2017年10月アーカイブ
>>>モーリス・ベジャール・バレエ団2017年日本公演 公演情報はコチラ
ザハロワとも踊った十八番のアルマンを、ベスト・パートナーと披露
今回の日本公演『椿姫』で主演予定のエドウィン・レヴァツォフは、金髪長身という華やかな容姿と長い四肢を活かした伸びやかな踊りが舞台上でひときわ目を引く、地元ハンブルクでも大人気のプリンシパル。モスクワ・バレエ学校時代、たまたま覗いたスタジオで踊られていた『椿姫』をノイマイヤー作品と知らずに観て、それまで感じたことのない強い衝撃を受けたというレヴァツォフは、その数年後、ローザンヌ国際バレエコンクールでノイマイヤー本人に見出され、運命の糸に導かれるようにしてハンブルクにやって来た。
ノイマイヤーのもとで学んだことの中でもっとも大切にしていることは、"演技をするのではなく、そのキャラクターを生きること"だと語ってくれたレヴァツォフ。単なるパントマイムに終わらない、役柄の"魂"を感じさせる力強くも繊細な踊りは、その圧倒的な存在感とともにノイマイヤー自身のインスピレーションとなり、『ヴェニスに死す』の美少年タッジオ役、『タチヤーナ』でのオネーギン役、『リリオム』の天国の判事役、新作『アンナ・カレーニナ』のヴロンスキー役など、毛色のまったく異なる幅広い役がレヴァツォフのために振付られてきた。
『椿姫』のアルマン役に関しては、若さゆえの情熱と残酷さで高級娼婦を翻弄する青年という役どころが端正な容貌にこの上なく似合い、2015年にはボリショイ劇場に招かれスヴェトラーナ・ザハーロワの相手役も務めたほどで、今やレヴァツォフの十八番ともいってもいい役。日本公演では、妻アンナ・ラウデールとの間の至高のパートナーシップを見ることができるだろう。
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バレエ界に愛と革命をもたらし、日本と深い繋がりをもった天才振付家モーリス・ベジャール。11月のモーリス・ベジャール・バレエ団の来日は、その没後10年/カンパニー来日50周年を記念したものですが、なかでもモーリス・ベジャールの命日(11/22)と翌日に開催される〈ベジャール・セレブレーション〉はそのハイライトです。
このたび、その公演会場にて以下の特別企画の実施が決定しました。希代の振付家ベジャールを、これまでの舞台の映像や遺品で偲び、彼への想いを言葉に綴り、そして舞台上のダンサーたちと共に祝う"ベジャール10年祭"にどうぞご参加ください。
■〈ベジャール・セレブレーション〉特別企画
① 来日50周年記念 秘蔵映像上映
モーリス・ベジャール・バレエ団のこれまでの日本公演の記録映像を特別編集した映像(20分)を、開演前に舞台上で上映します。※途中入場可
【スケジュール】
11月22日(水) 開場18:15 映像上映18:30~18:50 (舞台)開演19:00
11月23日(木・祝) 開場13:15 映像上映13:30~13:50 (舞台)開演14:00
② 〈ベジャールへの手紙〉を書こう!
当日舞台で上演される「テム・エ・ヴァリアシオン」(※)にちなんで、会場ロビーに10年祭の特別祭壇を設置し、ベジャールへの想いを綴った手紙を供える場を設けます。
※芸術監督のジル・ロマンが、生前のベジャールから受け取っていた手紙に対する、"ダンサーの身体で綴るベジャールへの返事"として創作された。
③ ベジャール遺品&関連品特別展示
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当初12月17日(日)に母役で出演を予定していた崔美実は、一身上の都合により公演に出演できなくなりました。代わりまして政本絵美が同役をつとめます。このたびの変更につきまして、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
ベジャールの「くるみ割り人形」
12月17日(日)14:00開演
母役
崔 美実 → 政本 絵美
※上記の配役は10月11日現在の予定です。出演者の怪我・病気、その他の都合により変更になる場合がありますのでご了承ください。変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の振り替えはいたしません。正式な配役は公演当日に発表します。
脳科学者の茂木健一郎が、日本、そして世界で"挑戦"をテーマにチャレンジしている人々をゲストに迎えて送るTOKYO FMの人気番組「DreamHEART」に、モーリス・ベジャール・バレエ団の芸術監督ジル・ロマンが10月7日(土)と14日(土)に出演します。
学生時代に20世紀バレエ団をご覧になっていたという茂木さん。「ボレロ」や「魔笛」など来日公演の演目について、ベジャールの天才性について、振付家、芸術監督としてのジル・ロマン自身の取り組みや、現在のベジャール・バレエ団の使命についてなど、2週にわたって熱いトークが繰り広げられます。ベジャール・ファン、バレエ・ファン必聴です!
番組名:Dream HEART
毎週土曜 22:00~22:30 TOKYO FM/JFM系列全国38局ネットで好評ON AIR中
ジル・ロマン出演日:10月7日(土)、10月14日(土) 22:00~22:30
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■ モーリス・ベジャール・バレエ団&東京バレエ団特別合同公演
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二つの演目で主役を任された大注目の新鋭
前回のハンブルク・バレエ日本公演で一躍注目を浴びたのが、アレクサンドル・トルーシュである。『真夏の夜の夢』三公演すべてで、いたずら好きの妖精パックを踊り、チャーミングな魅力を振りまいたかと思えば、「ノイマイヤーの世界」では、ノイマイヤーの想いがつまる『くるみ割り人形』を任され、さらにはアリーナ・コジョカルと『椿姫』のワンシーンまで踊ったのだから。テレビでも放映された2014年の新制作バレエ『タチヤーナ』では、重要な登場人物のひとり、情熱的な作曲家レンスキーを踊り、みずみずしくもナイーブな心理描写が印象に残る。
だが、日本では踊る機会も少なく、その真価を私たちはまだ知らない。『椿姫』と『ニジンスキー』の両演目で主役を務める今回の来日公演こそが、面目躍如の場となるだろう。
とりわけ『椿姫』は公演の幕開けを飾る。パートナーは前回に引き続きコジョカルである。相手役や観客の反応でダイナミックに感情が変化するコジョカルを前に、彼のピュアな感性が刺激されないわけがない。素のままでも、充分に主人公アルマンを演じられそうなトルーシュだが、その演技が、そのダンスが、役柄にどんな深みを与えるのだろう。作品を彩る三つのパ・ド・ドゥはもちろん、物語全編を通して、トルーシュにしか描けないアルマンの生きざまを見せてくれることだろう。一方、バレエ史に燦然と輝く伝説のダンサー、ヴァツラフ・ニジンスキー。こちらもどう演じるのか、興味は尽きない。
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