振付「マノン」マノン(2008)、ピーター・ライト振付「くるみ割り人形」金平糖の精(2007)、ルドルフ・ヌレエフ振付「ドン・キホーテ」キトリ(2007)、「ライモンダ」ライモンダ(2006)、「ジゼル」ジゼル(2006,2008)など。



●Mailインタビュー


---「くるみ割り人形」のクララについて

10-05.17Rachel02.jpg グレアム・マーフィー版「くるみ割り人形」では、クララ役は三人のアーティストがそれぞれ彼女の人生の各ステージを担当します。ですから他の二人、すなわちこども時代のクララを演じるアーティスト、そしてバレリーナとして世界中で踊っていた在りし日を回想する女性を演じるアーティストと心を通わせるよう努力しています。わたしはそのバレリーナ役なので、役作りにあたってはわたし自身の人生経験や踊りへの情熱を活かしています。
 この作品の魅力は、オーストラリアならではの「くるみ割り人形」だということではないでしょうか。この作品は、オーストラリアのバレエの歴史と密接に結びついた一人の女性の生涯を描いています。また、舞台美術や衣装、そしてチャイコフスキーの楽曲はどれも心奪われるような美しさです。

---オーストラリア・バレエ団の魅力

 オーストラリア・バレエ団はじつに非凡なカンパニーです。オーストラリア最大のバレエ団であり、毎年全国公演を行っています。公演スケジュールは年間およそ200にのぼります。そして最高レベルの踊りで観る人に感動を与えることに専心しています。

---日本の印象

 日本にはこれまで何度か訪れています。昨年は東京で開催された世界バレエフェスティバルにお招きいただきました。ほんとうにすばらしい時間を過ごすことができ、あのような祭典に参加させていただいたことを深く感謝しております。日本のみなさんはバレエを真に理解し、惜しみなくご支援してくださるので、とてもうれしく思っています。
 東京というすばらしい街を探検し、もっとよく知りたいと思っています。劇場の近くにとても美味しいこじんまりしたお寿司屋さんがあるので、そこには間違いなく足を運ぶと思います。公演後の疲労回復に効果抜群の岩盤浴にも行くつもりです。それから、ぜひ歌舞伎見物をしてみたいです――今度こそ行けますように。

---観客の皆さまへのメッセージ

 白鳥の湖と「くるみ割り人形」という古典の、美しいオーストラリア版バレエをぜひみなさまに楽しんでいただきたいと思います。今後ともオーストラリア・バレエ団をどうぞよろしくお願いいたします。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント


「レイチェルの心のこもった踊りは、彼女の役柄にはかりしれない感情的奥ゆきを与える。舞台の上で彼女が見せる儚さや傷つきやすさは、見る者の心を打たずにはおれない」


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photo:Tim Richrdson

ケヴィン・ジャクソン Kevin Jackson
◇「くるみ割り人形」医師・将校・恋人/10月16日(土)3:00p.m.


10-05.16-01.jpg●誕生日:1984年5月22日
●出身地:オーストラリア、パース
●身 長:179cm

 生地のパースで、7歳のときにダンスを始める。さまざまなスタイルのダンスを学ぶと同時に、歌のレッスンも受け、いくつかのミュージカルの舞台に立つ。1999年からパースでクラシック・バレエのレッスンをはじめ、2003年オーストラリア・バレエ団に入団。2010年のシーズンより、シニア・アーティストに昇格。
 主なレパートリーに、グレアム・マーフィー振付「白鳥の湖」(2009)、スタントン・ウェルチ振付「眠れる森の美女」(2009)、ウェイン・マクレガー振付「ダイアド1929」(2009)、ナチョ・デュアト・プログラム(2009)、スタントン・ウェルチ振付「ダイバージェンス」(2009)、グレアム・マーフィー振付「くるみ割り人形~クララの物語」(2009)、グレアム・マーフィー振付「火の鳥」(2009)、ケネス・マクミラン振付「マノン」(2008)など。


●Mailインタビュー


---「くるみ割り人形」で演じる役柄について

 「くるみ割り人形」では、ぼくはまず内気で変わり者の医師として登場し、それから若かりしころのクララの最愛の恋人である将校になります。つまり、ほんとうにすばらしい役を演じるチャンスをいただいたわけです。そのうえ、あのように魅力的なクララ(レイチェル・ローリンズ)に夜毎、恋に落ちることができるわけですから、ほんとうにラッキーだと思っています!
 マーフィー版「くるみ割り人形」は、ひじょうに独創的です。観客のみなさんは、ロシアでの青春時代に始まって世界各地を旅して回り、最後はオーストラリアのメルボルンで老境を迎える、一人のバレリーナの生涯を見守ります。この物語には情熱、悲劇、そして愛が織り込まれ、一人の女性の人生をたどる本当の旅となっているので、観る者を感動させるのです。

---オーストラリア・バレエ団の魅力

 他の国と地続きではないオーストラリアの独自性が、カンパニーに多様性を与えるとともに、バレエの世界において他とは一線を画す存在にしているのだと思います。


---日本の印象と観客の皆さまへのメッセージ

 美しい文化、親切な人々、美味しい食事、ぼくは日本のなにもかもが大好きなんです。そしてこのあいだ日本を訪れた際に行ったカラオケはとても楽しかったですね。
 時間があれば、銀座で観光をし、六本木と新宿で夜遊びをし、鎌倉にお寺や神社を観に行きたいですし、他にもいろいろなことがしたいです。
 大好きな日本での公演で主役という大役を得てたいへん嬉しく、夢がかなった思いです。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「ケヴィンはオーストラリア・バレエ団で人気実力ともに急上昇の新星の一人。演じる役柄ひとつひとつに全身全霊をかけてのぞむ、ひたむきで熱意あふれるダンサーである」


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photo:Tim Richrdson

ダニエル・ロウ Danielle Rowe
◇「白鳥の湖」ロットバルト男爵夫人/10月10日(日)3:00p.m.


「頂点に立つバレリーナだけが持つ成熟した輝きとエネルギー」

―――シドニー・ヘラルド・サン


10-05.16Danielle01.jpg●誕生日:1982年6月28日
●出身地:オーストラリア、シェパード
●身 長:173cm

南オーストラリア州のシェリル・ブラッドレー・スタジオで11年学んだ後に、ニュー・キャッスルのマリー・ウェルトン・マホンに師事する。その後メルボルンに移り、オーストラリア・バレエ学校入学。在学中に、フォールディングス奨学金を含むスカラシップを受け、卒業に至る。2001年オーストラリア・バレエ団に入団。2005年ソリストに昇格。同年リサ・ブラック記念スカラシップを受賞する。批評家にも賞賛された、多くの主演作が高く評価され、2007年にシニア・アーティストに、そして2008年6月にプリンシパルに昇格。前回の日本公演では「眠れる森の美女」でリラの精を踊っている。
主なレパートリーに、グレアム・マーフィー振付「くるみ割り人形~クララの物語」(2009)、「バレエ・インペリアル」(2008)、「コンチェルト」(2008)、グレアム・マーフィー振付「白鳥の湖」ロットバルト男爵夫人(2008)、スタントン・ウェルチ「眠れる森の美女」(2007,2006,2005)、「ドン・キホーテ」(2007)、「アポロ」(2007)など。


●Mailインタビュー

---「白鳥の湖」のロットバルト男爵夫人について

 グレアム・マーフィーとジャネット・ヴァーノンは、古典バレエの魅力や現実逃避性を損ねることなく現代人にも深く共感できるものにしています。
 ロットバルト男爵夫人は美しく魅力的ですが、計算高く、人の心を操るのに長けています。しかし彼女の権力への渇望はすなわち、わたしにも共感できる弱さがあることを露呈しているのです。わたしは再びロットバルト男爵夫人という複雑な女性になることを楽しんでいますし、日本公演のリハーサルを重ねながら、より説得力を持った人物像を創りあげてゆきたいと思っています。

---オーストラリア・バレエ団の魅力

 レパートリーの広さ、表現力の豊かさ、素朴さ、団結の強さ......オーストラリア・バレエ団が誇る、他では見られない特色です。


---日本の印象と観客の皆さまへのメッセージ

 オーストラリア・バレエ団の日本公演で東京を訪れたほか、京都や沖縄にも足を運んだことがあります。日本で好きなところは、秩序正しさ、清潔さ、そして人々が互いに示す思いやりですね。テーマパークが大好きなので、今回時間があればぜひディズニーシーに行ってみたいです。
 前回のオーストラリア・バレエ団日本公演の際に、あれほどあたたかく、バレエのことをよく理解してくださっている観客の前で踊れたことはたいへんな喜びでした。今度の公演もぜひ観にいらして、楽しんでください。

●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「ダニエルはそのすばらしいテクニックと卓越した芸術性により、舞台に華やぎを与えるダンサーです。彼女はオーストラリア・バレエ団の一員として、またゲスト・アーティストとしてさまざまな作品を踊り、世界中の観客を虜にしています。彼女の踊る華麗な男爵夫人は、間違った男を愛してしまった情熱的な女性の姿を我々に見せてくれるのです」


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photo:Liz Ham,Jim McFarlane

アダム・ブル Adam Bull
◇「白鳥の湖」ジークフリート王子/10月10日(日)3:00p.m.


その優しさと慎み深さは、真のダンスール・ノーブルである」

―――イギリス/オブザーバー


10-05.12AdamBull_photoJamesBraund.jpg●誕生日:1981年8月18日
●出身地:オーストラリア、メルボルン
●身 長:193cm

オーストラリア・バレエ学校に在学中の2000年、オーストラリア代表として、パリ国際バレエコンクールに出場。2001年優秀な成績でバレエ学校を卒業する。2002年オーストラリア・バレエ団に入団し、ジョージ・バランシン、イリ・キリアン、グレアム・マーフィー、クリストファー・ウィールドン、ステファン・バイノス、スタントン・ウェルチ、アドリアン・バーネットの作品で、ソリストやプリンシパルの役柄を踊る。2008年6月、シニア・アーティストに昇格してわずか6ヶ月で、一連の主演作が高く評価され、最高位のプリンシパルに昇格。
主なレパートリーは、グレアム・マーフィー振付「くるみ割り人形」-クララの物語(2009)、グレアム・マーフィー振付「火の鳥」(2009)、「レ・シルフィード」(2009)、ケネス・マクミラン振付「マノン」デ・グリュー(2008)、「バレエ・インペリアル」(2008)、「牧神の午後」(2008)、グレアム・マーフィー振付「白鳥の湖」ジークフリート王子(2008)、ピーター・ライト版「くるみ割り人形」(2007)、「アポロ」(2007)、「ドン・キホーテ」(2007)など。


●Mailインタビュー


------「白鳥の湖」のジークフリートについて

10-05.13Adam02.jpgグレアム・マーフィー版の「白鳥の湖」は、ぼくがオーストラリア・バレエ団に入った年(2002年)に制作され、そのときにはウェイター役を踊りました。以来、この作品ではさまざまな役をいただき、2008年にジークフリート王子役でデビューを果たしました。ジークフリートはぼくがこれまでに演じたなかでも一、二を争う難役で、ダンサーは肉体的にも芸術的にもひじょうに多くのことを要求されますが、それだけにとてもやりがいがあります。
 このマーフィー版「白鳥の湖」は、オーストラリア・バレエ団のレパートリー中もっとも成功を収めている作品です。物語の人間ドラマと故クリスティアン・フレデリクソンの見事な舞台美術と衣装、さらにチャイコフスキーの美しい音楽があいまって観る人を魅了します。


------オーストラリア・バレエ団の魅力

 オーストラリア人ダンサーたちのみなぎるエネルギー、力強さ、情熱には定評があります。ぼくたちは世界でもっとも過密な公演スケジュールをこなす勤勉なカンパニーなのです。


------日本の印象と観客の皆さまへのメッセージ

 前回の日本公演に参加し、そのときに日本が大好きになりました。ぼくは日本人ほど寛大で謙虚でりっぱな人々には会ったことがありません。再び美味しい日本食を味わい、日本文化に触れるのを心待ちにしています。
 今回もし時間が取れればぜひ京都に行ってみたいですね。京都という街の歴史や美しさはみなが絶賛していますから。またディズニーランドにも行けたらいいなと思っています。
 ほんとうにバレエを愛してくださっている熱心な日本のバレエファンのみなさんの前で踊るのを楽しみにしています。ぼくが日本公演を心待ちにしているのと同じくらいみなさんもわくわくして下さっているといいなと思っています。では、みなさん劇場でお会いしましょう!


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「アダムはオーストラリア・バレエ団でもっとも多芸多才かつエキサイティングなダンサーであり、偉大な古典バレエを踊るのも新作で振付家のミューズとなるのもお手のもの。圧倒的なテクニックと観る人を魅了してやまない存在感を持つアダムは、王子そのものです」

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photo:Liz Ham,Jim McFarlane

3年ぶりとなるオーストラリア・バレエ団日本公演のチケットが、いよいよ5月22日(土) より一斉発売開始となります。
今回の公演では、2007年の公演や昨年の世界バレエフェスティバルでの活躍が記憶に新しいルシンダ・ダン、ロバート・カラン、レイチェル・ローリンズ、前回も「白鳥の湖」のオデットを演じたマドレーヌ・イーストーなど、日本のバレエファンにもお馴染みの顔ぶれに加え、アンバー・スコット、アダム・ブル、ダニエル・ロウ、ケヴィン・ジャクソンという、ここ数年目覚しい活躍をみせる若手ダンサーも登場。魅力あふれるキャスティングとなっています。
「もっとダンサーのことを知りたい」と思っていらっしゃる方も多いはず。
そこで一斉発売を前に、ダンサーへのメールインタビューを元に、芸術監督のデヴィッド・マッカリスターの一言紹介もまじえて、主演ダンサー8名を紹介してまいります。
第1回目は、「白鳥の湖」でオデットを演じるアンバー・スコットです。


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アンバー・スコット Amber Scott
◇「白鳥の湖」オデット/10月10日(日)3:00p.m.


「冷静さと鋼のような自信、あらゆる点でプリマ・バレリーナである」
―――ヘラルド・サン

10-05.12Amber Scott_photoJamesBraund.jpg●誕生日:1983年4月12日
●出身地:オーストラリア、ブリスベン
●身 長:168cm

11歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。同校を主席で卒業し、2001年オーストラリア・バレエ団に入団。2003年、ダンサーの交換制度でデンマーク・ロイヤル・バレエ団に4ヶ月間派遣され、じかにブルノンヴィル・スタイルを学ぶ機会を得る。詩的で音楽的なダンサーであるとともに、確かなテクニックを持ち、コンテンポラリーにおいても活躍している。
2008年シニア・アーティストに昇格。2008年には、ゲスト・アーティストのロバート・テューズリーと「マノン」を、またパリとマンチェスターでアダム・ブルと「白鳥の湖」を踊っている。
主なレパートリーは、スタントン・ウェルチ振付「眠れる森の美女」(2009)、ウェイン・マクレガー振付「ダイアド1929」(2009)、グレアム・マーフィー振付「火の鳥」(2009)、「ペトルーシュカ」(2009)、ケネス・マクミラン振付「マノン」(2008)、「牧神の午後」(2008)、「白鳥の湖」(2008)、「白の組曲」(2009)など。


●Mail インタビュー


------「白鳥の湖」のオデットについて

10-05.12Scott_photoLizHam01.jpg 「白鳥の湖」のオデットには、クリスタルのようなイメージを持っています。周囲の人間やその行動に影響を受けて、じわじわと内側から壊れていく繊細で純粋な人間です。なるべくリハーサルの早い段階から役柄に入り、踊りに磨きをかけ、パートナーと息を合わせることに全力を注ぎたいと思っています。
 この作品はグレアム・マーフィーの傑作であり、オーストラリア・バレエ団が物語の中で交差する人間模様や感情を、いかに説得力をもって表現できるかを実感いただけます。また、舞台美術や衣装もほんとうにすばらしく、観客のみなさんを別世界に誘ってくれるに違いありません。


------オーストラリア・バレエ団の魅力

 才能あふれるダンサーが揃った若さと意欲に満ちたカンパニー、それがオーストラリア・バレエ団です。また、わたしたちダンサーの動きがスポーツ選手のようにダイナミックなのは、オーストラリアのライフスタイルが反映されているのかもしれません。オーストラリア人は今なお文化的アイデンティティという意味から発展途上にありますし、さまざまな人種が共存する国であるため、芸術的に非常にオープンだと思います。先入観にとらわれず、進んで新たな潮流から学ぼうとする。これは、ダンサーにとってとりわけ重要な資質なのです。


------日本の印象と観客の皆さまへのメッセージ

 日本に行くのは今回で三度目になります。一度目はアジア・パシフィック国際バレエコンクールで金メダルをいただいた十六歳のときでした。
 今度のツアーでは、ぜひカラオケに行きたいですね。歌はあまり上手くないのですが、カラオケが大好きなんです。それから京都や富士山を訪れてみたいと思っています。今回その時間があるかどうかはわかりませんが、いつか必ず行ってみたいです。
 オーストラリア・バレエ団は日本公演を心待ちにしています。日本のみなさんが、二つの古典バレエの独創的なオーストラリア版新解釈を楽しんでくださいますように願っています。


●芸術監督デヴィッド・マッカリスターのコメント

「アンバーは物語を紡ぎ、観客を感動させるすばらしい才能を持ったダンサーです。まだコリフェのときに初めてオデットを踊り、観客の涙を誘いました」

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photo:Liz Ham,Jim McFarlane

「内側から湧き出るような演技を目指したい」

取材・文/高橋彩子(舞踊・演劇ライター)


10-05.04_426f.jpg 僕にとって『オネーギン』は、ノイマイヤー振付『椿姫』と並んでもっとも好きな作品。20年ほど前にカナダ・ナショナル・バレエの映像を目にしたのが最初かな。以来、この作品のさまざまな映像や舞台を観てきましたが、とくにこの何年か、ドラマティックな作品を踊りたいという思いが高まり、どんどん惹かれていきましたね。
 とはいえ、いざ踊ってみると大変でした。まず技術面。アクロバティックなリフトに最初はまったく歯が立たず、繰り返し練習したら筋肉がパンパンに張ってしまって。3週間の稽古も終盤になるころ、ようやくコツがつかめて楽になってきましたね。コツとは要するにタイミング。相手と自分の踏み込みをどうすれば成功するのかーーーたとえば高く飛び上がってその反動を利用するとか、そういうことです。身体は一人一人違うので、何度も試す中で、うまくいく方法をつかむしかないんです。
 一方、演技面で目指すのは、映画のような自然さ。1幕のオネーギンは言葉にならない倦怠感・絶望感でおおわれている。すべてが煩わしいんでしょう。そうした彼のたたずまいをリアルに描きたいです。ただし、タチヤーナの夢の場面に限っては、彼女の理想像ですから優しく素敵にと。そして3幕では、10年前に恋文をくれた女性がきれいになった姿を見、自分の気持ちに気づいて愕然とする......。いずれにせよ、理屈よりも、動くうちに生まれる感情に従って演じていきたいと考えています。リフトなどでおのずと"動"の部分が出るはずなので、演技では"静"を意識し、内側から湧き出るものを表現したい。その点、パートナーの吉岡美佳さんも内に秘めたものを表すことのできる人なのでやりやすいですよ。
 最終的には技術面と演技面をつなげ、なにもかもが細かく滑らかな、それこそ"踊る演技"といった雰囲気を作ることが理想です。ここ数年は古典/現代作品の区別なく、どれも演劇的に、指先一つにも表情がつくよう心がけて踊ってきました。その意味ではこれまでの経験がすべてつながっています。雑に見えないよう、あくまで丁寧に、心を込めて踊りたいですね。


photo:Shinji Hosono、make-up:Kan Satoh

「今がタチヤーナを踊るベスト・タイミングなのかも」

取材・文/高橋彩子(舞踊・演劇ライター)


10-05.01_893f.jpg タチヤーナ役には大変な思い入れがあるんです。きっかけは、モーリス・ベジャールさんが「ユカリは『オネーギン』のタチヤーナを踊るべきだ」と言ってくださったこと。それで、この作品の勉強を始めました。やがて結婚してロシアへ行き、ロシア語のレッスンを受けている時、文法の複雑さにくたびれている私を見かねた先生が「何にだったら興味がある?」と。「プーシキンの『オネーギン』です」と答えたら、なんと先生はプーシキンの専門家、"プーシキニスト"だったんです! その日から小説『オネーギン』が教材となりました。だから私がロシア語を話せるようになったのはこの作品のおかげです。
 その後、ベジャールさんや(東京バレエ団代表の)佐々木さんのご尽力により、91年の第6回世界バレエフェスティバルで、タチヤーナを踊ることができるかもしれないという機会が訪れました。第3幕の「手紙のパ・ド・ドゥ」をオリジナルキャストのマリシア・ハイデさんが指導してくださり、リチャード・クラガンさんのオネーギンとともにゲネプロを終え、本番も衣裳メイクを付け、舞台袖で待機していたのですが、書類が整わず実現しなくて。ハイデさんにお借りした頭飾りをお返ししようとした時、「将来必ず踊ることになるから持っていなさい」と言われたのをおぼえています。その後も踊れる可能性が浮上しては消え、諦めかけた矢先に今回の上演が決まってタチヤーナに選ばれ、本当に幸せですね。
 小説とバレエとは違いますけれども、ロシアで暮らす私は、ロシア国民にとってのプーシキンの存在を意識せずにはいられません。彼の誕生日には何百人もの人が広場に集まり、韻文で書かれたこの小説のフレーズを一人ずつ暗唱してつないでいくんですよ。あと、忘れたくないのが、彼の世界ではタチヤーナはロシア、オネーギンはヨーロッパの象徴だということ。つまり、異文化なんです。
 もし91年の時点で踊っていたら、この奥深い世界をきちんと表現できなかった気がします。年齢を重ね、たくさんのことを学んだ今だからこそのタチヤーナを踊りたいと思います。


(NBSニュース Vol.278より転載)

photo:Shinji Hosono、make-up:Kan Satoh

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